Paul Phoenix ポール・フェニックス (St.Paul's Cathedral Choir セント・ポール大聖堂聖歌隊) ~ ソリストの1人1人が、この悠久の時空において、唯一無比の価値ある存在2008年11月10日 17時16分14秒

St.Paul's Cathedral Choir

Golden favourites from St.Paul's Cathedral (Guild GRCD 7024)
with the boys of the Cathedral Choir
soloists:Paul Phoenix, Mark Higgins & Jeremy Carpenter

 このCDは、世の中の少年合唱ファンが、Anthony Wey や、Connor Burrowes、 Edward Burrowes に注目していた頃(boys air choirの頃?)、彼らのCDをチェックしつつも、裏で、大切に聴いていた盤です。 How can I keep from singing (7243 5 69620 26 /1996 年6月録音)のようには話題に上がらなかった気がします。

 最近、CDデッキを買って、部屋の中でも、スピーカーで、CDを聴く事が出来るようになったので、このCDを聴いてみました。これ2001~2年頃、聴いていたんですよね、私。
 
  息を声にブレンドして柔らかく歌うPaul Phoenixくんは、折り目正しくやさしい木管系ソリスト。
 (ブレンドする息の量がもっと多くなるとポール・マイルス・キングストンくんになります。)

 伴奏のピアノもオーケストラも申し分ありません。CHOIR友だちがベスト1に選んだ正統派的選曲だけではなく、私は「7.Try to remember」「15.My Way」もどこかさびしくて哀しくて儚くてやさしくて大好き。

 巻き舌にもアクセントと気品があります。もちろん、ソロを支えているトレブルたちだけの合唱も凛々しく完成度が高い。

 「7.Try to remember」「10.O for the wings of a dove」あたりのアレンジはMichael Wardのアルバムにも通じるものがあり、B-Sを単にクラシッククラシックっぽく演奏させるだけではなく、メンデルスゾーンすら軽音楽ふうのアレンジで、そういうプロデュースが存在することも興味深く感じました。

 気楽に聴かせることも視点のひとつなのか、大曲?も、1曲1曲が時間的に短いのが残念ではありますが、ボーイ・ソプラノで聴く My Way も なんだか神聖ですらあります。

 こういう歌声に出会うたびに私は思うのです。

 100年に1人のボーイ・ソプラノどころか、ソリストの1人1人が、この悠久の時空において、唯一無比の価値ある存在なのだ、と。

  耳元で近くクリアに聞こえるレコード(Rejoice)の音と比較すると、微妙にCDナイズされた音ではありますが、なにしろ音源には傷がなく素晴らしい状態なので、そういう音の表情の細かいことを気にしないで十二分以上に感動できる音楽の世界が広がります。

 必聴の1枚です。コレクションをお薦めしますね。買いましょう!

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オーボエ声のPaul Phoenixくんに関して・・・

 話は変わりますが、私は実は、ヘレン・ミレンのファンです。
きっかけは、BBCのシェークスピア劇場を、NHKが放映したものを見たことによります。

 その「お気に召すまま As You Like It」に、Paul Phoenixくんが出演していて、彼ともう一人の少年 Barry Holden くんが歌った It was a lover and his lass (Morley)という歌に 私は、とりつかれていたのでした。

 とりつかれていたくせに、私、ソリストくんたちにとんちゃくしていませんでした。

 それが、20年?も経過してからこの盤の主役でもあるPaul PhoenixくんがAs You Like Itに出演していたことをCHOIR友だちから聞き、本を開いてみて(NHKで出した本を買っていました)ビックリ。確かに名前がありました。

 うちにあるボロボロに劣化したビデオの映像に残っているPaul PhoenixくんとBarry Holdenくんのセリフを言うときの声には、まだ幼さが残っています。
 
 彼がRejoiceを録音したのが1980年頃だったようですから、TVの方はそれよりももうちょっと早かったのかもしれません。

 ・・・お宝って何処にあるのか、わからないものですね。
そして、注意力の無い私なんかだと、知らずにほかしてしまうんでしょうね。情けない。