ボーイ・ソプラノ Eamon Mulhall ~ スタンダードで模範的なソリスト2016年08月14日 15時28分01秒



 2枚のCDをリリースしていることからも、実力のあるソリストであることは見て取れます。スタンダートでもあり、模範的でもあるソリスト君です。上手です。なので、スペシャル(癖みたいなもの)が無い、ということがこのソリスト君を贔屓にするかどうかの分かれ目になりそうな気がします。どの曲もお手本になるような生真面目な歌い方をしていますので、一緒に歌いたいときは指針になるでしょう。華やかさや軽やかさには欠けるかもしれません。どちらかというと女声寄り(?)で安定はしていますが、のした飴のように微妙に圧のかかる重い声でもあります。
 本国の大人ファンが良しとするソリストなのでしょう。極東日本のミーハーファン(Hetsuji)的には、聴いて楽しむには雰囲気にちょっとだけ解放感が欲しいところです。
 ただ、これだけの名曲の全てをソツなく歌いこなしているので、「BSってどんな感じ?」と門外漢から聞かれたら紹介しても良いCDかもしれません。と、ここで気が付いたのですが『ソツなく』ってHetsuji的にはダメで、思いっきり『ソツある』ものが私は大好きなのだと確認しました。リアルで入手した割に感想が遅くなったのは、そこに原因があったのかも、です。
 収録された曲の中では、 Cread Mile Failte Romhat A losa が新鮮でした。


  笑顔が良いですね~。
 声量も表現の豊かさを増しました。2枚目のCDはタイトル通りにボーイ・ソプラノで聴くクリスマス・キャロルです。1枚目のCDが功を奏し、商戦に乗ったのでしょうか。こちらでのEAMON君は、「聴かれる」ということを意識している、リスナーの存在がより視野に入っているような歌い方をしています。それだけのことで、それぞれの曲に華やぎを添えました。どちらも上手に違いありませんが、1作目がプライベート盤の趣きだとすれば、こちらのCDはよりプロ的な作りをしていると感じました。O Holy Night を聴いて感じたのですが、EAMON君の声は、大地的に横に広大に広がっていきますが、それほどには縦には昇って行かないような気がします。他のトレブルではこの曲は天への上昇を感じる曲でもあるのですが、そこがEAMON君の声の特長なのでしょう。それにしても、EAMON君のCDを聴いて、気にいってしまった Cread Mile Failte Romhat A losa という曲は何を歌っているのでしょう?
 選曲には楽しみとしてのクリスマスを意識した曲も含まれていますし、宗教と日常生活との中庸を考えたクリスマスCDって感じがしました。他のトレブルであまり聴かない曲を聴くことができたのも良かったです。

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