少年合唱 Libera リベラ ~ 「天使のくれた奇跡」=ナチュラル2015年11月14日 12時28分15秒



 リベラっぽいシャープさよりも、ナチュラルさを感じてしまう音創りをしているように思いました。本当はリベラこそ、高音質CDで聴きたいグループなのですが。
 メインソリストのIsaac Londonくんの声が温かく落ち着いていて限りないやさしさを感じるのですが、これまでのリベラのChoirとしての音質とはちょっと違ったコンセプトみたいな気がするCDなので、そこをどう受け止めるか、なのだと思います。
 リベラっぽいといえば、タイトルの「天使の奇跡」の創りはあざといほどにリベラっぽいです。タイトルにもなっているのでこちらがあくまでもリベラ路線の曲なのでしょう。私は聴きやすいですが、ソロもChoirも音がナチュラルなので、天上の天使ではなくて、地上の天使でしょうか。
 地上の天使 Isaac Londonくんの「サンタ」の今を生きる男の子としてのソロと、天上の天使的Choirの対比が、お互いを引き立てあっています。コーラスもこの上なく美しく、ソロの人間性もステキ・・・。みたいな。
 DVDはオフを収録したものと、天使のくれた奇跡は歌っている映像ですが、欲を言えばくっきりスッキリした映像と高音質だったらもっと良かったと思います。

少年合唱 テルツ少年合唱団 ~ 2£ from each sale go to SOS-Kinderdorf e. V. がすべて2015年11月22日 13時32分20秒



 CDカバーに?と思ったものの、Soloists of the TÖLZER KNABENCHOR とあったので期待して購入し、聴いてみました。メインがバイオリン2、ヴィオラ1、バイオリンチェロ?1のカルテットに、テルツのソリストが絡みます。加えて楽器はハープシコードとダブルバス(ベース?)も参加しています。
 派遣組のテルツのソリストくんたち、名前を見つけることが出来ませんでした。どこかに記載があるのかもしれませんが。以前、テルツのソリストたちは報酬を貰って世界中で歌っているプロだと読んだことがあるような気がしたのですが、方針が変わったのかな?
 カバーですが、カルテットのメンバーの楽器とSOSの子どものイメージでしょうか? 演奏も、それがすべてって感じでした。
 テルツのソリストたちは、上手いのですが、+αが欲しかったです。テルツの昔のスターたちみたいに。ですが、派遣と言うか客演と言うか添え物扱いなら仕方ないか。聴こえてくるChoirは良いのですが。
 バランス的にテルツと共演するときカルテットが出過ぎのように感じました。ハープシコードやベースとの相性は良かったかな。
 それとあまり器楽は聴かないのでわからないんですが、バイオリンの音はこんな感じ?なのでしょうか。聴いていて、苦痛でした。ヘタとかではなくて、単に、私の耳とこちらのバイオリンとは相性が悪かったんだと思います。
 選曲や構成もどうかな~。機械的なクリスマスというか、伝統的なクリスマスの良さは薄らいでいるようでした。ChoirファンとしてはテルツのChoirが聴こえたときにホッとする感じ。でも、気持ち、音は遠かったです。
 クリスマス前にチャリティに参加した、ってところでしょうか。

ボーイ・ソプラノ PAUL DUTTON ~ Paul はうたう・・・2015年11月23日 10時40分18秒



 このレコードは以前から持っていたのですが、ちょっと聴くのをためらっておりました。原因はアルバムカバーの彼です。私の好みの範疇からはちょっと外した録音時期かと想像していましたので。ま、後で聴こうか、が今になっています。
 実際に盤に針を落としたら、正直、彼のソプラノは、写真から受ける印象よりも3~4歳は若い声です。もっと早くに聴けば良かった・・・。
 選曲をご覧ください。ファン心をくすぐる曲構成です。思わず浸ってしまいますね。Paul君は聖歌隊のみに留まらず、ソリストとしても活躍した少年のようです。だから、ソロやコラボ、聖歌隊の中でのソロと、残っている訳で。それでも、少年ソリストというよりも、たたずまいは、あくまでも聖歌隊所属のコリスターというカラーを護っているような演奏です。・・・にしてもクリアな声。寺院とか聖堂の中で聴きたかったです。表現者ではなくて、聖歌隊員のソロ、なんですね。16曲を歌いこなしているのはスゴイですが、できれば聖歌隊のBGM応援も5曲に1曲くらい構成として欲しかったかも、です。ハープシコードやピアノ&オルガンとの協演もステキにはステキなんですが。聖歌隊系トレブル・ソロは他のトレブルさんたちプラス、アルトやテノールの男声部あってこそ、活きる曲も多いですから。Choirからスッとこのトレブルの音が立ち上ったらゾクゾクすることでしょう。何気に巻き舌をさりげなく使っておりました。収録曲の中では、The Shepherd's Song (Elgar) が彼の声に似合っていて良かったと思います。The little road to Bethelehem は切なかった・・・。アルバムを聴いていて切なく感じるのは曲そのものなのか、演奏者の演奏力なのか、いつも疑問に感じるところなのですが、「この曲にこの声この歌い方」ということなのでしょう。2面後半に配置された曲々がより彼の声を活かしていたと思います。なんにせよ、聖歌隊員恐るべし!です。レコード面に1970の表記がありました。13歳時の録音らしいです。

