ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND VOLUME 22016年06月04日 08時43分38秒





Great Boy Sopronos Volume 2 (1930-1950)

Denis Barthel
Derek Barsham
Billy Neely
Graham Payn & Denis Wright

休日の午前中に、ゆったりと聴くのにふさわしい内容のCD第2弾です。選曲も良いですが、このシリーズは、歌い手の「品格」を感じさせてくれます。加えて声と歌い方が可愛らしかったりします。出来れば、1人で1枚のCDを出せたら良かったのかもしれませんし、それが無理なら、プログラムをボーイ・ソプラノごとにまとめてくれたら、ボーイ・ソプラノ個人の特長を把握しやすかったとも思います。ですが、それぞれの曲とボーイ・ソプラノの声の個性を上手く組み合わせているので、CD1枚を聴くときに、より楽しむことができる構成になっています。

Great Boy Sopranos ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND VOLUME THREE2016年06月05日 08時29分22秒





Great Boy Sopranos Recorded 1927-1969 (PHI CD 167)

Master Michael Morley
Master Derek Barsham
Master Kenneth Purves
Master Milly Neely
Master Graham Payn
Master Donald Collup
Master Robert Harris

 休日の午前中に一人でゆったりと聴きたいトレブル第3弾です。2000年4月の写真を見たときに「あ~良かった~」と何とも言えない幸福感を受け取りました。良いなあ。
 第3弾ともなると、聴く方に余裕も出てきて、収録されている一人一人のトレブルを味わう方向にシフトしますね。なんといっても、今回は私の最愛(この形容詞のトレブルくんは何人かいますケド)のMichael Morleyが登場しますから。Michael Morleyくんの歌というか声を聴くだけで胸が締め付けられるような切なさを私は感じてしまうのです。彼は1953年にオクスフォード・クライスト・チャーチのヘッド・コリスターだったらしいので、探すなら、その辺が目安になりそうです。今回のCDに、4枚のレコードから収録されているということなんですけれどね。ボーイ・ソプラノは超繊細なほどに旬なので、時がうつれば声のテイストも変わっていくのがわかります。ついつい最愛のMichael Morleyくんのことだけ書いてしまいましたが、世間的にはもっと注目されていたかもしれないトレブルくんも相変わらず健在です。

Great Boy Sopranos ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND VOLUME 42016年06月06日 09時03分33秒






Great Boy Sopranos Recorded 1927-1954(PHI CD 168)

Master Lester Leslie Day
Master John Bonner
Master Billy Neely
Master Harold langston
Master Trevor Schofield
Master Robert Harris
Master Brian Moody
Master Raymond Kinsey
Master Derek Barsham
Master John Brookman
Master Robert Regent
Master Ernest Lough
Master Graham Payn
Master Beverly Jones

 第4弾には、クラシック・ボーイ・ソプラノ界の歴代世界ナンバー1でもある Master Ernest Lough が登場します。アーネスト・ローは、1971年に「ママに捧げる詩」でニール・リードが登場したときに、「イギリスでは、少年の歌が100万枚以上の売り上げを記録するのは、1920年代の"Ernest Lough"の"Oh for the wings of a dove"以来のこと」と比較された特別なボーイ・ソプラノの金字塔です。ローは正統派ボーイ・ソプラノ、王道のボーイ・ソプラノであり、尊敬されていると思います。その Master Ernest Lough と同時代にこれだけのボーイ・ソプラノが活躍していた時代の空気感に圧倒されてしまいます。タイムマシンがあったら絶対に行ってみてその時代に浸りたいものです。ロー以外にも好きなボーイ・ソプラノの演奏がありハートマークを付けたい気分ですが、このシリーズではキリがないので、よしますね。

Great Boy Sopranos ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND VOLUME FIVE2016年06月07日 08時40分54秒




Great Boy Sopranos Recorded 1927-1957(PHI CD 189)

