ボーイ・ソプラノ Franz Ellmer ~ 時代の空気感を伝える声2016年08月17日 16時00分48秒



MOZART THE COMPLETE MASONIC MUSIC (CDX 5055)
モーツァルト:フリーメーソンのための作品全集

6.Cantata: "Dir, Seele des Weltalls(カンタータ:汝、宇宙の魂よ)" for Boy Soprano, Male choir and Orchestra, K. 429
作詞 : Lorenz Leopold Haschka

Franz Ellmer (ボーイ・ソプラノ)
ウィーン・フォルクスオーパー合唱団 - Vienna Volksoper Chorus
ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団 - Vienna Volksoper Orchestra
ペーター・マーク - Peter Maag (指揮)

 作品全集と銘打っているだけあって、2枚組なんです。そこに、ボーイ・ソプラノの文字を見つけたので、それだけで買ってしまったCDです。しかも、演奏者からして、ソプラノ君はきっとWSK団員君!と思い込みしました。録音年が66年なので、64,67,69年辺りの来日組をチェックしたのですが、名前はありませんでした。なので、WSK所属である証拠は全然ありません。
 この2枚組の中でFranz君が登場するのは、6曲目だけで、しかも、なかなか歌ってくれないんだけれど、ホントにこの曲?とか心配しつつ待っていると、曲が始まってから4分20秒くらいから、8分53秒くらいまでをソロしていました。その4分半が、ホッとするほど良いのですよね。1966年という時代なのかもしれませんが、素朴で、楚々として純な演奏です。WSKっぽいような、当時だったら森もこんな感じだったような気もするので森、も候補に入れておきます。 
 モーツァルトっぽく温かくて、けがれが無いようなソロなのでとりあえずWSKにしておきますが、実際に違っていたら訂正するので、ご存知の方は、ご一報ください。

WOWOW放送 ウィーン少年合唱団 来日60周年記念公演~2015年6月11日東京芸術劇場収録2015年07月05日 10時54分35秒

今も昔もウィーン少はウィーン少なんだ。

 ウィーン少年合唱団が全国ツアーをしなくなったのを機に、生の演奏に触れる機会は消えた。ゆえに録音には結構執着している。今年度も又、来日も離日も気に留めずにツアーは終わっていた。
 が、コンサート放映がWOWOWで在るではないか! 知ったのは6月の放映日当日の放映の時間中。再放送もあると知り、7月に入ってからWOWOWに加入し、放映を見た。
 どんなカメラを使用しているのか? 4Kとか8Kとかは言わないけれど、なんだか滲んだような昔のビデオみたいな画像。

 でもウィーンはやはりウィーンだった。ウィーン少年合唱団としての音のテイストが芯に存在している。ああ、これこれ。これがWSKの合唱の特異な音なんだ。
 欲を言えばキリがない。記憶の音は1980年の超清涼系合唱が私の音の基準値だけれど、昔は昔、今は今、なんだし。今、これだけ歌えてこの声が在れば良い。DVDにも放送を収録できたし満足満足。

 今秋、CDが発売されるみたいなので、楽しみ。のんびりゆったりとファンしていこう。

Kurti Elsasser ~ 典型的な売れっ子シンガー2013年05月12日 19時06分47秒


 Kurti Elsasser (TYROLIS CD 352 790)

アルバムカバーにどうしてこの写真を使ったかなぁ。他に、良さそうな写真はいくらでもあったのに。
 1980年ころのPOPソロイストです。歌い方が、昔々していて、とっても聴きやすく可愛らしい。歌い方が自然体で素直。訓練なしで声は出ないと思うけれど訓練を感じさせない歌い手さんです。
 当時の流行のナンバーとオリジナルと、合唱隊のソリストが歌いそうな曲が収録されていて、年寄りHetsujiには耳触りがよろしいです。AVE MARIA はシューベルトのものでした。
その他、たとえばWSKなら格調高く歌っている曲も、元気にお気楽に聴こえてくるところもマルかな。・・・きれいに声が出ていて生命力に溢れていて幸せな子ども時代を送っていそう・・・。

