モンセラート修道院聖歌隊、至宝の1枚~Sergio Casademuntくんのソロ・アルバム ― 2010年12月23日 19時38分17秒
SALVE REGINA / LAMENTACION II DEL SABADO SANTO (Alhambra MC 25038) (P)1961
director:Dom Ireneo Segarra
各合唱団には、合唱団の至宝とも言える盤が存在していると思いますが、私にとってのモンセラの至宝は、この盤と、同じくセルジオくんが歌っているSTABAT MATER の2枚になります。
表だってこの盤のアルバムカバーのセンターに少年ソリスト君の名前こそありませんが、間違いなくこの盤の主役は彼。つうか、彼が存在したから録音した盤だろうと思います。
どこか、ゆるやかで甘く素朴で、哀しい情があって、なんともスペイン的。修道院ですが、禁欲的ではなくて、情緒的。この声がのこぎり山の修道院で聴くことが出来たんですね、1961年には。聴いていたら、心をかき乱されたかも。内省に繋がる音のような気がします。
セガーラ神父がいかに子どもたちを導き音楽を創っていったのか・・・。この時代の盤をきくと、たらさわ氏のテルツ少年合唱団のような物語がモンセラにも残っていたら良かったのに、と思います。
もしも描かれていたとしたら、このセルジオくんはどんな少年だったのでしょう? この盤に至るまで、彼にはどんなドラマがあったのでしょう? そして50年後の日本の国でレコードに耳を傾け、歌った少年に思いをはせている日本人が居るなんて、きっと想像することもないんでしょうね。
ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊「VIROLAI 」 ~ 神秘の山で聴く、内省的な曲 ― 2009年07月12日 23時18分26秒
VIROLAI
SALVE
ESCOLANIA DE MONTSERRAT (vergara 55.6.001 C)
これは日々のお勤め(専門用語で何と言うのかな?)の録音なのかな?
元々、採録はイマイチなんですが、VIROLAIに、コンサートや録音等で活躍するソプラノくんたち+αの声まで入っているような気がする。全く歌ったことのない声ではないけれど、モンセラのソプラノくんたちの声そのものとは違うような・・・。修道院の尖塔の鐘の音で締められるのも宗教的味わいがある。
MAGNIFICATは男声部から始まる。今更、当たり前のことを言わせていただくと、この男声部の発声法が、ソプラノくんたちのと似通っている。喉のところで(フワフワと)声を出す感じが雰囲気、一緒です。
SALVEは、意味合い的には、救いがあっても良さそうですが、旋律の雰囲気が、ちょっと暗いです。お勤めの歌だから?
全くの門外漢。宗教(入るお墓)も違う私には、日本の片田舎で聴く限りでは、起伏のなだらかな旋律が続くだけだけれど、のこぎり山の修道院で聴いたら、この旋律の静けさが、魂の何かに触れそうです。
ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 ~ P.MIGUEL LOPEZのSALVE REGINA 訓練された声に依る美しすぎる旋律 ― 2009年07月05日 23時03分08秒
Escolania de Montserrat (vergara 14.004 SC)
SALVE REGINA (P.MIGUEL LOPEZ)
VIROLAI (VERDAGUER RODOREDA)
VIROLAI。
全部の声部が重なるときとソプラノ君たちだけの声が聞こえるときと。微妙にメリハリをつけながらも割合シンプルなメロディラインは、日常的な奉仕作業(サービスというのかミサというのか宗派によって違うのだろうけれど)で、信徒さんたちも一緒に歌うのだろうなあ。
P.MIGUEL LOPEZのSALVE REGINA。
こちらは、ひたすら聴いていたい。訓練された声に依る美しすぎる旋律・・・。少年とも女声とも言えないような幽玄的なソプラノにどこか涼しいアルトが加わったときの響きの幅がモンセラートの合唱の麗しさなのだと思ったりして。ここはまじめにP.MIGUEL LOPEZを聴かないと。
ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 ~ VIROLAI 代表的で日常的な曲 ― 2009年06月29日 01時04分47秒
ESCOLANIA DE MONTSERRAT (vergara 14.001-sc)
Director:Dom Ireneu Segarra
SALVE REGINA Francesc Civil
