自信、個性~ドラケンスバーグ少年合唱団 ― 2008年08月06日 20時24分24秒

In Belgium (EMI BRIGADIERS BCP 1514) Rec 1979
非常に歓待され感激的なベルギーへの演奏旅行であった様子が伝わってくる。
これはブリュッセルでの録音盤だが、構成が面白い。
まずはパレストリーナのミサでソツのない聖歌隊的演奏をしてみせる。
設立の時から、ヨーロッパ(東でも南でも北でもなくて 西的)ヨーロッパを目指していた合唱団は、「歌える」ことを西欧人に示した。と思った。
が、パレストリーナのミサは、キリエ、サンクトス、アニュスディのみ。
「パレストリーナをふつー以上に歌える」ことを示したあとで、
さっさとあの南米大陸のミサ(ミサ・クリオージャ)に選曲をシフトしてしまう。
しかも、Misa Criolla / DRAKENSBERG BOYS CHOIR (ACP 617) P1978 と同じソリストを使って。
同じなんだけれど時間が経過してしまっているからソリスト君は変声した声で歌っているのだ。
が、曲が全体的に憂いがあって、野性味もあって、でも繊細で、西欧の古都で聴くには、かなり刺激的だったことだろう。
このソリスト君、B面でもソロしているが、変声したての若い声がある曲をソロしている間、聴きながら聴衆は泣いていたそうだ。
Drakiesは感情表現が豊かだと思うが、そこに共鳴したのだろうと思う。
この盤を聴いたときに、私が感じたのは、ドラケンスバーグ少年合唱団はこのとき、西欧諸国の有名少年合唱団なみには歌えるという自負はあったんじゃないか、ということだ。
その上で、なにか、飢餓感も感じていたのではないか。
借り物ではない歌、もっとDrakiesにとって密接に感じられる歌。
よくわからないけれど、何かを求めている過程で、南米大陸のミサは、軌道修正の役目をしているような・・・・。
最近のコメント