Master Raymond Kinsey
Master Michael Morley
Master Ernest Lough
Master John Bonner
Master Thomas Criddle
Master Cyril Lewis
Master Trevor Schofield
Master John Brookman
Master Lester Leslie Day
Master Kenneth Purves
Master Robert Regent
Master Billy Neely
Master Derek Barsham
Master Robert Duncan Peel
Master Alan Bradbrook
Master Beverley Jones

 第5弾です。イギリスの膨大なボーイ・ソプラノの資産にただただ圧倒されるばかりです。これだけあると、ボーイ・ソプラノ個人に注目したいときに、個人のみ続けて演奏を聴いてみることもできますね。ここでの最愛のM.Morleyは、ちょっと声が落ちいついた頃で、このシリーズの中に違和感なく溶け込んでいます。Master Ernest Lough氏の方が声のトーンが高い頃の収録です。4で書き忘れたのですが、Lough氏の演奏は凛として少年の声でありながらも、鋼の錬金術師ふうに言うなら「(品)格が違う」ようです。このシリーズにはモノクロの写真も掲載されていますが、ボーイ・ソプラノたちの品格はその写真からも伝わってきます。聴いている途中でおぉっと思った演奏があったので、名前を確認したら最愛のM.Morleyでした。これだけ多くのボーイ・ソプラノたちの演奏から好みの演奏をピックアップできるものなのですね。さすが偏り激しい私です。
 また、第5弾の良いところは、プログラムにさりげなく録音年が記載されているところです。その時代へ思いをはせたり、収録されているボーイ・ソプラノたちを時系列で整理できます。
 ・・・しかし、声が可愛すぎる・・・誰の声とは言いませんが。歴史的録音を再現したCDは貴重ですが、私は、じっくりと聴きなおして、ピンときたボーイ・ソプラノの78回転のレコードを探そうかな、とか思ったりしています。THE BETTER LAND は、そういう聴き方もできるシリーズです。

Great Boy Sopranos ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ Billy Neely2016年06月08日 12時45分27秒



Belfast's own Boy Soprano Recorded 1946-1950 (C125)

イギリスで分類していますが、北アイルランドになります。
The Better Land のシリーズを聴いていて、気になったボーイ・ソプラノの中の1人です。しっかり、CDになっていました。しかも2枚組です。モーツァルトのアレルヤも入っていましたし、ボーイ・ソプラノの名曲がてんこ盛りですが、さすがイギリスならではの選曲もすごく良いです。他の国のソリストCDではクリストファー・ロビンなんて歌いませんものね。でも、ブチッと曲が切れる、というか、演奏の最後の余韻も無く、音楽が切れてしまうのです。もしかして、以後、他の演奏者が続くのかな?とか思ったり。にしても、唐突さは否めません。もしかしたら聖歌隊時代のレコードがあるかも、とか考えて、所属していた聖歌隊のレコードの記録を探してみたのですが、見つけることが出来ませんでした。普通の78回転で聖歌隊のソリストとしての録音があれば聴いてみたかったんですけれどね。残念。
でもCDでも違和感はないんですよ。きれいに再現していると思いました。にしても有難いことです。普通に70年くらい前の録音を辺境の地で聴いている私が居るのですから。私は20世紀の人間なので、もうちょっと前に生まれたら、この声もリアルで聴くことが出来たかも、と思いました。勿体なかったな~。
ヘンリーホールでのBBCライヴ録音は音が割れていますが、MC?の説明とか拍手も入っていて、モロに時代の空気を感じさせてくれて、それだけで感動します。70年前に生きていた人たちの拍手ですものね。(そこに感動する私ってヘンかも)1950年の録音が複数収録されているのですが、曲によって全く声が違うので、(年と言うより同じ年の11月12日と12月24日で違っているのです)いっきに透明感のある少年の声から、艶のあるふくよかな声に変化しているので、変声の妙もとらえられていました。少年の自己紹介もありました。1960年にはバリトンになっていました。プログラムから、1946年はプライベート録音、1949年1950年がBBCなのかな? 欲を言えばキリがないから、録音が残っていて、CD化もされて本当に良かったです。
正直、渡英してCDカバーにサインが欲しいところです。誰か行ってくれないかなあ。(と、いつもの人頼み)