VIROLAI Verdaguer-Rodoreda
VIROLAIってどんな意味だろう?と調べていたら「大人のヨーロッパ旅行」というサイトにモンセラートが紹介されていて、「サルベ(Salve)とビロライ(Virorai)と呼ばれる聖歌を聴くことができる」とあった。そっか、聖歌か。
しかーし、このEP盤からお宝発見。由緒正しそうな印刷のVirolai de Montserrat の楽譜と歌詞が四つ折で出てきた。さてはお信徒さんが手離したEPか?・・・(或いは観光客か)
聴いた感じでは、特にもSALVE REGINAの方が、(幾分合唱のトーンが高めに聴こえるが、)演奏の雰囲気が、初来日でTV放送された折りの声に近いような気がした。レコード番号が私が持っているうちでは若い方だが、そんなに古くはない録音なのかもしれない。頭声でも胸声でもない、首を使って響かせているかのような(←ありえないけれど)繊細な声は、モンセラならではのもの。
シンプルなつくりのVIROLAIは、なんとなく歌えそう。モンセラは、SALVE REGINAやこのVIROLAI の録音が割と多いので、日常的に歌われているのかも。この音源自体、ライブ(といってよいのか不明だが)で、幼い子どもの泣き声も収録されているので、公開演奏なのかも。
Director:Dom Ireneu Segarra
SALVE REGINA Francesc Civil
VIROLAI Verdaguer-Rodoreda
VIROLAIってどんな意味だろう?と調べていたら「大人のヨーロッパ旅行」というサイトにモンセラートが紹介されていて、「サルベ(Salve)とビロライ(Virorai)と呼ばれる聖歌を聴くことができる」とあった。そっか、聖歌か。
しかーし、このEP盤からお宝発見。由緒正しそうな印刷のVirolai de Montserrat の楽譜と歌詞が四つ折で出てきた。さてはお信徒さんが手離したEPか?・・・(或いは観光客か)
聴いた感じでは、特にもSALVE REGINAの方が、(幾分合唱のトーンが高めに聴こえるが、)演奏の雰囲気が、初来日でTV放送された折りの声に近いような気がした。レコード番号が私が持っているうちでは若い方だが、そんなに古くはない録音なのかもしれない。頭声でも胸声でもない、首を使って響かせているかのような(←ありえないけれど)繊細な声は、モンセラならではのもの。
シンプルなつくりのVIROLAIは、なんとなく歌えそう。モンセラは、SALVE REGINAやこのVIROLAI の録音が割と多いので、日常的に歌われているのかも。この音源自体、ライブ(といってよいのか不明だが)で、幼い子どもの泣き声も収録されているので、公開演奏なのかも。
ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 CANCONS POPULARS DE NADAL ~ 切なさいっぱいの歌唱集 ― 2009年06月07日 21時10分38秒
CANCONS POPULARS DE NADAL (montserrat DAM 4004-CS)TAPE 録音年不明/指揮:Ireneu Segarra
良く歌われている(人気の)NADALの歌、とでも訳すのかな?
El cant dels ocellsは、鳥の歌でした。
シンプルなピアノ伴奏で歌われるこのカセットは、珍しくも宗教曲ではなくて、民謡風。もしかしたら、Nadal地方で歌われているのでしょうか。
ボーイ・ソプラノ・ソロをふんだんに取り入れ、ソロも合唱も引き立つ作りになっています。
メインのソリストくん。愁い度80%。合唱も負けずに、愁い度60%。このソリストくんの声を残したいがための録音かな?と思うほど、登場します。(実は複数のソリストくんだったら、勘違い)
初めて聴く曲が多いけれど、ソロや合唱の音の色彩そのものの愁い度が高いのに、きれいな旋律の曲そのものの愁い度も高くて、何を歌っているのかすらわからないのに、聴いているだけで泣けそうになります。
メインのソリスト君の高い声も良いけれど、低めの旋律を歌うときの木管っぽい声もまたステキなのだな。名前が記載れていないので、録音年すら推定が難しいのが残念。デュエットも割合あるので、ソリスト君は複数の模様。
昔、来日コンサートをTVで聴いたときと似通った感動を受ける、切なさがたくさん詰まった、カセットです。
心がすさんだりかわいているときに、聴いてほしいかも。
ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 MENDELSSHON & W.A.Mozart ~ 上質な時代のWSKコンサートを想起させる盤 ― 2009年06月01日 03時43分51秒
