卓越したボーイ・ソプラノ・ソリスト~ドラケンスバーグ少年合唱団2008年07月12日 22時39分16秒

CHORAL FANTASIA-EASTER HYMN ~ドラッケンスベルグ少年合唱団

CHORAL FANTASIA-EASTER HYMN (Brigadiers BCP 1361)

ドラッケンスベルグ少年合唱団は
すぐれたソリストを輩出する合唱団だと思っていますが
この盤での名無しのソリストくん(私が見つけられないだけかも)も
表現力を更に超えて、素材としての魅力に溢れています。

このCHOIRは割合ファルセット系のソプラノくんが多いような気がしますが
収録されているソプラノ君はPie Jesu(Fourie)を裏声に逃げることなく
少年の声のやさしさ柔らかさ、豊かな声量で朗々と歌いきりました。
ボーイ・ソプラノ史(在れば)に残したい名唱、です。

この盤、耳の近くで、聴衆の咳が聞こえました。
ピアノ(とオーケストラ)中心のChoral Fantasia O.P.80(Beethoven)は、どうもLIVEらしいです。
合唱団が活躍するのはラスト約3分ちょっとです。
現在とは全く違う少年の声(しつっこく繰り返しますね私)は
均し終えていなくてなんだか若々しくもあります。
ソリストの成熟度とはかけ離れた幼さをも感じさせてくれます。
ヨーロッパ志向の合唱です。

オーケストラに乗って演奏されるEaster Hymn。
合唱は最初のうち、採録がどこかあいまい。
それがソプラノ・ソロのあたりから音がクリアになってきます。
一瞬のソロが本当に印象的。
声の「艶」に魅了されます。
このソリスト君の声は、Lentelied(Roux Marais)でまるごと堪能できます。
「艶」と書いたけれど、声の湿度が心地よいのです。濡れてツヤツヤ。
それでいて決して女声っぽくはない。凛として誇り高い少年の声です。
拍手も入っているところをみると、このソロもLIVE収録なんですね。

この盤、雰囲気的にはWSKの50~60年代録音の趣。
合唱の純度はWSKほどではないようにも聴こえますが
なんといっても、これは全てLIVE。
なかなかたいした実力です。

さて気になるのはなんといっても秀逸なソリストくん。
名前は? 履歴は?
・・・わかりません。

ご存知の方も多いでしょうが
ドラッケンスベルグの学校には
BEST SOLOISTS の名前を彫った看板が掲示されているようです。
学校がソリストを大切にしている証ですよね?

でも
私が写真で見せてもらったのは
1999年から2003年までのもの。

1967年からチェックしたいところです。

今夏のDrakiesくんたちのヨーロッパ演奏旅行。
LIVE DVDが出て欲しいなあ。
DVDなら、歌っているときの表情まで見えますから。

この盤のLIVE。どこかに映像が残っていないかなあ。