ボーイ・アルト Peter Kooy (NEDERLANDS HERVORMD JEUGDKOOR) ~ 「原石」故の一途さ切実さが聴き手を刺激する無名?のボーイ・アルト ― 2009年01月01日 07時43分50秒
Joh.Seb.Bach kantate 144 nimm,was dein ist,und gehe hin Cantate no.144, Johann Sebastian Bach
Ned.Herv.Jeugdkoor-Soest
Jan van Barneveld, Sopran
Peter Kooy, Alt
Pier Veldman, Tenor
Leitung:Maarten Kooy
レコードジャケットのカバー写真が、表と裏で、ソプラノとアルトの二人のソリストくんを掲載しています。
(どちらがが表か裏か解らない作りで、EPレコードが2枚入っています)
ここでは、両面を掲載する方法を知らないので、画像を、1枚に加工してしまいました。(実際のカバー写真は片面一人一人)
んで、アルトくんが、指揮者と同じファミリーネーム。
この世界に良くある話の指揮者のご子息くん?とか邪推してしまったりして。
演奏している合唱団もどんな団体なのかわかりません。
演奏曲は、カンタータ144番「おのがもの取りて、行け」ですね。
なんちゅうか、洗練されたソロではありません。
全集のハノーファーとかウィーンって感じじゃないです。
モロ「原石」の味わい。
合唱、あ、コラールでした、コラールもヤスリ掛けの薄い、音の表面が平らじゃなくて微妙にキラキラ自由っぽいのです。で、そこが良いのです~。
さて二人のソリスト君、どちらかというとソプラノくんよりもアルトくんの方が好きかな。
ソプラノくんは口の中で音が篭るので(高い音は出ているけれど)全集の演奏者になんとなく「訓練」という点で負けるような・・・。
旋律的には洗練されていて欲しいところかな、とも。
が、コラールは音が涼しくて伸びやかで良いですね。
聴いていてリラックスします。
・・・だけど、聴いている途中で、もしかして、カンタータは洗練されていなくても、どこか野暮でもいいのかなあ、なんてちょっと思ってしまって、アルトくんのアリアを聴きなおしてしまいました。
世界標準で査定すると無名のボーイ・アルトですが、「原石」故の一途さ、切々さが聴き手(私ですが)を刺激して来るのです。
パリ「木の十字架少年合唱団」 ~ BS朝日の特番ライブ放送より ― 2009年01月02日 19時08分46秒
コンサートには行けませんでしたが、TV録画で気分を味わうことが出来ました。
実際に聴いた友人から
「「パリ木」のカテドラルは良かったですよ。」
と メールは入っていたのですが、TVでしばらくぶりに見た感じとしては、合唱がサラッとした感じがしました。
甘く蜜を引く感じが、抑えられたかな、とかいう。
基本は、知名度だけではなくて、実力集団だと思うので、安心して聴けました。
ちょっと、曲によってはテンポが、曲に対して私が持っているイメージよりも遅めだったかも。
それだけ、声量や表現力に自信があるのかもしれません。
満足には満足なんですが、もしも、コンサートDVDを作るとしたら、まずは、ナレーション無しで、コンサートを収録すること。
ナレーション入りで流した部分は、特典映像として、ボーナス・トラック扱いにして欲しいと思います。
番組を見るまでは、NHKのBSクラシック・クラブみたいな作りを想定していました。
正直に言えば、音楽以外の、余計な音(ナレーションとか)は聴きたくないもので。
団員の声なら、良いのですが。インタビューでも、質問部分は音ではなくて字幕で、団員が応えるところだけ音でお願いしたい。
(なかなか私はわがままなんです。)
それでも、コンサートの合間の別映像は鬱陶しいです。
私はレコード派で、CDはあまり聴いていなかったため、指揮者が女性に代わったことも知りませんでした。
・・・なんとなく、微妙に変わったような気がします。
良い、悪いじゃなくて、変わったような気がしました。
スピード感が違うかな?