ESCOLANIA DE MONTSERRAT (sayton Ref.CA-29-ST)1968年、69年録音。
収録曲がメンデルスゾーンとモーツァルトだなんて、モンセラっぽくなくて面白い。おそらくは”俗的”なコンサートのアンコールからシングルカットされたものではないかと思う。
音もソリストの声も歌い方も非常に古い。昔の機材で素人がコンサートを録ったかのごとくの音がかなり郷愁的。イイ・・・実に。
艶のあるどこか女声的なボーイ・ソプラノで禁欲的な感じは一切無いが、もしも50年代のWSKがコンサートをしたら、こんな感じのソリストくんで、合唱のフォローもこんな感じで・・・なんて想像してしまう。
82年のTV放送を聴いて、その透明感に参ってしまい、スペイン在住者を通じてレコードを入手しようとまで思い詰めた割に、実際にはここまで聴かないで来てしまったので、モンセラのW.A.Mozartとは驚きだったが、子守歌もなかなか良い。
透明ではなくてどこか肉感的にも思えるが、媚びていないから素っ気ないけれど、おおらかで豊か。
そんなふうに子守歌を歌い終えたときに、大きな拍手が・・・。
2曲ともライヴ録音。
このときに残された音がもっとあるなら、ありったけ聴いてみたい気がした。
ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 STABAT MATER ~ 想像を絶する録音を残している合唱団 ― 2009年05月22日 15時05分21秒
PERGOLEGI: STABAT MATER (Alhambra MC 25039)
(P)1961
director:Dom Ireneo Segarra
ファンというものは、いろいろなコレクションを持っているもので、中には想像を絶するような名盤も存在しています。
モンセラート修道院聖歌隊もそのようなお宝盤を世に残している合唱団。
その名盤も今回取り上げた盤も、私はコピーで聴いたのですが、いずれはオリジナルで聴きたいものです。
名盤をあかすのは、わざとらしく後日として・・・。
さて、このモンセラート修道院聖歌隊ですが、モンセラート少年聖歌隊(1982年来日時の公演プログラムの記述ではこのように訳されている)は、1982年に来日し、7月3,4,5,6,7,10,11,12日のみ公演を行いました。
ただし、モンセラート修道院での聖歌隊員や日本での公演の様子は、TBS系列で全国放映されたので、私はTVを通して彼らの歌声を聴いた一人です。
直接彼らの歌声を聴いた知人から、公演では、集中力が乱れるので拍手をしないように、とのアナウンスがあったと知らされましたが、その緊張感はブラウン管を通じて伝わってきていました。
TVでコンサートの模様を見て、もちろん、宗教曲は素晴らしかったけれど、何よりも、山の朝の大気の中で聴いているような、歌声の透明感に感動したものです。声に透明度を付けるなら、そのときに聴いたモンセラが今まで聴いた中では一番深く澄みきっていました。
でも、私が苦しいほどに心を揺さぶられたのは、彼らの歌うカタロニア民謡(民謡というにはあまり土の匂いがしないでどちらかというと心の匂いがする)の、清らかさ、温かさ、切なさ、やさしさ、美しさでした。
そんなこんなで、何が何でもモンセラートとか思って、国内で発売されたレコードを聴いたりしたのですが、画面から伝わってきた光や空気の透明感よりも、土の温かさが勝っているように感じて、遠ざかっていました。モンセラートは、どこか少年合唱というよりは中性的にも聴こえました。
気になる合唱団ではあったのですが、CHOIR友だちの一人がこんな盤がある、と2枚の10インチを聴かせてくれなかったら、掲載はずっと後になっていたと思います。
肝心のSTABAT MATER ですが、私にとっての基準値ヘニッヒ盤と比較すると、緊迫感は少ないのですが、ゆったりとおおらかにもじわ~っと効果が出てくるようです。
ソプラノくんがビブラートの使い方といい時代がかって聴こえるのですが、アルトくんが名ソリストくんですから。テルツもそうですが、アルト・ソロが少年声なのは、私にとっては、大きな魅力です。
合唱もそうですが、名アルトくんの声を聴くことが出来るのがこの盤の一番の魅力で、この声が想像を絶する名盤へ繋がっていくのです。
追記:
ESCOLANIA(男子児童による合唱隊) DE MONTSERRAT がモンセラート修道院少年聖歌隊、CAPELLA(聖歌隊、修道士による)が入ると、Escolania & Capella de musica Montserrat にもなったりするようです。
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