自信に満ちたソリスト~ Alois Mühlbacher2011年11月28日 20時16分35秒



ALOIS-At Midnight (PR 91192)
 1作目より、声が幾分、落ち着いたのかな?と思います。
歌は、上手だと思います。声もとても出ています。
 ピアノも相変わらず良いと思います。BSのソロCDはたくさんありますが、ファルンベルガー先生のピアノで歌えるなんてアロイス君は幸せだと思います。
 マーラーやシュトラウスという選曲も素敵ですよね。
 アルバムカバーも渋くて良い感じです。

 1曲1曲は、申し分ないんですよね。バッチリ、決まっていますから。表現に自信があるんでしょうね。たぶん。声に余裕もあるんでしょう。たぶん。

 ・・・でも、ALOIS君の声と演奏は、今回、私が考えるボーイ・ソプラノの魅力のエリアから外れてしまったみたいです。
 私の場合、キレイキレイに歌おうとする心根を感じてしまうとダメかも。繕っちゃダメ、ボーイ・ソプラノは。声が出ていればOKというわけじゃないんですね~、私の場合・・・。
 
 激しさと心の抑制と。声だけではなくて、自分自身のハートもコントロールしてこそ、聴き手は感動するのでは? 声がコントロールできていないと思うところもありましたし、品質が落ちている音と感じるところもありました。なんて、気になるあたり・・・私には向いていないBSなんでしょう。それだけのことです。

 なんといっても、選曲が良くて、上手なんですから。

ALMOST ANGELS ~ ウィーン少年合唱団が聖域だった頃2011年02月20日 16時29分45秒


ALMOST ANGELS (Disney DVD 105978)
 ウィーン少年合唱団ファンなら知っている「青きドナウ」。
DVDを見かけたので入手しました。残念ながらEnglish盤ですが、日本語版が出ているかどうかわからなかったので。
 フィルムの色合いや荒さがふるっぽくて、郷愁を誘います。私は外国語は苦手ですが、今まで何度か見たシーンなので、たいして不便はありません。
 中に、トニー君の家族3人で歌を歌う場面があるのですが、良いな~と思ってしまいます。
 主役のピーター君がなんとなく団員っぽくないのですが、それはそれ。
 どこかでまだ(往生際も悪くウィーン少年合唱団の団員になりたいと)あこがれている気持ちと、(今は昔よりは割り切れているかもしれないけれど)変声という関門が、ファン心をくすぐる、この筋では名作中の名作がDVDになったのは喜ばしいと思っています。

珠玉の録音ハイドン歌劇「薬剤師」~モーツァルト少年合唱団が残した"たからもの"2010年05月10日 19時48分06秒



Joseph Haydn/Der Apotheker (amadeo/AVRS6318)
DIE WIENER MOZART-SANGERKNABEN ・ KAMMERORCHESTER DER WIENER SYMPHONIKER ・
Dirigent:ERICH SCHWARZBAUER
 今、ウィーン少年合唱団が来日中ですね。以前演奏会のプログラムにオペレッタがあった頃、バスティアンやデニス氏夫妻、村の床屋、ウィーンの昔の物語等々、衣装を付けて団員くんたちが演じた中にこの「薬剤師」もありました。なぜかウィーン少年合唱団では録音が残っていなくて、これはモーツァルト少年合唱団盤。ずっとずっと欲しいと思っていた1枚です。モーツァルト少年合唱団って、そういえば、来日プログラムの中に同じくハイドンの「月の世界」もあったような・・・。
 ストーリーは薬剤師が後見している娘をめぐっての恋のドタバタ劇ですが、話はともかく、雰囲気がとってもなつかしい。
 前奏曲、セリフの言い方、歌い方・・・ああ、これ。この感じだった・・・DVDだったらなあ。でも、聴いていると、衣装を付けて歌っているのが見えてくるような気がする。
 録音年判らず。歌っているステキな(たぶん)団員くんたちの名前わからず。古いことだけは確か。今は、もうなくなってしまった指揮者さんとモーツァルト少年合唱団だけれど、残されたこの録音とアルバムカバーは、60年~80年代の少年合唱団の演奏の香がして、ファンにとっては大切な記憶に繋がる1枚でもあります。
 ・・・これ、いつの録音? 歌っているのは誰?って訊いてもらっちゃおうかな?

