さわやかなメゾ・ソプラノ~HANS VELDHUIZEN2016年05月31日 12時37分28秒



(CD PLENUM 829)
 1.Vreugde, vreugde, louter vreugdeは、ベートーベンの「よろこびの歌」です。外国語がわからないので、勝手に「晴れたる青空 ただよう雲よ 小鳥は歌えり 林に森に」と翻訳されて聴こえてきました。第九って言うと、混声で、肩をいからせ高圧的に頑張っていかつく歌うイメージの曲を、こんなにもサラッと優しげに歌っているのを聴いたのは初めてです。とにかく、インスツルメンタル部分から心優しい音で入ってきて、さらに、HANSくんの声が又、輪をかけて少年の声ゆえの穏やかや心優しさに満ちてさわやかに歌っています。その他の選曲も、ソリスト君の声に似合っている雰囲気。Jezus(ジーザス)の単語があるので、詩編とかなのかもしれませんが、聴いていて、心がやすらぎます。日曜の午前中にゆっくり聴きたい1枚かな。知らない曲ばかりですが、どこか聴いたことがあるような懐かしさを思い起こさせてくれる曲たちばかりです。
HANSくんも高い声がきれいに出ていると思いますしJongens sopraan と mezzo-sopraan の音の差が私にはわかりませんが、このはかなげでやさしさがmezzoなのでしょうか。金属音はありません。オランダはボーイ・ソプラノ大国ですが、音源はなかなか手に入れにくい国の一つでもあり、HANSくんも聴き落としたら勿体ないボーイソプラノの1人でもあると思います。知っている限り2枚のCDを出していますが、欲を言えば、ドイツ・オーストリア・イギリスのBSたちが歌っているようなオーソドックスな選曲のCDも出してほしかったと思います。男声合唱も入ってミサの雰囲気を出していますが、大人の声と対比することでHANSくんの声の清潔感が際立ちます。

木漏れ日とそよ風のメゾ・ソプラノ~HANS VELDHUIZEN2016年05月31日 12時46分12秒



 (CD PL 889)

 最初のCDのコンセプトを推し進めたようなCDということになるのでしょうか。詩編というタイトルの収録数が増えました。
 どちらも1989年収録です。1989年と言えば日本国内ではWSK89年来日組のマックスくんがファンを席巻していたころですヨ…。HANSくんも同じステージに立っていたら話題になっただろうと、つい妄想してしまいます。その頃、知らなかったな~HANSくん。(あり得ないけれど)リアルでHANSくんの声を聴くチャンスがあったんですね。残念!
 選曲がそうさせているのかもしれませんが、これらの歌は、木漏れ日やそよ風のように、超自然体です。ちょっと悲劇の匂いもするかな? もしかして宗教的な曲だから? こういうふうに詞の意味が解らないのはもどかしいですが、音として伝わって来るものを私は聴いているのでしょう。ちなみに 10.De Heilige Stad はThe Holy Cityです。 11.Neem mijn leven, laat het Heerは、相変わらずフルートがやさしい。
 ザラッとした朴訥なテイストの男声合唱も大切なアクセントで、信仰という側面も感じさせてくれます。軽やかなピアノもフレンドリー。曲数は幾分少ないですが、全体の録音時間は2月の録音CDよりも多く、長めの曲をじっくりと聴かせてくれるのも良いです。

クリスタル・ヴォイスのボーイ・ソプラノ~DENNIS DERKSEN2016年05月31日 12時52分08秒




(DE BAZUIN 5552)

 ライナーノーツより1980/04/10という数字を判読したのでこれが誕生日だとすると、DENNISくん12~13歳の、いわばBS絶頂期に録音されたCDとなるのでしょうか。 
 2.Welk een Vriend is once Jezusは、文部省唱歌の「星の界(ほしのよ)」です。ボーイソプラノであらためて聴くと冴え冴えとして美しいです。HANS VELDHUIZENくんのCDを聴いてソプラノとメゾの違いが判らないと思いましたが、DENNISくんの歌を聴くと、なるほど、HANSくんよりも、線が細く高くクリスタル度が高いような気もします。いわゆる曇りのないクリアソプラノです。 9.U zij de glorieは運動会で優勝旗もらうときのBGMで良く聞くヘンデルの「勝利の歌(?)」で、11.Gena van Godが「アメイジング・グレース」です。その他にも、聞いたことのある曲が収録されています。
 このCDもHANS VELDHUIZENくんのCDと同じコンセプトで作成されたどこかライトな宗教的CDなのだろうと思います。選曲は声質の違いかもしれないですね。混声合唱もちょっと入りますが、混声の中の女声をバックにしてもDENNISくんの声が引き立つので、その微妙なトーンの違いが、男声合唱をバックにした
HANSくんの声との違いなのでしょう。
 DENNISくんのクリアな声を活かすべく良心的に作られたCDで、HANSくんのと共に、手元に置きたいCDです。