実力の名ボーイ・ソプラノ~コナー・バロウズ CONNER BURROWES2016年06月18日 10時01分48秒



HANDEL Joseph and his Brethren (hyperion LC 7533)

YVONNE KENNY soprano    
Asenath アセナト=ヨセフの妻(オンの祭司ポティ・フェラの娘)

JAMES BOWMAN countertenor
Joseph   ヨセフ=主人公(ヤコブの男の子の中で11番目の子)
 
CATHERINE DENLEY mezzo soprano               
Potiphera ポティファル(エジプト/ファラオの宮廷の役人)
Phanor  パノア(給仕長)
                         
MICHAEL GEORGE bass                        
Reuben  ルーベン=ヨセフの異母兄(ヤコブの長男) 
Pharaoh   パロ=ファラオ=エジプトの王             
 
CONNER BURROWES treble
Benjamin ベニヤミン=ヨセフの母親が同じ弟(ヤコブの息子の12番目の子) 
                  
JOHN MARK AINSLEY tenor                
Simeon    シメオン=ヨセフの異母兄 (ヤコブの男の子の2番目の子)         
Judah       ユダ=ヨセフの異母兄 (ヤコブの男の子の4番目の子)
                 
THE CHOIR OF NEW COLLEGE, OXFORD
THE CHOIR OF THE KING'S CONSORT
                  
THE KING'S CONSORT ROBERT KING conductor

 この「ヨセフとその兄弟たち」のCDは、CONNER BURROWESが参加している、ただ、それだけで買ったCDです。3枚組! 当時、私は、CONNERが歌ったところだけをちょっと聴いただけで仕舞い込んでしまってました。
  聖歌隊やクラシックの大御所たちの曲は、宗教がベースになっているものがほとんどですが、素養の全くない私が聴いている訳でして。この作品は「創世記の39章から45章までの出来事を題材にしており、理解するには27章から50章まで知っておく必要がある」と、宇都宮大学の高際先生が書いておられましたので、理解したかは別として、読みましたよ~。
    なにしろ人間関係がとっても複雑。加えて輸入盤なので、日本語訳が無くて、何を歌っているのか・・・意味を調べる元気もありませぬ。
                  
   創世記の39章から45章は、兄たちの嫉妬が原因でヨセフがエジプトに売られ、やがて、宮廷の役人に信用され家内を任された頃に役人の妻を振った為に妻に陥れられて収監された先で、ファラオの夢を「7年豊作が続いたのちに7年飢饉が訪れる」と解き、ファラオに用いられ、紹介された相手と結婚し、飢饉に備えたところに周辺の地域も飢饉で豊かなエジプトに食料を求めるようになり、やがて兄たちも父の命で食料を求めてエジプトを訪れ、過去を水に流し、父もヨセフに会いにエジプトへ行こうとするところまで、です。
   奥さんのアセナトは、創世記では結婚した事実や子どものことしか書かれていないのですが、CDでは最初に名前が出て来るんですね。彼女の扱いの大きさが全体として疑問でした。

CD1
誤解で投獄されたヨセフの場面から。給仕長経由で、ファラオの夢の謎を解き、エジプトの№2に昇りつめて、アセナトと結婚するまで
                 
CD2
飢饉のため食料を求めてエジプトを訪れた異母兄たちに、ヨセフが食料と交換に弟のベンジャミンを連れてくるように持ちかけ、ヨセフがベンジャミンに会うまで。

CD3
ヨセフと異母兄弟たちが和解し、仲違いしたのは神の深~いお考えあってのことだったと知るまで。

 外国語等を理解しない者の、かなりテキトーな感想になりますので、興味を持たれましたら是非に創世記等をお読みくださいませ。+異教徒Hetsujiの感想なので、信徒さんは怒りを抑えて(気持ちを差し引いて)下さいませ。

 タイトルが「ヨセフとその兄弟たち」です。兄弟たちのいざこざと和解の話、ですかね。父ヤコブには、娘とは別に、息子が12人居るのですが、主人公のヨセフは、11番目の男の子です。
  父ヤコブは、従妹ラケルと結婚したいため伯父の家で7年働きますが、約束の7年が経って、結婚した翌日に花嫁の顔を見たらラケルの姉のレアだったので、ラケルとの結婚までに、更に7年働きました。結婚後も7年働いたようです。

 結婚後、まず姉レアに、ルベン①、シメオン②、レビ③、ユダ④が生まれます。
 ラケルのところには生まれなかったので、彼女は自分の女奴隷ビルハをヤコブにおくり、ビルハにダン⑤とナフタリ⑥が生まれます。
 次にレアが自分の女奴隷ジルパをヤコブにおくり、ガド⑦とアシェル⑧が誕生します。
 更にレアにイサカル⑨とゼブルン⑩が誕生。
   そして、ようやくラケルから、ヨセフ⑪が誕生するのです。その後、ラケルはベニヤミン⑫を生むと死んでしまいました。

 父ヤコブはあからさまに兄弟の中でヨセフを特別扱いしたので、そのことが、兄たちの嫉妬をかりたてました。またヨセフのKYな言動も兄たちの怒りを増幅させました。
 兄たちがヨセフを殺そうとか売ろうとか共謀しているうちに、別人にヨセフは連れ出されて、エジプトの宮廷に仕える役人に売られますが、その後、ヨセフはエジプトの№2くらいまでになります。
 ヨセフの仕事により、飢饉対策もバッチリのエジプトに、食料を求めてヨセフの兄弟がやってきて、ヨセフと兄弟たちは再会し、不信や怖れを克服して兄弟が和解し、これまでのいさかいが、実は、ヨセフを通して飢饉から多くの民を救うための神の深~い計らいだったと理解します。
 さてCONNER BURROWES 演じるベニヤミンは、末っ子の男の子で、父だけではなく、兄弟たちからも愛され、大切にされているようです。とりわけ主人公のヨセフにしたら、母を同じにする大切な弟です。
 登場する時間は2幕の終わり近くと3幕ちょっとですが、「ヨセフに父ヤコブの面影がある」とか、重要な場面でのアリア等があり、それをしっとりとしたボーイ・ソプラノで歌い上げ、この作品を盛り上げる重要な位置にあると思います。大人以上の存在感、といえると思います。(私はボーイ・ソプラノファンなので当然の感想ですね)
 加えてニューカレッジのコーラスが素晴らしかったです。コナーとニューカレッジは、涼やかで清浄なエアに包まれていました。
 こういう作品は、大人の歌手の名前が作品の代名詞になりますが、コナーとニューカレッジあっての、 Joseph and his Brethrenでした。 (私はボーイ・ソプラノファンなので当然の感想ですね)
 そしてコナーは、こういう路線の録音をもっと残して欲しかったとも思いました。制作サイドの実力あってのボーイ・ソプラノでもあると思うので。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
スパムコメント対策です。
コメントの上の欄に  少年合唱 の文字を入力願います。

  少年合唱

コメント:

トラックバック