「偏る」ということ2008年03月02日 10時27分14秒

なんとなく雑多なカセット
 私自身は漠然と、少年合唱&ボーイ・ソプラノが好き程度でここまで来てしまいましたが、この世界、なかなかDEEPなコレクターさんにも出会います。

 「何処が好き? 誰が好き?」と聞かれたら今は「ん~ん、全部!」と答えてしまう私は、たぶん、一筋に好きな演奏団体や個人は実は無いのかもしれません。特定の団体や個人にのめり込めないので。そこまでの集中力が持てなくなってしまった、ってことかもしれないんですが。

 でも友だちを持つなら、絶対に何処かの演奏団体に傾斜して聴いている方に限ります。これは、絶対に、です。
 なにしろ詳しい。○○の録音だったら頭の中に俯瞰図があるとか、レコードやCDに記載のないソリスト名を特定できるとか、○○合唱団の音源を丹念に収集していてほとんど持っているとか、もしかしたら演奏団体の資料室並のほぼ生きている百科事典。何を聴こうかと迷うとき、彼らは、素晴らしい羅針盤です。

 普通の生活ですれ違うだけならバランス感覚に優れた人格者が一番ですが、コト趣味の世界では、これだったら、これだけは・・・の、偏った優れ者が話していて楽しいです。

 *私自身は満遍なく聴くタイプなので、聞き役に徹していますが・・・。

記録された音 VS 消えていく音2008年03月02日 13時13分28秒

ウィーン少年合唱団のEPレコード
 少年合唱団やボーイ・ソプラノのコンサートが滅多に開催されない地方に住んでいるため、私が執着しているのはどちらかというと「記録された音」=レコードやCDの収集です。繰り返しが利くことも大いにマル。演奏者の少年の誕生日を見つけたりして、同年代か年上だったりすると、この頃、私はBSなんて知らないで外で遊びほうけていたけれど、この子は、メンデルスゾーンを歌っていたんだな~なんて、感傷的に自分を振り返ったり出来るところも、微妙にマルでした。

 ニャンダ君、少年合唱やボーイ・ソプラノは、ライヴですよ。ラ・イ・ヴ!

 通っている方々はそうおっしゃいますね。音楽は、そうなのかもしれません。迫力で作品のバランスがちょっと崩れていても、やり直しの効かないその場限りの一瞬の冴えた空気が魅力です。元気な頃はそう思ってコンサートにも行きました。
 今はダメ。動くのが億劫というのもありますが、あの人混みがダメなのです。それから、消えていってしまう音もなんだか儚い。コンサートの後って充足感とともにさびしい感じもしませんか?

 というわけで両方の良いとこ取りで、LIVE音源は大好きです。コンサートした時間は消えても、映像が残っていれば、繰り返して楽しめますから。NHKさんあたりが、あちこち世界中の会場から、少年合唱&ボーイ・ソプラノのステージを中継してくれないかなあ。

 少々お高い予約制でも良いので、どこかの会社がその手のコンサートDVDを作成してくれたらよいのにとも思います。来日するたびにレコードが録音された60~70年代のように。(今頃、収集中)

 ところで。
 私はコンサートに行くこともないので、レコード収集だけなら、お金がかからないでしょ? と思うでしょ?
 さにあらず。
 私が欲しいと思うような音源は、世界中のファンさんたちも欲しいらしくて、他力本願で集めている私には信じられない値段で取引されています。写真のWSKのEPはほぼ国内で比較的安く手に入れたものですが、つい最近、中の1枚と同じ盤を、某氏が良いお席でのコンサート4~5回分の値段でお買い上げになる状況をウォッチしてしまいました。タイミングのなせる技、でしょうが。

 怖ろしい世界で、私は道楽しています。

 もしかしたら、ライヴ派の友人たちのように、遠くても、普通にコンサートを楽しむのが健全かもしれないと思ったりします。
 同じ金額なら、コンサートを1回楽しむよりも、持っていない盤1枚を購入して聴く方を選択する私は、物欲の塊なのかもしれません。

