大聖堂を満たしていくボーイソプラノという気体~ ANDREW LYLE2018年03月14日 19時21分16秒


Andrew Lyle with the Choir of Canterbury Cathedral(abbey/LPB707)

 この盤が発売されたのは1973年のようですが、Andrew Lyleは1952年生まれなので彼が21歳になった頃にようやくリリースされた盤なのですね。リリースしてくださった方々、どうもありがとうございます。お陰様でこの声を聴くことができました。
 この盤は、もしかしたら聖歌隊をバックに、カンタベリー大聖堂でAndrew Lyleがリサイタルをした記録なのかもしれません。かも、ですが。
 石造りの大聖堂でボーイ・ソプラノが歌うことの意義とでも言いますが、まあ、とにかく、声がきれいに薄くうすーく、空中に満ちていると感じることが出来ます。女声的に麗しい声ですが、女声と全く違うのはAndrew Lyleの声のひろがりがあたかも気体のように感じられるということです。(媚に連なる)艶はもしかしたらないかもしれません。でも聖堂で息づく声だと思います。ここでの聖歌隊も素晴らしい演奏を披露しています。聖歌隊が充実している時に素晴らしいソリストが現れるのか素晴らしいソリストが現れるときの聖歌隊も又充実しているのか、そのどちらかなのかは知りませんが、この盤の録音時のカンタベリーの聖歌隊は素晴らしく充実していたことが推測できます。レコードを収集する録音年の目安にもなりますね。

Andrew Lyle sings Bach and Mozart AT CANTERBURY CATHEDRAL (Garrod RP 7027)

(abbey/LPB707)に収録されているものから2曲を先に世に出したところからすると、この2曲が特にも「売り」なのでしょう。そしてタイトルから大聖堂での演奏なのでしょう。Andrew Lyleは、変声後にはカラヤンのもとで、ユースオーケストラで国外ツアーもしたみたいなので今でも音楽に関わっていらしたら良いなーとか想像します。

シャーロック・ホームズの Mason's Blue Mandalay2018年03月22日 22時28分52秒

 グラナダTV制作の「シャーロック・ホームズの冒険」で最愛のジェレミー・ブレッドがお茶の時に自室で使用しているティー・カップがあります。

 Mason's Blue Mandalay たぶん、これです。同じ種類のカップでお茶をいただいても憧れのJ・ブレッド様になれるわけではありませんが、気分は味わうことが出来ます。形がビクトリアン?なので、紅茶だけではなくてどちらかというと珈琲のときが多いかも。

 名探偵ポワロでも、Mason's Blue Mandalay を見かけました。「マースドン荘の惨劇 The Tragedy at Marsdon Manor」で、ポワロ氏が宿泊した”地方の個人経営の小さなホテル”で使われていたのがこちらでした。むろんマースドン荘はマナーハウスなので、夕食で使われていた食器は、それなりのセットのように見えました。
 ポワロは、衣食住が非常に興味深いです。イギリスは階級社会でドラマを見ていると「我々の階級は他のお手本にならなければ」なんて言葉も出てきますが、その人に合ったお屋敷、マンション、そこで使われている食器にも神経が細かく使われていて面白いです。

 さて、ホームズ氏のMason's Blue Mandalay ですが、私は気楽に使っています。焼き?をみると、高級?ではありません。考えてみると、このセットは下宿経営のハドソン夫人のものなので、お客様にお出ししても大丈夫なちょっと体裁の良い食器なのだろうと思います。
 高額食器ではないので、ナイフを使ったり、洗ったりするときにも、必要以上に神経を使わずに済むのが良いのだろうと思います。

 そして私が現在Mason's Blue Mandalay を使うことの楽しみはカップの形や模様にクラシックな雰囲気が溢れていてステキだということです。

「バチカン奇跡調査官」より 回廊を吹き抜けるボーイ・ソプラノ ~ フレーベル少年合唱団2018年03月23日 16時16分14秒


TVバチカン奇跡調査官オリジナルサウンドトラック(LACA-9542~3)

