ボーイ・ソプラノ MICHAEL CRISWELL ~ 深い森、清らかな小川・・・シェークスピアの時代を想起させるトレブル2009年12月12日 23時56分31秒



Music For Treble & Consort (Abbey LPB 762)
P.1977

どちらが先だったのかもう覚えていないが、私は1980年代に1つの曲にとりつかれていた。
ディガ・ディガ・ディン(It was a lover and his lass (Morley))に、である。

もしかしたらNHKで放映されたBBCのシェークスピア劇場の「お気に召すまま」で意識したのが先、だったかもしれない。
(そのBBCで歌っていたのが実はポール・フェニックス)

このCRISWELLのディガ・ディガ・ディンは、当時、仲良くさせていただいていた某氏がカセットにコピーして送ってくれたものの中の1曲で、原典はずっと謎のままだった。

私にとっての80年代のひとつのキーワードがシェークスピアの音楽。
BBCの放映を見ていたのとキングスカレッジの82年の演奏を聴いたことに拠っている。

この盤の声は、BBCシェークスピアに浸っていた頃を彷彿とさせてくれる。
リコーダーやリュートに似合う声、自己主張しない声。

BBCで見ていた深い森や、緑の野、小川、冷たい石の城が目に浮かぶ。

CRISWELLの声は、ポイントになる音(音符)を微妙に歌い潰し(という表現が正確かどうか自信は無い)、ホント伸ばすのが大変なんだよね~的に、音を伸ばすのが「味わい」になる不思議。

音を出し惜しみしている木管楽器みたい。
スッキリしないところが癖になりそうだ。