ボーイ・ソプラノ James Jirtle ~ ボーイ・ソプラノと楽器との融合2016年09月12日 08時13分43秒



 聴くまでは、ずっと英国だと誤解していたのですが、米国少年だったのですね。選曲を見ると、作曲者等は英国少年のCDと大差ないです。カバー写真も英国的ですし。でも、演奏を聴くと、切迫した宗教観からは少し遠く、自由でやさしい雰囲気です。Jamesくんのソフトな声がそのような印象を生むのかもしれません。宗教性からは少し解放されているような雰囲気が伝わってきますが、それが英米の感覚の違いかもしれないです。どちらを好むかは聴く人次第でしょう。Jamesくんを中心にクリスマスのTV番組も作られた模様なので、アメリカでは一目置かれていたトレブルだと思われます。このCDでは、声が主役的な自己主張を感じられず、ソプラノが他の楽器の一部と化しているかのような演奏でした。その演奏法は、Jamesくんの奥ゆかしい心の本質に由来するのかもしれません。遠慮しないで、もうちょっと声が前面に出ても良かったかも、です。聴かせどころの8分の意欲的な大作?については、どちらの声も、凡庸というよりも、醜かったです。