 こちらは14歳時の録音かもしれません。レコードには1972の表記があります。選曲が良いですね。テクニック的に伸びていると思います。声もそれほど変わっていません。高い声も出ています。無理に変化を探すとすれば、声の片鱗にいぶし銀の味わいが出かかっているかも、でしょうか。こちらの盤にはメサイアからのアリアが収録されていますが、彼、メサイアとかレクイエムのソロのキャリアがあるようです。Liveで聴きたかったですね。この盤には、Paulのソリストとしての録音としてその他、5枚ほど紹介されていました。が、THOMAS HUNT 少年とのデュエット盤が記載されていなかったので、まだあるのだろうと思います。ヘッド・コリスターだっただけではなく、外国でソリストとして起用されたり、これだけの録音数があったりと特別な扱いを受けたソリストだったのでしょう。オルガンやハープシコードに加えてバイオリンやチェロとの相性も良い声でさすがはabbey盤に起用されたトレブルです。おそらくA面がリサイタル等で歌った曲で、B面が国民の人気曲なのだと思います。個人的には Bless this houseが収録されていて幸せ。1&2で16+11。中学1年生が変声前にこの2枚で27曲をソロしている訳です。この事実も恐るべしイギリスの聖歌隊!とか感じますね。

 イギリスには全世界的に格が違うキングスカレッジみたいなChoirがあり、キングスを聴けばすべてOKかもしれませんが、Paul君が所属していた LEEDS PARISH CHURCH CHOIR にも潜在的に熱心なファンがいると思われます。だいたいにして、私がサイトを始めるきっかけを作ったChoirがここなのです。演奏団体とタイトルだけでレコードやCDを購入していた頃、3度続けて、LEEDS PARISH CHURCH CHOIRの同じCDを購入したことがあり、コレクションの整理が必要に迫られてサイトを始めました。この聖歌隊の何がそんなにファンを引き付けるのか? まあ、聴いてみてくださいな。とってもとってもキュートなのです。Choirとソロとのバランスとか、起用するソリストが自然体なのも良いのかもしれません。ソロ盤も良いですが、Choirとの混合盤はより良さを感じさせてくれます。Choirが良いからソロが活きることを教えられます。そしてトレブルソリストくんが3人もいるこの盤は、それぞれのテイストが楽しめます。Michael Maceくんのソフトなソロにやさしく癒されたり。Paulくんがキラキラだったり。Richard BrownくんもPaulくんに匹敵する声でした。ポピュラーとタイトルされていますが、あくまでも本国ではポピュラー、ということで、なじみの薄い(ない?)曲もあり、耳を傾けて聴きました。商業的匂いのしないクリスマスキャロルでして、年に1回、聴くなら今でしょ、って感じです。


 PaulくんとThomasくんの2ショットが出てきたところで、この盤の次は、彼らのデュエット盤を紹介する予定でしたが・・・どこに入っているのか見つからないので、又、気が向いたときに。相変わらず、どらえもんのポケットをしている私です。

 さて2枚目は、教会の尖塔にある鐘のような音から始まります。そして合唱が入ってきます。この2人のために書かれた曲も収録されていました。スゴイ世界です。って、作曲者はThomasくんのお父上ですけれど。
 Paulくんのソロを聴いていると、聖歌隊が求めるトレブルソリストのタイプって、こんな感じなのかなと思います。線が細くて高くて清んでいて希薄な声。肉感的な女声と対極にあるような。・・・神様の前では、朗々と歌ってはいけないのでしょう。
 この2枚目のLPは、大人な仕上がりでした。トレブルたちのトーンが落ち着いていて全体の音質も落ち着いて聴こえるのかもしれません。Thomasくんは第2ソリストの位置づけのようで、Paulくんの前には出てきませんが、子ども子どもした声ではなさそうなので、1曲くらいソロでじっくりと聴きたかったです。Silent Night くらいは・・・。お父上が立場上遠慮されたのかもしれませんが、今となっては残念です。プライベートでソロ盤を残してくれても良かったのに。
 こちらにはさすがにPaulくんとThomasくんのデュエット盤の記載もありました。関係盤が全部abbeyから出ているのも、さすがです。

少年合唱 Exeter Cathedral Choir ~ 大聖堂のクリスマスイヴ2015年11月29日 20時41分05秒



(alpha ACA 512)

かなりステキなアルバムカバーでLPレコードの大画面で見ると更に迫力満点です。このアルファというレーベルは必ずしも少年合唱ファンすべてにお薦めできるものではないのですが、薦めたい相手は既に収集中みたいに熱心な収集者に出会うレーベルでもあります。
盤の内容はタイトル通り。エクセター大聖堂のクリスマスイヴ。朗読と聖歌隊の合唱が交互に収録されています。
トレブルソロのSimon Toyne and Christian Larder両君のガラス細工の高音がなかなか魅力的です。思い出すと、昔、私は(結果的に1小節しか歌っていなくても)この手のソロを聴きたくて、イギリスの聖歌隊盤alphaレーベルを、収集していたのでした。
この盤は、音がクリアに聴こえます。たぶん、トレブルくんたちのトーンが心持ち高めだから、Choirの音質が全体的に煌めいて華やかに聴こえるのかもしれません。合唱にイギリス的やすり掛けがないのも又、華やかに聴こえる理由かも、です。頑張りすぎると音がちょっと壊れちゃうのも愛嬌で、必ずしもマイナス材料ではなくて、そのffに共感します。
基本的に各声部が上手です。イヴにサービスに出かけてこの聖歌隊を聴くことが出来たら幸せ、でしょうね。とにかく1曲1曲のキャロルそれぞれが良い。じっくりゆったりと歌われているので、聴きなれたキャロルはさらに良いのです。もちろん、初めて聴いた曲も迫力があってカッコ良かったです。
 それからこの盤をお持ちの方にお尋ねしたいのですが、歌詞カードのThe Herald Angels Singの最後から3行目のBornのoに、ポチが付いていますか?