モーツァルト・セレブレーション ウィーン少年合唱団 ~ 映像に収録されているのが2006年のWSKソリストくんof the year ?2009年08月22日 21時43分49秒

モーツァルト・セレブレーション ウィーン少年合唱団

モーツァルト・セレブレーション ウィーン少年合唱団 (EUROARTS ORF KIBM 1046)
2006年1月27日、ウィーン、シュテファン大聖堂におけるライヴ収録

 このDVDを聴く気になったのは、グロスマン&モラルトがきっかけでモーツァルトが好きになったとの宇野功芳氏の「お言葉」に触れたことによる。

 実際に聴いていて、なんだかモーツァルトっていいなあ、と思った。このDVDには、日本語訳があることも良いし、シュテファンドームというロケーションも見た目の雰囲気抜群!拍手も音も良し。オーケストラも。指揮者も好き。(←雰囲気ですけれど)

 重要な?モーツァルトの生誕250年祝賀演奏会にWSKが抜擢されたことについても、ファンとしては花丸。 

 ・・・だけど、世情に疎いわたくしめ、女声も男声もソリストさんたちのお名前を知らなかった、んですよね。

 この演奏会の、採録技術は良いとは言えないと思います。もしかしたら私んちのTVが悪いのかもしれませんが。

 2曲目、クレドのところで、聴こえてきたWSKその他の合唱・・・音が濁っていて汚かった。
 ま、私の耳が悪いんでしょう。
 音が塊でしかとらえられていない。私には汚い音で聴こえてしまったんですけれど、このドームが合唱に向かないのか、採録が下手なのか。(と繰り返す)聴いた方の感想を伺いたいですね。

 それにしても、どうして大人って、力を入れないと声を出せないのでしょう。音を出しにくい楽器で演奏しているかのようで聞き苦しいのは私だけ? もちろん、技術的には、大人の演奏家だから出来る、というものもあったでしょうが。気持ちよく「音」を楽しみにくいような・・・。これも、気のせいです、たぶん。私自身がストレスなくストレートに伸びる高音が好きなだけ、ですから。

 合唱が主体となる4曲目。好きです。が、高音が伸びないですね。男声部も併せて、気のせいか、粗野な印象を受けました。気品高い、っていうレベルではないです。モーツァルトはこれで良いのかな? でも、独特の歌いまわしと独特なソプラノのWSKではありませんでした。

 女声のプロを連れてきている以上「ラウダーテ・ドミヌム」を女声に譲ったのも仕方ないことなんでしょうね。

 そして、このよーな賑々しい祝典でソロするというのは、ウィーン少年合唱団でも、エース級団員くんを投入、と考えても良いですよね?

 《戴冠式ミサ》でソロしたソプラノくんとアルトくんが、この時点でのWSKのエース・ソリストなんでしょうか。
 彼らの楽器、思ったほどきれいには鳴っていないような・・・ソプラノ君は部分的にきれいな音は出ていますが。
 pやppが聴こえないのは、採録に原因あり、ですか? 
 それとソプラノくんのブレスする場所は正しいですか? 

 ちょっと聴いていて気になったもので。アルトくんの印象は・・・薄いです、正直。

 (やはり、ここでも、合唱の音に汚く聴こえるところがあります。WSKだけではなくてコールス・ヴィエネンシスにもです。ここまでくると、うちのTVか、採録技術か、私の耳に問題があるのだと思います)

 結構楽しんでいるのに、どうしても先に不満が出てくるわたくしめの良くない性質。勢いだけで「雑」な合唱だと感じたのは気のせいだと思います。この映像を繰り返して楽しんだのですから。

 実際に行かなくても映像で楽しめる。ありがたい世の中、になりました。ということで、とりあえず、買っておく。
 そして気が向いたら見る。の、1枚です。