ボーイ・ソプラノ MAX EMANUEL CENCIC ~ 「歌曲の夕べ」ライヴ録画より2009年08月11日 10時26分25秒

MAX EMANUEL CENCIC

MAX EMANUEL CENCIC SOPRANO RECITAL LIVE WIEN'93
30 MARCH 1993 BRAHMSSAAL, MUSIKVEREIN

 ウィーン少年合唱団 89年来日組 ソリストのマックスくんの退団後のコンサート録画である。

 私は89年を地元で聴いたけれど、ショックを受けるような彼のソロには出会わなかった。たぶん、伝説のソロは、WSKの営業方針(全国を回っていた頃でも、複数回のコンサートを催す都会と一度だけの田舎では微妙に演奏が違っていると当時私は感じていた)だろうが、大都会ゆえ、に行われたものだったのだろうと思っている。

 マックスくんの伝説のソロを聞き逃したのは残念ではあったが、でも当時、目立つ団員くんではあった。WSK団員くんたちの群れにカメラを向けても、結局、彼のところで止まってしまう。「光っていた」んだな、と今になって振り返ったりする。

 彼はある意味、特別な団員くんだった、と私は思っている。マックスくんの名前入りでたくさん残された録音、録画の山。かつて、そういう団員くんが存在しただろうか?

 そして退団直後の複数回のボーイ・ソプラノ・コンサート。(赤いジャケット?の頃)そのとき作られたパンフレットも素晴らしかった。と思う。

 89年WSK団員くんとして来日当時のマックスくんの写真の中に、お気に入りの1枚がある。それは、それほど大きくはないどこかの地域のお祭りを地元民の間で見物している彼を遠くからとらえた1枚で、聡明そうな外国人の少年が自然な表情で小さく写っていた。

 このライヴはそれから4年後。さすがに、BOY の文字が抜けて SOPRANO RECITAL になっているが、小さな写真に感じたマックスくんの自然体ともいえる気負いのなさで、来日当時とそうは変わらないSOPRANOを聴くことが出来る。(客席はけっこう日本人ぽいヒトも多いなあ)
 青年期まえ、輝かしいほどの伸びやかさに満ちたギリギリ少年期の美しさを体現したマックス君がこのビデオに収録されている。

 プログラムが手元にないので、曲名も構成も今はわからないが、「歌曲の夕べ」のタイトル通りの、旋律やたぶん歌の言葉の意味を聴かせる曲が選ばれているようだ。

 ムジークフェラインという背景も素晴らしいが、惜しむらくはビデオなので画質がそろそろ危うくなってきていることだ。