ピアノの森 16 (一色まこと) ~ ショパンを聴きたくなる一冊2009年09月14日 21時37分43秒

ピアノの森16 

ピアノの森 16 (一色まこと) 講談社

この本、好きです。
演奏者の気持ちが書かれているから。

カイくんが好きなのはそのとおりなのですが
好きか嫌いかはわからないけれど
雨宮ジュニアくんの心の動きがなんとなく
わかるんですよね~。
トップになれないヒトの気持ち。
いつも壁を見ているヒトの気持ち。
・・・共感してしまいます。

でも
水上澄子氏作 「リンデングリーンの小鳥たち」を読むと
主人公くんのボーイ・ソプラノを想像するように
この
ピアノの森を読むと
ピアノを聴きたくなります。

ラフマニノフとか
特にもショパン!
カイくんの
挑戦的なピアノ協奏曲とか
ショパンの
ピアニシモとかゲンコツfffを聴いてみたい。

カイくんに近いピアノって
ピアニストで言ったら誰なんでしょう?

残念なのは
画風が時に低周波なこと。
カワイイと思うコマもあるんですが。

「ポーの一族」や「トーマの心臓」が
漫画だと思ってきてしまった私には
ピアノの森は
なかなかの画風なのです。

読んでいるときには
音を聴こうとしているんですけれど。

レフ・シマノフスキくんの
透明(私の想像では)な音も聴いてみたいものです。

ピアノの森を読むたびにピアノ曲を聴きたくなることは確か。



*
"森の端"については
理解できないでいます。

The Columbus Boychoir ~1966年来日 伝説のソリスト キャロル・フリーマン君の声が収録された盤2009年09月21日 15時09分33秒


The Columbus BoyChoir ( CBC 15) 1967年 
Director:Donald Bryant,Assitant director:Robert Haley

The Columbus Boychoirは、アメリカ少年合唱団(American Boys Choir)の名称で1966年1月6日(木)サンケイホールから2月1日(火)浜松市民会館まで計22回のコンサートを行ったようです。

 そのコンサートを聴かれた方には、これは、おそらく思い出に深いレコード、だと思います。
 なぜならこの盤にソリストとして名を記載されているPeter Motson君、Jay Weiss君、Carroll Freeman君、Joshua Grrene君が来日メンバーだったから、です。

 この盤は、CBS盤と違って写真も無くそっけないカバーであること、肉厚なことから考えて、CBS盤よりも先に出たものだろうと思います。おそらく「音」も大雑把なことでしょう。

 聴こえてくるのは、シンプルな音。音だけではなくて、演奏する気持ちの上での装飾も無く、現代からするとゆったりし過ぎたテンポで曲が進んでいきます。

 私がUSAでひいきにしている合唱団はColumbus BoychoirとBoys Town Choirですが、たぶん、この虚飾の無さが聴いていて疲れないんだろうと思います。採録だって良いとは言えないし、必ずしも「上手だから」と思って聴いているわけではありません。

 伝説のソリストでもあるキャロル・フリーマン君の声を心から堪能できる、とはいきませんでしたが、とりあえず、聴いたということで満たされました。
この盤には、録音場所の記載はありますが録音年の記載を見つけることが出来ませんでした。
ですが、一説(CBS盤)に1967年というこもあるらしいので、1966年の1月に最高のボーイ・ソプラノを聴かせた少年の少なくても12ヵ月後の声ですし、ソロも短いので、これは、Columbus Boychoirの当時の雰囲気を聴く盤、なのかもしれません。

求む、来日当時のフリーマン君の録音。

発掘されていない録音があるような気がするのですよね。

The Columbus Boychoir sings ~ とてもステキなシューベルト2009年09月21日 15時55分03秒


The COLUMBUS Boychoir SINGS (A VANTAGE RELEASE)

 1973年ということで期待して聴きました。

内容は悪くは無いですが、どうしても採録がイマイチですね。

選曲も良いし、実力もあるし、ソロも入っている。・・・もっと、こう、録音が近かったらなあ、と思います。

彼らの優しくあたたかい合唱によるシューベルトはとてもステキなので。
ブラームスのさりげないデュエットもステキ。

キレイキレイに音を作ろうとしている邪道(私的に)を忘れる瞬間です。

 カンタータに関しては、もっと、思い切り、出した声を聴きたかったです。
 ソロも合唱もきれいに作ろうとし過ぎているように聴こえてしまう。曲想の問題、なのかな?

