ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 MENDELSSHON & W.A.Mozart ~ 上質な時代のWSKコンサートを想起させる盤2009年06月01日 03時43分51秒

ESCOLANIA DE MONTSERRAT (sayton Ref.CA-29-ST)

ESCOLANIA DE MONTSERRAT (sayton Ref.CA-29-ST)1968年、69年録音。

 収録曲がメンデルスゾーンとモーツァルトだなんて、モンセラっぽくなくて面白い。おそらくは”俗的”なコンサートのアンコールからシングルカットされたものではないかと思う。

 音もソリストの声も歌い方も非常に古い。昔の機材で素人がコンサートを録ったかのごとくの音がかなり郷愁的。イイ・・・実に。

 艶のあるどこか女声的なボーイ・ソプラノで禁欲的な感じは一切無いが、もしも50年代のWSKがコンサートをしたら、こんな感じのソリストくんで、合唱のフォローもこんな感じで・・・なんて想像してしまう。

 82年のTV放送を聴いて、その透明感に参ってしまい、スペイン在住者を通じてレコードを入手しようとまで思い詰めた割に、実際にはここまで聴かないで来てしまったので、モンセラのW.A.Mozartとは驚きだったが、子守歌もなかなか良い。
 透明ではなくてどこか肉感的にも思えるが、媚びていないから素っ気ないけれど、おおらかで豊か。
 そんなふうに子守歌を歌い終えたときに、大きな拍手が・・・。

 2曲ともライヴ録音。
 このときに残された音がもっとあるなら、ありったけ聴いてみたい気がした。

ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 CANCONS POPULARS DE NADAL ~ 切なさいっぱいの歌唱集2009年06月07日 21時10分38秒

モンセラート修道院聖歌隊

CANCONS POPULARS DE NADAL (montserrat DAM 4004-CS)TAPE 録音年不明/指揮:Ireneu Segarra

 良く歌われている(人気の)NADALの歌、とでも訳すのかな?
 El cant dels ocellsは、鳥の歌でした。
シンプルなピアノ伴奏で歌われるこのカセットは、珍しくも宗教曲ではなくて、民謡風。もしかしたら、Nadal地方で歌われているのでしょうか。
 ボーイ・ソプラノ・ソロをふんだんに取り入れ、ソロも合唱も引き立つ作りになっています。

 メインのソリストくん。愁い度80%。合唱も負けずに、愁い度60%。このソリストくんの声を残したいがための録音かな?と思うほど、登場します。(実は複数のソリストくんだったら、勘違い)
 
 初めて聴く曲が多いけれど、ソロや合唱の音の色彩そのものの愁い度が高いのに、きれいな旋律の曲そのものの愁い度も高くて、何を歌っているのかすらわからないのに、聴いているだけで泣けそうになります。

 メインのソリスト君の高い声も良いけれど、低めの旋律を歌うときの木管っぽい声もまたステキなのだな。名前が記載れていないので、録音年すら推定が難しいのが残念。デュエットも割合あるので、ソリスト君は複数の模様。

 昔、来日コンサートをTVで聴いたときと似通った感動を受ける、切なさがたくさん詰まった、カセットです。
 心がすさんだりかわいているときに、聴いてほしいかも。

The Medina Music School Boys Choir 「WHAT A WONDERFUL WORLD」 ~ ドラケンスバーグ少年合唱団の浸透力を感じさせるCD2009年06月14日 21時08分23秒

The Medina Music School Boys Choir

The Medina Music School Boys Choir
WHAT A WONDERFUL WORLD (Songs From The World Tour)

 What a Wonderful Worldと聞けばそれだけでCDを買ってしまうほど、この曲が大好き。しかも、このCDは、少年合唱盤。買わない手はない。で、Choir友人経由で入手。

 お目当ての曲で幕開け。・・・あまりに芸術的で、別な曲かと思ってしまった・・・。訓練された声がきれいにストレートに伸びて重なって行く。ソロも良いけれど、合唱そのものが、開放感にあふれ、聞いていて心地よい。ソプラノくんたちの声がちょっと幼くて金属系に傾くこともあるのはご愛嬌として・・・上手なことに変わりがない。

 副タイトルに「ワールド・ツアーからの歌」とあるように各地のアンコールで歌った曲っぽい、気楽で歌いなれた曲が選曲されている。伴奏がピアノというのもコンサートの雰囲気が出ていてよろしい。コンサートに飢えている地方在住者Nyandaの気持ちをくすぐるなあ。「流浪の民」なんか、WSKを思い出したりして。むろん、変声後の声が入る分、コーラスが厚いですが。

 特筆すべきは、「ショショロザ」を始め、おそらくアフリカ系名曲が複数曲取り上げられていること。

 全体的に、テンポゆっくりめで、丁寧な演奏を聞かせるChoirだが、この特長が、アフリカ系曲では、ちょっと違和感を持ってしまった。

 ドラケンスバーグ少年合唱団の、生命にあふれ輝く合唱を既に聴いてしまっているので、そこだけはどうしてもかなわないかな、と。うるわしいハーモニーではあったけれど。
 とにかく完璧上手な合唱団。
 でも、感じたのは、ドラケンスバーグ少年合唱団の一流所合唱団への浸透力というか影響力。世界的には、ドラケンスバーグ少年合唱団を知らないファンも多いだろうけれど、指導者レベルでは意識されているんだろうな、と感じさせられたCDだった。

ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 ~ VIROLAI 代表的で日常的な曲2009年06月29日 01時04分47秒

ESCOLANIA DE MONTSERRAT
ESCOLANIA DE MONTSERRAT (vergara 14.001-sc)
Director:Dom Ireneu Segarra

SALVE REGINA Francesc Civil
VIROLAI Verdaguer-Rodoreda

 VIROLAIってどんな意味だろう?と調べていたら「大人のヨーロッパ旅行」というサイトにモンセラートが紹介されていて、「サルベ(Salve)とビロライ(Virorai)と呼ばれる聖歌を聴くことができる」とあった。そっか、聖歌か。

 しかーし、このEP盤からお宝発見。由緒正しそうな印刷のVirolai de Montserrat の楽譜と歌詞が四つ折で出てきた。さてはお信徒さんが手離したEPか?・・・(或いは観光客か)

 聴いた感じでは、特にもSALVE REGINAの方が、(幾分合唱のトーンが高めに聴こえるが、)演奏の雰囲気が、初来日でTV放送された折りの声に近いような気がした。レコード番号が私が持っているうちでは若い方だが、そんなに古くはない録音なのかもしれない。頭声でも胸声でもない、首を使って響かせているかのような(←ありえないけれど)繊細な声は、モンセラならではのもの。

 シンプルなつくりのVIROLAIは、なんとなく歌えそう。モンセラは、SALVE REGINAやこのVIROLAI の録音が割と多いので、日常的に歌われているのかも。この音源自体、ライブ(といってよいのか不明だが)で、幼い子どもの泣き声も収録されているので、公開演奏なのかも。