Britain's Got Talent 2008 から現れたボーイ・シンガー ~ Charlie Green2016年06月13日 14時20分51秒



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 britain's GOT talent 2008から現れた少年です。YouTubeで見ると、71529番の小さな男の子は素直でなんだか可愛らしかった。なりきっていましたね。このときに歌ったのが収録曲1番のSummer Wind. でもセミファイナルの時にたぶん、そのなりきりで失敗してしまう。私は外国語ダメなんですが、Charlie君の素はOKですが、選曲と表現がNGと審査員に言われたのかなと感じました。
 心からジャズが好きなんだと思います。上手にジャズしていますが、上手なCharlie君よりも、あんまり声も良くなくてテキトーにみんなで歌っているプロ歌手の歌の方が響いて来たりするのです。それは、大好きな2番のWhat a Wonderful World を聴いたときに思いました。ルイ・アームストロングと比較はできませんが(彼だって声が良いとか上手とかじゃないと思います)、Charlie君よりも若い女の子のCDでWhat a Wonderful World を持っているんですが、彼女の方が切々と訴えてくるんです。ジャズって不思議で、ハートが先で、それがジャズの形を取るように聴こえるんですね、私には。気持ちよくスウィングしているのは感じられますが、どこかの大人がかつてしただろうスウィングを形だけまねてきれいな声で歌っているような気がしてしまうんですね。浅く感じてしまうんです。それがこの選曲には勿体ないような気がして聴き終わりました。

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 声が落ち着きました。変声に入ってきたのでしょうか。落ち着いてやわらかく甘く聴きやすい声です。歌い方も自然体で好感が持てます。自分らしさを獲得した演奏です。だからこその選曲、でしょうが、初めてこのCDを聴いたときに、歌う曲を1枚目CDと2枚目CDで入れ替えてくれたらなあ、と思いました。とはいえ、昔の大ヒットした10代アイドルの曲を自分のものとして表現しているので、それはそれで魅力だと思います。(私はダニー・オズモンドがリアルだった世代なのでソコ編曲違うよ、高いトコだよ、と茶々は入れたくなりましたが)
 片思いしている少女が一人でやさしい気持ちで聴くときに似合いそうなCDでしょうか。

(VRCDS 12 444)

 変声はすすみましたが、きれいな声です。2作目CDを発展させた3作目ということでしょうか。アルトよりもちょっと+ちょっと低いけれど、低音部まではいかなくて、なんとも爽やかな少年と成年の狭間の声です。元々がクラシック系の少年ではなかったので、このような選曲になったのも頷けますが、声には似合っている選曲ではありますが、曲そのものの需要としてはどうだったのでしょう? なんだか感覚が少し古いような・・・古き良き時代の良い声、とも言えますが。耳に声がどこかで残っている他のシンガーさんと比較すると、Charlie君は望むままにきれいな声が出るからかもしれませんが、サラッと歌い流しているように聴こえるかも。彼のオリジナル曲ではないのが弱点かな? にしても、変声を迎えたダニー・オズモンドとマイケル・ジャクソンの良いトコどり的な甘い声の10番もステキ。デュエットですが。この声で聴く「上を向いて歩こう」も九ちゃんの次くらいに似合っているかもしれません。

 今回3枚のCDを聴いて、感じたのは、ボーイ・ソプラノは必ず変声するのだから、たとえばCD3枚を出すとして、50曲くらいを選曲しておき、中から、そのときの(刻々と変化している)少年の声と歌唱力にあった曲を選曲して録音する、必要もあるかも、とか思いました。アピール度を考えると、勿体なさすぎる選曲と戦略でした。