ドラケンスバーグ少年合唱団~パワフルな歌声2008年03月02日 15時50分48秒

ドラケンスバーグ少年合唱団のCD
 南アへ行きたいなあ・・・。

 南ア(=南アフリカ)へ行ってみたい。雄大な緑と、可愛い動物たちと、美味しい果物の国。ジュースを飲んでみたいなあ。

 きっかけは、ドラケンスバーグ少年合唱団でした。

 コンサート体験はなく、記念すべき最初の音は、・・・ながらで聴いたもので、私は、その音にビックリ! 恐れをなして、あ、もう結構でございます・・・と、途中で聴くのを止めた情けないリスナーでしたが、数年後にショショロザのCDで開眼! このCDはとっても好きで、いまでもドラケンスバーグ少年合唱団は、気になる合唱団の一つです。その後に、DVDを見たら、合唱団の背景も美しいし、長靴で歌い踊る少年たちのパワフルなエネルギーに圧倒されました。

 実際に南アフリカへ旅行した人のビデオや写真を見せて頂いたら、ヒョコヒョコ顔を出す動物くんが可愛いし、山や川はきれいだし、ごちそうは美味しそうだし、家の中もドールハウスのよう・・・憧れますね。

 この合唱団は、音で聴くよりも、映像付きの方が数十倍は楽しめると思います。ガンブーツ・ダンス(?)、TVを見ながら踊ろうとしたのですが、見た目よりも難しかったな。一緒に踊ってみようかな、と思わせる合唱団のキャラクターが素晴らしいわけでして。つまりは、筋金入りのライヴ向きの合唱団です。

 ん~、1度は「生」のショショロザを聴いてみたいかなあ。

 南アのフレッシュ・フルーツ・ジュースを飲むことと、ドラケンスバーグ少年合唱団のショショロザを聴くことは当面の憧れです。

(パスポートを持っていないので行くことはないでしょう。自分が行くよりもお土産をもらう方が好き)

水上澄子氏「リンデングリーンの小鳥たち」2008年03月02日 20時19分34秒

ウィーン少年合唱団 野ばら/楽に寄す (PHILIPS FL-1505)
 水上澄子氏作 「リンデングリーンの小鳥たち」の中で一番好きな場面。それは、主人公のクリスチャンが従兄のハインリヒのピアノで「楽に寄す」を歌うところです。ストーリーの中の訳詞も又、素敵なのですよね~。

 クリスチャンの声は音域が広く高く
 (漫画だから歌声が実際には聞こえるはずはないのですが)
 10年に一度のソリストと先生に言われた従兄のハインリヒの更に上を行く声で、たぶん、ふわ~っと羽のようにやわらかく、しかもビブラートのあまりかからない、どこまでも楽々と、やさしく高く伸びていくソプラノを連想させてくれます。ソリストとしてこれから最高のコンディションへ向かう伸び盛りの声を。
 ああ、本当にクリスチャンの声で聴いてみたい。今まで聴いたソリストで言うと誰の声に近いのかなあ? 

 野ばら/楽に寄す (PHILIPS FL-1505)

 漫画を通してのイメージ(固定観念)からすると、この盤の声のソリストは、心持ち、低く硬く重くきつく、どちらかというとクリスチャンと同じクラスの優等生団員トビアス君のイメージです。硬質な声で丁寧に歌っています。でも、伴奏のピアノは、漫画のハインリヒ君のイメージ通り。
 っていうより、先にどこかでWSKを聴いていたからこそ、漫画からハインリヒ君が弾くピアノの音が聞こえたんでしょうね。

 この盤のどちらの演奏もWSKの看板音源ではありますが、「リンデングリーンの小鳥たち」を読んでクリスチャンの声を拡大イメージしてしまった後では、この盤を聴いても、そうじゃない、って気がして…私、困りましたねえ。実に。

 水上氏の描くところの、クリスチャン君の「楽に寄す」を聴いてみたいです。他の合唱団のソリスト君でもこの曲は聴くこともありますが、未だに、クリスチャン君のソロには出会っていないです。
 いつか、何処かで、きっとクリスチャンのソロに出会えると思うけれど。