 やはりカンタータは全曲、聴いてみないと。

THE VIENNA BOYS CHOIR "Sing Your Favourite Christmas Carols" ~ ウィーン少年合唱団員の輝きが見えていた頃2009年09月22日 14時25分34秒

THE VIENNA BOYS CHOIR

THE VIENNA BOYS CHOIR "Sing Your Favourite Christmas Carols"
(RCA RDS 10509) P.1987

 これは、リーダーズダイジェストミュージックということで、臨時に出た盤らしいです。
 
 なんでもありのフィリップス盤とちょっと違ってRCA盤には「芸」を感じてしまうきょうこの頃。

 1987年に出たものらしいですが、選曲から言って、1979年発売の切手のカバーの(RCA ARL1-3437)と、9人の団員くんたちがクリスマスのテーブルを囲んでいる1975年盤(RCA(SRA-3023)との合体盤かもしれません。

 とにかく演奏の完成度はどちらの盤も高いので、聴いてみてください。
演奏力以前に、声の「質」そのものが違うような気がします。ソリストも今、TVやDVDで聴くレベルとは全く違います。(と思います)

 とはいえ、この盤を入手したのは、ひとえにカバーによります。録音からしばらく経ての1983年来日組の団員君たち。絵葉書にもなっている写真ですが、大きさが魅力でLPを求めました。

 見てください。
 一所懸命を切り取ったような、歌うことに真摯な態度の団員君たちを。
そのままで時が止まっています。

 これが、私が大好きなウィーン少年合唱団員たち、なんです。

 そして、この盤から聴こえてくる合唱やソロが、私にとってのウィーン少年合唱団の「音」なんです。

SISTINE CHOIR システィーナ合唱団 ~ 古い映画からのサウンドトラック2009年09月23日 14時11分31秒

SISTINE CHOIR

SISTINE CHOIR (STEREO CPST 5600)
P.1964

もっと新しいっぽいカバーのLPに P.1964の刻印がありました。
この盤は、それ以前かな。

どこか詰まったような
くぐもったソプラノの音が
じわ~っと時代の古さを感じさせてくれます。

が、突然に、音がクリアになったりもするので
録音状態が一定ではなかったのかもしれません。

これは
どうやらTV映画(記録?)からのサウンドトラック盤のようです。
(映像で出してくれたら良かったのに)

バチカンのST.PETER'S CATHEDRALで録音されたらしいこのLP、
丸くてふちが湿っぽくてしっとりとした声が
(ソプラノが抜けたときなんか特に)
グレゴリアン・チャントみたいに聴こえてきます。

キリストさんの誕生をモチーフにしたものなのかな?

ソプラノが入るとモンセラートや
千人以上で歌ったフランスの聖歌隊の古いフィルムみたいな雰囲気を醸し出す音になっています。

地味ですねぇ。
最後にオルガン伴奏入りで
ADESTE FIDELES をにぎにぎしく歌っていますが
「人の世のクリスマス」ではありません。
あくまでも
聖堂の中で信徒さんたちが宗教っぽくお祝いする歌で
そこがまた、良いのですよね。

システィーナをバチカンで聴いてみたい・・・。
(行くことはないと思いますが)

THE VIENNA BOYS CHOIR "DEUTSCHE VOLKSLIEDER SCHWABEN" ~ 故郷のような懐かしさを感じさせる地の民謡2009年09月27日 14時37分46秒

THE VIENNA BOYS CHOIR "DEUTSCHE VOLKSLIEDER SCHWABEN"

DEUTSCHE VOLKSLIEDER
SCHWABEN (Bertelsmann Schallplattenring HI-FI 36 818)

このカバー写真を見たときに、まず、SCHWABENの文字が目に入り、それから、絵葉書のような佇まいに見入りました。

SCHWABEN!

萩尾望都氏の「トーマの心臓」で
ユリスモールくんのモノローグに
「ザクソン
シュワーベン・・・(以下略)
ドイツ国の基となった六つの種族 そこにぼくの父はいなかった」というのがあって、今回は、
「WIENER SÄNGERKNABEN」+「SCHWABEN」で即、お買い上げ状態だったのでした。


Ltg.. Gerhard Track 氏です。もう一人、居ますけれど。

男の子のデュエットが聴こえて来たりするので、そこがWSKかな、とか思いましたが、もう1団体、シュトゥットガルトのCHOIRが演奏しているので、寄せ集め録音かな?
昔の録音ですが、おおぉっっと大袈裟に感動するほどではありません。普通に良いなあ程度です。

私は職場と自宅の往復で、お休みの日は、「玄関の外には出たくない」タイプですが、こういう写真を見ると、ワープして行ってみたいと思います。

「トーマの心臓」で出会った名前とか地名が、心に沈殿していて、いつの間にか、かつて一緒に過ごした人とか、過ごした土地化していたりします。
それだけ私にとっては、色褪せない世界なんだと思います。

当然、ヨーロッパの田園風景とか、そこで歌われている民謡は、テリトリー内的存在、という訳です。