Der Tölzer Knabenchor テルツ少年合唱団「J.S.バッハ:マタイ受難曲」 ~ 女声が登場しないマタイ2009年02月01日 18時33分00秒

テルツ少年合唱団

J.S.バッハ:マタイ受難曲[新バッハ全集版]グスタフ・レオンハルト指揮テルツ少年合唱団 ラ・プティット・バンド(BVCD-3001~03) 1989年録音。

マタイ受難曲BWV.244(福音史家マタイによるわれらの主イエス・キリストの受難)

B-S
CHRISTIAN FLEIGNER(86,90,93年来日)、
Maximilian Kiener(86年来日)

テルツは私のイメージでは、人間くさい人肌声の合唱団。
でも、今回、マタイを聴きなおしてみて、「ちと、違うかも」などと感じてしまったのでした。

・・・汚れた人間界に存在させられる人間の汚れた感じやその悲しみは、女声の方がピッタリくるのですな・・・。

この曲、前提として、詩の意味的にはレチタティーヴォはともかくとして、アリアは女声の方が似合っているかも・・・。

マタイの場合、つい条件反射のごとく、前奏の第1フレーズが聞こえる瞬間から、感動する準備に入ってしまうのですが、
女声の後から、涼やかなB-Sが出てきて欲しい、と ちょっと思ったりして。

同じ高音域を出すのだから、B-Sでも女声でも音に違いは無いようなものだろうと思うところもあったのですが、

私は、B-Sと女声の決定的な違いは、非常に感覚的な発想ですが、出す音の温度差だと思っております。

B-Sは冷、女声は温(又は暖、又は熱)。
色で言えば、ブルーVSオレンジ又はレッド。
(耳を通して流れてくるもののどちらを、より心地よく、魂が感じるかの問題で少年合唱に傾いております。~もちろん、ブルーの女声もオレンジのB-Sもありますが~)

で、このブルーVSオレンジ又はレッドなんですが。

マタイには、両方、必要なんじゃないか、と思ったわけです。

ボーイ・ソプラノ Daniel Corti ダニエル・コルティ ~ ハッとするほどに美しい声2009年02月15日 19時28分59秒

Daniel Corti ダニエル・コルティ

W. BUCHERER: 7 geistliche Lieder (Turicaphon AG 25-102)

Daniel Cortiは、1950年にスイスで生まれた。
少年合唱団に所属することなくソリスト、又はオペラの舞台で活躍したらしい。

この盤はプライベート録音。
しかし、プロのハープとヴァイオリンとの協演は、時折、ハッとするほどに美しいダニエルの声とあいまって、手放せない愛蔵盤になるだろう。

ダニエルのソプラノは非常に繊細かつヴェールのように軽やか。
癖が無く、清潔で、お手本のように端正。

時折、ハッとするほどに美しい・・・と書いたが、ハッとするほどに美しいのが時折であって、持続しないのがちょっと残念だ。

声にもやがかかってしまうときがあって、それが気になると言えば気になる。

が、選曲、ソリストの声、表現力、伴奏ともにかなりの高得点盤ではあると思う。
持っていて損はない。

2面はヘンデルのハープによるパストラーレと、バイオリンによるハイドンのアダージョ。・・・こちらも、美しい・・・。

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CHOIR友だちがこの盤を良いと言っていたのですが、私は聴いていたことすら忘れていました。
所詮はこんなもの、なのかなあ。私のCHOIRやB-Sに対する気持ちって。
・・・トシだ。夢中になれない。

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さて、今回
壊れたHDDからのデータの取り出しにかかった費用は4万円弱。

お店でフォルダの確認はしたのですが、自宅に戻って、改めて見たら、消えているフォルダ、フォルダの中のファイルが消えている分が結構ありました。

・・・こんなもの、なのかなあ。
次からは気をつけよう。

ご心配をお掛けしました。
そして、どうもありがとうございます。

ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団 THOMANERCHOR LEIPZIG 「マタイ受難曲 BWV244b」~ 不思議と心安らぐマタイ2009年02月22日 20時57分52秒

ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団

2008年演奏旅行記念CD

演奏会場で売られていたCDです。
手にしたとき、韓国語に違和感がちょっとあったのですが、これからは、韓国語や中国語も併記されるようになるんでしょうね。時代ですね。

ソリストは成年男女ですが、全く、違和感がありません。

実際にマタイを歌う方が聴けば、気になる箇所があるかもしれないですが、私は、一つ一つの音の色彩に、抵抗無く、サラッと聴く事ができました。

上手というのとは違うような気もしますが。
安心して聴く事が出来る、というか・・・。

むしろ、テルツの演奏CDの方が、全体的には、どこか、肉感的にも感じる所もあったような気がします。

こちらは、「肉」「体温」を感じさせないところが、心地よいのです。
前の感想とは矛盾していますが。
(所詮、私は、ただの少年合唱ファン)
合唱部分が、清々しいですし。

私の好みでは、テルツよりも、こちらのマタイにマル。

KOORSCHOOL VAN DE ST.BAVO, HAARLEM オランダ王立セント・バーヴォ少年合唱団 ~ 豊かな時代のマタイ LIVE2009年02月28日 16時35分23秒

オランダ王立セント・バーヴォ少年合唱団

KOREN UIT DE MATTHAUS PASSION (COrneMUse CM 79/1)

KOOR VAN DE NEDERLANDSE
BACHVERENIGING
KOORSCHOOL VAN DE ST.BAVO, HAARLEM
RESIDENTIE ORKEST
derigent:CHARLES DE WOLFF

これは1977年4月のライヴ録音のようです。
1枚物なので、いかにもマタイの合唱部分のみの収録で、ソロはありませんが、マタイの雰囲気は伝わってきます。

合唱団については、よくわかりませんが、女声を感じさせない成年男女の混声にも聴こえます。
お目当てのセント・バーヴォについては、独自に華々しく歌っているわけではありませんが、この演奏の中で、マタイに不可欠な?清らかな音の部分を請け負っています。

もともとセント・バーヴォは、(数枚聴いただけですが)、合唱にヘンな癖のない、お手本みたいな演奏をする合唱団で、それが、この演奏会でも良い影響をもたらしているいるようです。

採録技術が万全とは言えない状況で、合唱の声そのものが塊みたいに聴こえてくるのですが、マタイだから、大丈夫。

1977年といえば、高度成長期まっただなかで、バブリーな時代だったらしいですが(私には関係なかった・・・)、このような澄んだ演奏が残されたのは、素晴らしいことだと思います。

これ、聴こうと思えば生で聴くことも出来たんですね。オランダへ行けば。
それから数十年後に、日本の片田舎で聴くことが出来たので、まあ、いいかな。