鈴木賢三郎「星の王子さま」~心に温かい 永遠不滅の日本を代表するボーイ・ソプラノ2010年09月25日 12時58分45秒




星の王子さま (株式会社キャニオン・レコード CX-43)

 私の中で、日本のボーイ・ソプラノに特にも大切な存在が3つあります。

1、村上友一くん
2、ビクター少年合唱隊の切手のカバーのアルバムでの歌い人知らずの荒城の月
3、鈴木賢三郎くんの「星の王子さま」

です。
 これは、1978年から79年まで朝日放送で放映されたアニメ「星の王子さま」のオープニングに使用された曲で、フレーベル少年合唱団の鈴木賢三郎くんが歌っています。残念ながら私が住まう地方で朝日系列が開局したのは1980年だったのでリアルタイムではこのBSを見落としました。だから初めて聴いたのは、80年代。それまで意識することがなかった日本のBSの素晴らしさを教えてくれたCHOIR友だちの一人からのコピーでした。 
 それはビクター少年合唱隊の燦然と輝く膨大なコレクションの中で、凛然と聴こえてきました。
 村上くんのは日本語に清涼な美しさを感じましたが、鈴木君には、一つ一つの音符に切ないような懐かしさを感じてしまうのです。
 音の一つ一つが温かく美しくやさしい。なんだかハスキーで鼻に詰まるような癖があって、思い切りが良くて、だけどだけど・・・近いようで、遥か遠くに存在する手の届かない「聖なる存在」。
 彼のボーイ・ソプラノからは、人間の存在を肯定する気持ちや「良心」の存在を信じたくなるような何かも感じました。

 数十年後、今世紀になってから、この「声」を持って居たくなってアニメのDVDを買ったり、レコードを手に入れたり・・・。でも、アニメのDVDには歌はフル・バージョンでは入っていないし、USEDで入手したEPは傷だらけ・・・。
 私って抜けている。間抜け・・・。

 この演奏は、You Tube でナレーション入りで聴けますのでぜひにどうぞ。 
 鈴木賢三郎さんの「星の王子さま」の演奏は永遠に不滅です。今更ながらですが、詩も曲も良いですね。

ボーイ・ソプラノ Norman Smith ~ 聖歌隊の香りを内包した表現者2010年09月25日 16時30分41秒




  LPは、聖歌隊に関係しない普通のボーイ・ソプラノ・ソリストとして聴くと、ふつうに素直に「Maman」が好き。

 Choirのコンサートのメイン・プログラムに入る曲じゃないかもしれないけれど、例えばパリ木のコンサートのアンコールで小さい団員にしみじみと(でもサラッと高い声で)歌って欲しいような。

 LPの方、曲によって声の雰囲気が違うような。若く(幼く)聴こえることもあるし。


 シングルカットされているのは、どちらもLPのA面から+。

 LPのA面は、B面までほどには世俗の度合いが微妙に高くないし、EPでは、聖歌隊系の香りを残しつつ、ガチガチの宗教系録音じゃないところの、この少年の良さを伝えたかったのかな。と思う。


 カバーのSopranoのSがト音記号?になっていたりEPではSmithのiの上の方が音符だったり・・・製作者のこのボーイ・ソプラノへの想いが伝わってきそう。 

 もちろん、聖歌隊のソリストとしても、ステージ上のソリストとしても、どちらでもOKな資質。
 まろやかでのびやかなで解放された自由な声。声を自在に操るテクニック。声はボーイでも、子守唄では、ほのかに母性まで感じさせたりして・・・。

 彼もまた、時空に名ソリストとしてその存在を刻まれる一人だと思う。