パリ「木の十字架少年合唱団」 ~ コンサート録画は時の流れに浸って2008年11月02日 21時05分49秒

パリ「木の十字架少年合唱団」
パリ「木の十字架少年合唱団」(パイオニアLDC株式会社 SM065-3420)
Recorded on 1989.12.17 ORCHARD HALL (TOKYO, JAPAN) / BERNARD HOUDY

 今年のパリ「木の十字架少年合唱団」公演はCDかDVDにならないのかなあ? TV中継もあると良いのだけれど。

 これは、1989年11月15日の鹿角から12月21日青梅市まで1か月以上にわたって計36公演というハードスケジュールだった彼らの演奏会から、最終週の日曜日に行われた公演を録画した貴重な記録。

 残念ながら53分の抜粋盤ではあるが、当時の雰囲気を十二分に堪能できるし、エンディングで団員くんたちの名前が記されるのも記念になる。団員くんたち&彼らのご家族はこの映像を見たのだろうか?
 (来日した某少年合唱団の団員君たちが兄弟や友だちの何年か前の来日時の写真を夢中になって眺めていた姿を思い出して、ふと思った)

 ここにはまだ子どもだった彼らの姿が残っている。

 LDはラッソのこだまで幕が開く。そこは既にパリ木の世界。基本的に変わらないパリ木独自の高音質。パリ木的世界。
 ソリストは87年にも来日しているアントワーヌ君か? 今公演で彼は全般にわたってソリストを務めているようだ。 といっても、パリ木はソリスト集団。さりげなく次々にソリストが登場するのだが。
 個人的に思い入れのある74年、77年、78年あたりも映像で残っていたらなあ。

 89年にしても、演奏に不可はないのだが、正直に言うと、映画やコンサートのDVD等でサンマルク少年少女のモニエくんの冴え冴えとしたソプラノを聴いた後では、印象が「ちょっと…」の感じだ。
 これはパリ木だけではなくて、モニエくん登場以後の、おフランスのCHOIR全般に言えるかもしれない。

 もちろんパリ木には、パリ木だけの良さ、密を引くハチミツ的(メープルシロップではない、決して)な甘さとシャープさ、体型からは想像できないほどの声量がある。それは89年も健在だ。

 どの曲も良いのだが、この日の収録曲の中では、8.おお聖なる宴よ O Sacrum Contirium、10.主を讃えよ Laudate Dominumの圧倒的なソプラノの声量が印象的だ。

 泣けそうになったのはアレクサンドル君がソロした13.牛と灰色のロバの間で Entre Le Boeuf Et L'Ane Gris 
 これは生まれたばかりの幼子イエスの周囲の情景を歌ったものらしい。

 14.神のみ子は AdestevFideles以降はパリ木の十八番なので言うこと無し。ドイツ語系やイギリス語系を聴き慣れた耳には少々ソプラノがキツイかもしれないがそこもまたパリ木のパリ木たる所以なので、そこは楽しみたい。

 こういう映像を見ると過ぎていく時間についても思いをはせる。

 LDの映像に入って彼らの演奏を体感したいなあ(もちろん当時の年齢に戻って)。

 ゆったりと歌われるハイソプラノのホワイトクリスマスだけでも、私はじわ~んと時の流れに浸ってしまっているんだけれど。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
スパムコメント対策です。
コメントの上の欄に  少年合唱 の文字を入力願います。

  少年合唱

コメント:

トラックバック