Pueri Cantores della CAPPELLA SISTINA システィ-ナ礼拝堂合唱団 ~ バチカンの宣伝使?しっとり&きらきら プラチナ声のマリオ君のアルバム2009年10月10日 22時30分32秒

システィ-ナ礼拝堂合唱団

Pueri Cantores della CAPPELLA SISTINA
(Edizioni CAPPELLA SISTINA/CMPS012)
C.2007
Cirectore Domenico Bartolucci

MARIO BOLOGNESI(Soprano solista)

今年、「天使と悪魔ツアー」をしてきたCHOIR友だちが買ってきたCDです。録音内容を聞いて、欲しいと思っていたのですが、私は外国語がダメなので通販のハードルが高く、何度も失敗し、入手までに半年以上もかけてしまいました。

1996年の公演プログラムに指揮者のバルトルッチ氏が「子どもは抑えつけてはいけない。厳しく管理したら自由に声が出なくなる。自然な声が出なければ、音楽も涸れてしまう」と書いておられて、ものすごく感動したのですが、

これは、その指導方針から自然発生したかのようなマリオ君の声の「たった24分52秒」のアルバムです。

タイトルを見る限り、宗教的ではあるのですが、ゆったりとした旋律が美しく、マリオ君のソプラノのきらきら感が、磨かれた金属の輝きのように麗しく、しばし(私は今生きているのだという)俗事を忘れて、音楽に浸ってしまいました。

ボーっと聴いてしまうと、なんだか「汚れなき悪戯」の世界のような古くささも感じてしまいます。2年前の録音らしいのに。・・・それだけ汚れのない精神世界、なのかもしれません。

彼、(マリオ君ですが)
2年前には、この声を大聖堂に響かせていたんですね・・・すごかったんだろうなあ・・・。

マリオ君のボーイ・ソプラノ・タイムと私の生存が、リアルタイムで重なっていたわけだから、生のソプラノを、聴くことが出来たかもしれないのに、「存在を知らずにいたために」失ってしまったそのチャンス。

マリオ君のプラチナの声、故に、録音状態は完全だとは思えないのですが、「よくぞ、このボーイ・ソプラノを残した」と異教徒の私でもバチカンを見直したくなる1枚です。

SISTINE CHOIR システィーナ合唱団 ~ 古い映画からのサウンドトラック2009年09月23日 14時11分31秒

SISTINE CHOIR

SISTINE CHOIR (STEREO CPST 5600)
P.1964

もっと新しいっぽいカバーのLPに P.1964の刻印がありました。
この盤は、それ以前かな。

どこか詰まったような
くぐもったソプラノの音が
じわ~っと時代の古さを感じさせてくれます。

が、突然に、音がクリアになったりもするので
録音状態が一定ではなかったのかもしれません。

これは
どうやらTV映画(記録?)からのサウンドトラック盤のようです。
(映像で出してくれたら良かったのに)

バチカンのST.PETER'S CATHEDRALで録音されたらしいこのLP、
丸くてふちが湿っぽくてしっとりとした声が
(ソプラノが抜けたときなんか特に)
グレゴリアン・チャントみたいに聴こえてきます。

キリストさんの誕生をモチーフにしたものなのかな?

ソプラノが入るとモンセラートや
千人以上で歌ったフランスの聖歌隊の古いフィルムみたいな雰囲気を醸し出す音になっています。

地味ですねぇ。
最後にオルガン伴奏入りで
ADESTE FIDELES をにぎにぎしく歌っていますが
「人の世のクリスマス」ではありません。
あくまでも
聖堂の中で信徒さんたちが宗教っぽくお祝いする歌で
そこがまた、良いのですよね。

システィーナをバチカンで聴いてみたい・・・。
(行くことはないと思いますが)

システィーナ礼拝堂合唱団 ~ 「信仰という特別な空気」の中で2008年11月03日 15時57分09秒

システィーナ礼拝堂合唱団

CORO DELLA CAPPELLA SISTINA Der Knabenchor des Vatikan in der Sixtinischen Kapelle (ACANTA DC 21.841 STEREO) P1973
Leitung:Domenico Bartolucci

 黄金の粉を振りかけた鈴のような金属的なでもどこか丸いソプラノが変声後の声と競うような合唱で始まるのだが、残響が大きく長く、私自身が現場にいるかのように錯覚してしまう。

 ソプラノ組はpになると輝きを失ってくすんでしまうのだが、ひとたびfに戻るとキラキラと輝き始める。
 クリアで屈託のない精神を感じて非常に気持ち良い。

 作品的に完成度の高さを感じたのは3.Improperium exspectavit。
 この曲自体が美しいのかもしれないが、シャープでありながらも丸みを感じる光るソプラノが余裕のある男声部の分厚い層から自然にスーッと浮かび上がる様には、信者ではなくても厳かな気持ちにさせられてしまう。

 演奏にほころびが無いとは言わないが、コンサート系合唱団にはあまり無い「信仰という特別な空気」の中で、演奏に浸ることで魂の何処かが癒される1枚であると思う。