PIE JESU ~ カバー写真に相応しい内容のCD2009年05月17日 11時51分56秒

PIE JESU

PIE JESU (DECCA 448 687-2)

 普段、オリジナル重視なので、乗合自動車(オムニバス)方式のCDにはあまり興味ないのですが、大好きで私にとって特別な Paul Miles-Kingston くんが収録されている(内容はいつものものですが)ことと、アルバムカバー写真に惹かれたので買ったCDです。
 聴いてみると、これは、これで聴き応えがありました。迫力の女声に始まり、そしてセントジョンズ。
 80年代の初め頃はキングスカレッジ命に影響されてイギリス系を聴いていたのでセントジョンズも聞き分け可能(なにしろ個性が強かった)だったはずなのに、ここに収録されている1975年のフォーレは、落ち着いていてどこか繊細で私が知っている彼らと全く違うのです。
 男声に始まり、声が重なっていく過程が、このカバー写真のように澄んでいて・・・テノールとの相性も良いトレブルくんたちも憂いを含んだ大人びたソプラノを聴かせてくれて、ここでは後年のやんちゃぶりがありません。
 私はボーイ・ソプラノのソロLPが好きで集めていますが、でも、全ての声部を網羅している合唱って良いなあ、と聞き惚れました。

 以前から名前だけはチェックしていましたが、Jonathon Bond くん、Robert King くんの声を意識して聴く事が出来たのも良かったです。
 女声ソロも、男声デュエットも、オーケストラを背景にしたヴァイオリン・ソロの響きも麗しく、心穏やかに音楽を楽しむことが出来て、まさに、このカバー写真に相応しい内容のCDでした。