 収録曲は、劇中のあらゆる場面に使われるのでしょうから、様々なジャンルの音楽がそろっていて、アニメの内容を把握していない私が音楽のみを聴こうとすると正直・・・雑多過ぎて頭が路頭に迷います。・・・アニメの効果音楽だから仕方ないのかもしれないですが、CDの音楽観はぐっちゃぐちゃで統一感なし!(奇跡を調査に世界中を旅するから?)あちこちからのイメージのパクリが気になるような・・・? 大人も頑張って歌っていますが、例えばミゼレーレを聴き比べてみれば、フレーベルの子たちとの差は歴然です。
 だからこそフレーベルの少年の声でハッと心と目が覚めるのですよね。歌っている個人名は残念なことに非公開ですが、CD「にじ」の頃に小学校の中高学年だった子どもたちがちょうど熟成されているお年頃なので、にじに参加した誰かは歌っているのかも、と想像するだけです。
 アニメ見ていない少年合唱ファンが、たった数曲の為にCDを買っても良いものかどうか・・・? う~ん、フレーベルのファンには買いですね。たった1曲5分の為にCD3枚組を買うとか、少年合唱ファンにはそういうところがありますものね。
 今は便利になって曲ごとに買えるので、フレーベル少年合唱団が参加している曲だけを買う方法もあります。
・・・にしても勿体ないわー。少年たちのこの合唱、この声。せっかくのソロ、せっかくのボーイソプラノなので、「10.不気味なハロス」とかではなくて、もっと別な曲を歌わせたかった・・・。例えば13.明かされた「奇跡」のメロディに詞を付けて・・・この旋律がきれいだから
  少年合唱ファンへのお薦めは、B-Sファンとしてはありきたりの感性ですが、「03.バチカンの風景」「07.ミゼレーレ~天からの賜り物~」「17.マリアはいばらの道を往く」です。

ボーイ・ソプラノ ANGUS BENTON ~ コンテストを勝ち抜いた名門聖歌隊出身者2018年03月23日 16時25分12秒



Homeward Bound(CRO35)   

 名門のWinchester College Quiristers所属であり、BBC Young Chorister of The year 2016の勝者です。
 CDは、細く高い声を絞り出すような歌い方で演奏が始まります。丁寧に丁寧に歌うこの声を聴いたときに、私は素直に、コリスターなんだなーと思いました。シンガーではないので、媚はありません。ただ、繰返して聴き込むほどに、曲の世界に浸れるように思いました。このくもりの無い声はクリアゆえにピアノ伴奏だと同質の音にも思えるので「11.The Ash Grove (Britten) 」の伴奏は似合っていました。このボーイソプラノは楽器の伴奏よりはトレブル・アルト・テノール・バス編制の普通のイギリスのChoir=合唱をバックに聴きたかったです。
 だけど、やさしーなー・・・。やさしー世界だわー。聴き方によっては同じイメージで聴こえてくるので、多重録音の箇所もアクセントになっています。
 UKのコリスターくんの作品集として王道中の王道の選曲ともいえるCDです。こわれそうに繊細なソプラノがなんだか物悲しかったりします。「16.Auld Lang Syne」は日本名「蛍の光」今ではあまり日本では歌われなくなりましたが、さすがスコットランドならではの1曲ですね。
 CDタイトルにもなっている「17.Homeward Bound」は初めて聴きましたが、タイトルにしているだけあって、しみじみと歌い上げられています。生命力に溢れた年代の少年が、歌でどこか人生の終焉を感じさせてしまうボーイソプラノの不思議を心から感じてしまいました。

TOKYO FM少年合唱団~涙腺が崩壊する少年合唱の響き2018年03月26日 16時17分12秒



 このCDは、Yahooのオークションで5~6万円まであがったのを指をくわえて見ていました。欲しかったですが、手が出なかった1枚です。別ルート(いつものクレクレ攻撃?)で譲っていただきやっと聴くことが出来ました。
 CD番号がないので、もしかしたら、ペアレントCD(合唱団内部で団員くんの保護者さんに差し上げるだけの流通はしていないCD)なのでしょうか。

 『今、この時にしか出ない歌声を何とかCDに残しておきたい・・・!』というお母さんたちの願いから生まれたCDなのだそうです。(・・・だから・・・温かいんだ・・・。by Hetsuji )ビクター少年合唱隊時代の金字塔「天使のハーモニー」シリーズのテイストを彷彿する歌声で、あのシリーズを大切に聴き込んだ耳には、懐かしくて愛しくて、涙腺が崩壊することでしょう。

 CDは、1997年12月17日 TOKYO FMホールにおける録音で、内々のリリース?は、1998.3付けで第14期卒団生のお母さんのコメントが記載されていましたので録音の翌年、卒団のあたりでしょうか。ふんだんに入るボーイ・ソロも優しすぎて泣けます・・・。
 ・・・好き過ぎるこの合唱の音のテイスト。北村先生が創る音ですね。天使のハーモニーシリーズを聴きなおしたい気持ちにかられるコンサート録音でした。
もうもう・・・素晴らしすぎる・・・。合唱団がある限り団員や指導者の先生が変わるとしてもこの限りなくやさしくやわらかい合唱の音質が永遠でありますように。この音が大好きです。