ニュージーランドの実力派 ボーイ・ソプラノ~ Christopher Bruerton2016年06月09日 13時32分08秒



Carols for Christmas with Christopher Bruerton (TreeHouse T9923)

 Christopher Bruerton が14歳の時の録音なそうで、かなりソリストとして成熟しきっているかの如くの演奏です。玄人好みかも。大人の混声(たぶん)やお国のクライストチャーチの聖歌隊をバックに、Christopher の声が引き立っている構成です。教会ならではのオルガン演奏も良いですね。
 アルバムカバーの彼を見ても柔和で大人びている印象ですが、声も又、しかり。突き刺さるような青いところは全くなく、かといって揺れるヴィヴラートなしの、丸みを帯びた安定したソプラノが満を持して曲を作り上げて行く様が見事です。曲ごとに録音年月日がわかると良いのですが。私個人は、12.AWAY IN A MANGERのときの声が一番すきかもしれません。

映画「ボーイ・ソプラノ」の素晴らしいアレンジ「メサイア」~ GARRETT WAREING ギャレット・ウェアリング2016年06月10日 09時03分54秒




 あ~、輸入版を見ないでいるうちに、国内版が出てしまった・・・のでした。まずは愚痴から。いつも思うのですが、お金を支払い、作品を見たくてDVDを購入しているのに、関係ない他の映画予告を、必ず、見させられるのは何故? 早々に本編に入りたいので、これが毎回、そうとうにストレスです。他の映画予告は、終わりの方にしていただけないものでしょうか。初回仕様特典の特製ブックレットはちっちゃい映画のパンフレット並みで、映画のパンフを購入できなかった場合は相当に有難いです。で、初回でなくても普通に付けて欲しいところです。

 さて、映画。どちらかというと私は映画ファンではなくて合唱ファンなので、感想が偏っています。ごめんなさい。と前もって謝ります。
 団員くんや先生からの意地悪や意地悪を助長するようなシーンが多々あって、印象が悪かったですし、言葉を換えるなら、見ているのがしんどかったです。それと設定とはいえ、主人公ステットくんの行動も平均的日本人的感覚からしたら常軌を逸しているシーンもあります。・・・なんだかなあ? そういう主人公ステットくんが合唱学校で過ごすうちに合唱以外の大切なことを学び成長していくわけですが、最後の方、変声後の声と1人で向き合っているステットに対して、彼の成長を恐れていたソリスト団員君からの「おめでとう。声変わりだ。もう大人だね」の声掛けの残酷なこと。でも元からのソリストくんほど、ステットは歌うことに執着していなかったような気もします。そこが今までの変声作品とは違って変声が重くとらえられていないように感じるところでしょうか。
 私の中での1番はステットが校長先生から自分がソロした公演のCDを受け取るところです。さりげないシーンですが、見えない嬉しい気持ちが見えてしまう、みたいな。私がChoirファンだからかもしれませんが。即、そのCD欲しいと思ってしまいましたから。それから母を亡くして天外孤独だったステットが、父の家族に迎えられたラストも後味としては良かったかな。このときのステットだったら父の家族ともそれなり普通に無理なく暮らしていけるようになっていたことでしょう。
 映画での好きな音楽はタリスの合唱と、ステットが洋服を窓から捨てらていたシーンでのBGMの合唱と、なんといっても、メサイア。この編曲では初めて聴きました。映画の中で「ハイD」という超高音部があると説明されていましたが、この映画は吹き替えなしですべてギャレット・ウェアリングが歌ったのでしょうか。だったら、大拍手です。俳優がこれだけ歌えるなら確かに映画になりますね。
 とにかく、私にとって、映画の中のメサイアは目からウロコの編曲でした。これと同じ楽譜で、イギリスかドイツの聖歌隊で本格的に聴いてみたいです。