それから、子守唄は、微妙に編曲が違っていました。
(低い音がありました)
全体的に、始まりの音と、特にも締めの音をピッと決めてくれたらもっと良かったかも。
雰囲気が変わったのは、日本には久々公演ですが、韓国や台湾には頻繁に行っているようなので、それとも関係があるのかもしれません。
特に第1部ですが、プログラムが変わりましたね。時代、かな。
第2ソプラノなのか、アルトなのかわかりませんが、低い声も魅力ですね。
TVを通して、初めてパリ「木の十字架少年合唱団」を聴いた職場の同僚が、東京カテドラル聖マリア大聖堂の響きと雰囲気を絶賛していましたが、ホント、私の中古アナログTVから流れてくる音が、さわやかでスーッと伸びやかに上に上っていく感じがしたのには驚きました。
音は良いと思います。
やはり、プロ仕様のDVDを発売して欲しいです。
あ~、まただ。コンサートの合間、合間のナレーションが鬱陶しい。
それと、歌っている途中でナレーションを入れるな!とイライラしました。
DVDを作るときは、こういうのは、ボーナス・トラックにまとめてくださいね。
第2部になったら、おなじみプログラムでした。
相変わらず上手ですが、団員君の声が違う。
以前には、上空ピッコロ的な、クリアで軽い超ソプラノくんがいたものですが、今回は消えました。
これも時代かな。
最愛のフランク・バール君の時代の声と比較すると、割合、低い声が目立ちました。
というよりも、目の覚めるほど、高い声の、いわゆるパリ木的(と私が勝手にイメージしている)ソリストくんが居なかったような・・・。
それから、聴き手にガーッと迫ってくる感じが抜けて大人しくなったような・・・。
・・・ああ、でも、コンサートには行けなかったけれど、TVを通してパリ「木の十字架少年合唱団」の合唱を聴く事が出来て本当に幸せ。
これはBS朝日さんに感謝。
基本部分が上手で安心して聴く事が出来たので、些細なことを取り上げてしまっただけです。
(最初から最後までナレーションの存在に疲れました。一般向けとしては普通の作りなのでしょうが)
次回の日本公演では、第2部のクリスマス関係の曲は、まあ、手を付けないとして、第1部の曲に、昔の団員君たちがレコードで歌っていたような、クリアなソプラノを必要とする曲をリクエストしても良いですか?
ボーイ・ソプラノ Phillip Watkins ~ 細く高い声と繊細なビブラート ― 2009年01月03日 18時53分50秒
PHILLIP WATKINS (WREN RECORDS WRE 1026)
PHILLIP WATKINS(Boy Soprano)
Piano:CASSIE SIMON
こーゆー言い方、しちゃって良いかな?
余りに写真のイメージとのギャップが在り過ぎる演奏(曲も)でビックリ!
細く高い声、ビブラートの付け方、まるでトーキー時代?の女優さんが歌っているみたい。
カナダのボーイ・ソプラノ GERARD BARBEAU にも雰囲気が似ています。時代でしょうか?どうも1969年の録音みたいなのですが。
出自はどうであれ、アレッドみたいな正統派(って何?)イギリスのトレブルを期待していたのですが、見事に驚かされました。
1面に3曲、2面に3曲収録。
知っていたのは、「楽に寄す」のみ。
でも、もしかしたら、小鳥さんのような声の細さは当時の録音技術によるのかもしれません。
現代の技術があれば、もっと、豊かなボーイ・ソプラノが残せたかもしれないと思いました。
ウィーン少年合唱団 ~ 一瞬一瞬を生きている「音」 ― 2009年01月03日 21時05分59秒
来日記念盤 故郷のうた ウィーン少年合唱団~ドイツ・オーストリア民謡集(RVC-2337)1979年5月1-4日
ウィーンシューベルツァールで録音。
ウィーン少年合唱団(ウーヴェ・クリスティアン・ハラ指揮)
これは、80~90年代を少年合唱のコンサートに通い続けた私の友人に、そのきっかけを与えたウィーン少年合唱団 80年来日組 の来日記念盤として売り出されたLPである。
実際の録音は10ヶ月近くも遡るが、80年来日組が持っていた本家本元最上級の天使の歌声系の響きに通う音が残されている。
ウィーン少年合唱団特有のソプラノの気品高さとともに、アクセントの付け方にメリハリが効いていて少年ならではの清々しい魅力も感じられる。
今聴き直すと、改めて音の変遷を感じ、合唱団名は変わらなくても、「音」は微妙に移り変わることを思い知らされる。
折々の団員と指揮者が創りだす合唱の「音」は一瞬一瞬を生きている。
その79年の団員たちの「気=精神性」を、みごとにつかまえたこの録音は、日本語で受ける「民謡」のある種のイメージを飛び越えて、故郷の素晴らしさを、美しく誇り高く歌い上げている。
Orfeon Infantil Mejicano メキシコの少年合唱団 ~ 団員一人一人の小さいキラキラの鈴みたいなきらめきの音を束ねて ― 2009年01月04日 13時45分17秒
El Orfeon Infantil Mejicano (RCA 3-26065)
Director:Rogelio Zarzosa
Orfeon Infantil Mejicano は、メキシコの少年合唱団。
CHOIR友だちから「良い」という話は聞いていたので
視野に入っていた団体でした。
中南米の少年合唱団というと
高く鋭いソプラノが哀愁を帯びたお国の曲を歌う、というのが私の好きなパターン。
でも、これは、モーツァルトにモンテヴェルディにパレストリーナ・・・。
ちょーっと、盤(選曲ですけど)を間違えたかな、と思ったのですが、
これが良いのです。
一分の隙も無く訓練されきったドイツ語系やイギリス語系CHOIRで聴き慣れた曲が、Orfeon Infantil Mejicano というCHOIRの、団員個々の声の個性でもある、団員一人一人の小さいキラキラの鈴みたいなきらめきの音を束ねた合唱で演奏されるのです。
キラキラだけれど、なんだか素朴で真摯でもの悲しい。
雰囲気はマイエー神父さまの時代のパリ木にも似て、でも、そのときのパリ木よりは合唱の音がザラザラ・キラキラに光をはじいて、哀しいけれど華もあります。
ボーイ・アルト RAUL BARRAGAN (ORFEON INFANTIL MEXICANO) ~ 魅惑のボーイ・アルト ― 2009年01月04日 16時43分40秒
ORFEON INFANTIL MEXICANO
Solista:RAUL BARRAGAN
(Alhambra MGE 60150)Director:Rogelio Zarzosa
この盤はスペイン製で、会社がAlhambra。
あのモンセラート修道院聖歌隊と同じです。
RCA時代は50年代の終わりくらいだとしたら、このAlhambraは60年代の初めかな?
ですが、合唱が変わっていました。
声のキラキラがなりを潜め、大人びて艶やかな合唱に・・・。
なんだかどこか女声的(ギリギリのところで決して女声ではないのですが)な響きが昔のモンセラートにも通じるような・・・。
短期間に(おそらく)ORFEON INFANTIL MEXICANOに何があったのか?
そして、突如として出現したスター ボーイ・アルト君!
この盤のタイトルには、合唱団とともに彼の名前が記されています。
つまり、番を張れるソリストだということでしょう。
収録曲は盤の画像で確認していただくとして
まったく知らない曲ばかり。
ですが、魅惑のボーイ・アルト RAUL BARRAGAN 君の、気体のように自然で柔らかに耳に溶ける声を聴いていると、心が凪いで行きます。
こんなアルト君、他にいましたっけ?
(もしかして昔のウィーン少年合唱団のレコードで聴いたかな?)
もしも気まぐれを起こしてこの盤を仕入れなければ
私は彼の声に出会いませんでした。
こういう未知の素晴らしいソリストくんに出会うたびに
この世界の裾野は果てしなく広大だと感じます。
St.Paul's Boys Choir (THE CROFTON CHORISTERS) ~ オルガンとソフトな少年合唱で聴く LET IT BE ― 2009年01月06日 18時56分29秒
St.Paul's Boys Choir
LET IT BE (DISTRIBUTED BY PINNACLERECORDS-0689 73146 MEAN 8) C&P 1981
写真はケント州にある教会の40人のコリスターさんたち。
(数えたら38人しかいないようだけれど)
聖人の名前をいだいた教会や聖堂は世界各地にあるわけでここもそのうちのひとつ。
有名な大聖堂の聖歌隊と勘違いして購入したレコードでしたが、一所懸命っぽいカバー写真がマル。
そしてオルガンの音も、オルガンにのって聞こえてきた少年たち(っていうよりも写真はそれ以前の子どもだけれど)の合唱もソフトで素直でまろやかで伸びやかで花丸。
ビートルズは苦手だけれど、この LET IT BE のクリアな歌声は捨てがたい。
・・・そして、締めの数フレーズが、一人のコリスターで歌われるところも。
とてもキュートで、温かい味わいに溢れている。
最近のコメント