ボーイ・ソプラノ Christian Schaefer ~ 大人びてマットな声質2024年07月30日 16時57分32秒



christian schaefer FIRST SUMMER
BOY SOPRANO

1.Ave Maria
2.St Francis Prayer
3.The Breaking at the Fellowship
4.Panis Angelicus
5.Bist Du Bei Meir

 タイトルのファースト・サマーって何だ? 少年期から青年期への変わり目? わからん。彼の声を楽器で例えると大き目木管で、声質はマットな仕上がりで、大人びたテイスト。なので、普通のボーイ・ソプラノが選択する曲も良いが、声質や曲自体のドラマ性ということで、3.The Breaking at the Fellowshipが似合っていると思った。(by Hetsuji 2024.07.30 tue.up)

ボーイ・ソプラノ KEVIN MUIRHEAD ~ 晴れやかさと教区の誇りと2024年05月27日 18時26分27秒


(PRIORY PR166) 1985年リリース

THE CHOIR OF CROMER PARISH CHURCH
KEVIN MUIRHEAD(TREBLE SOLOIST)
録音 Cromer Parish Church / 1985年

Side 1
1.With a voice of singing
2.The Three Kings KEVIN MUIRHEAD(TREBLE)
3.Ave Verum
4.God so loved the world
5.Jesu, joy of man's desiring
6.In the bleak midwinter KEVIN MUIRHEAD(TREBLE )Tenor Soloist : Christopher Leigh
7.O rest in the LordKEVIN MUIRHEAD(TREBLE)

Side 2
1.Te Deum in B flat
2.Panis ngelicusKEVIN MUIRHEAD(TREBLE)
3.How beatiful are the feetKEVIN MUIRHEAD(TREBLE )
4.Thou wilt keep him
5.Thou vsitest the earth
6.Love most gentle
7.Seek ye the LordKEVIN MUIRHEAD(TREBLE)

 クローマー教区教会の聖歌隊。ロンドンから見て、北東の海辺の街? Norwich Cathedralの真北に20~30kmの海沿いの町?地域が護ってきた地域の誇りの教会の聖歌隊という雰囲気がカバー写真のメンバーの表情の晴れがましさから伝わってくる。
 女声はアルト担当のようだ。録音参加メンバーの名前順は、ファミリーネームのアルファベット順なので家族関係も想像出来たりする。
 なんとも自然な発声で、素直なサウンドが心地よい。ホームでの録音なので、サービスではこういう音が響くのだろうと想像できる。
 KEVIN MUIRHEAD(TREBLE SOLOIST)くんも、ガッチガチに訓練された感はなく、天然系のソリストで、作為なしの演奏が心地よい。選曲も構成も聖歌隊のLPにありがちなテイストで、合唱の合間にソロ曲が配置されているのも王道でリラックスして聴くことが出来る。
 ワールドワイドを目指す合唱団とは違うと思うが、それでも、1枚のLPの中で複数曲を歌いあげたKEVIN MUIRHEAD(TREBLE SOLOIST)の天賦(ご本人に自覚があるかどうかは判らないが)の才能は素晴らしいと思う。
 私は、素人なので、演奏を演奏そのものではなくて、音の奥の歌い手の心根でかぎ分けるが、そういう意味において、「4.God so loved the world」に感じ入った。曲そのものと声が共振したのだろうと思う。女声は演奏に溶け込んでいた。
 洗練されきっている訳ではなさげだが、各声部が重なって作る音の厚みと雑味が気持ちよすぎる。ハートがクリアなのだ。
 KEVIN MUIRHEAD(TREBLE)くん、しかり。ソリストとして1人でステージに乗ったりCDをリリースしたりするトレブルくんとは違う良さが、聖歌隊に留まるトレブルくんには絶対にあると思う。レコードの最後をトレブルくんで閉じたのも、トレブルくんへの敬意を表しているようで温かい気持ちになりました。(by Hetsuji 2024.05.27 Mon up)

ボーイ・ソプラノ Cormac Thompson ~極上の声を神さまにお返しする覚悟をした魂の色2024年05月12日 19時10分41秒



 木管楽器のような声がとてもとても魅力的。そして、その傾向はあったけれど、クラシッククラシックしていないところも不思議としっくり似合っている。透明な湖の深い底からの声。表面は鏡のように凪いでいる。とにかくどの曲も鎮か。Cormacを立てている伴奏もとても良い。切ないほどに美しく伸びる高音が伴奏の木立にスーッと消えていくとき、なぜか悲しくなった。タイトルだけでは知らないけれど、どこかで聴いたことが有るような旋律たち。Cormacの声に共鳴して、それぞれの命の存在の頼りない哀しみすら醸し出す。
   こんなに鎮かで心を制御した「7.Bright Eyes」を聴いたのは初めて。この曲は、もっと明るくて温かい曲だと思っていた。でも彼が歌うと、鎮魂歌のように聴こえる。なんだか哀しい。彼は何を悟ってしまったのだろう? などと思ったりする。
 「14.Time in a Bottle」彼がボトルに閉じ込めた時間は、神さまから預かったボーイ・ソプラノを奏でていた時間の思い出なのかな、とも思う。預かりものをお返しするときが来たことに対峙している魂の覚悟の色が反映している雰囲気がする。

ボーイ・ソプラノ Cormac Thompson ~ BBC Young Chorister of the Year 2021の栄誉に輝いた少年2024年05月12日 18時17分51秒



 恥ずかしながら2021年にも視聴した感想を書いています。今回は二度目。

      BBC Young Chorister of the Year 2021の栄誉に輝いた少年。幼さを彷彿させるルックスと細く高いゆえにときに不安定に感じてしまう声に、緊張を強いられる(ような気がする)。つーか、筆者の気力が「聴く」ことから、薄れてしまったのかも。Youtubeに、たくさん映像が残されている。優勝した当時のインタビューに応じる12歳の声が本当にキラキラしている。選曲がBSが選びそうな曲やゴリゴリのCommon Praiseしていないところも特徴。その分、万人が楽しみやすい。結構、力量を要する選曲もあるが、この頃の彼の声質が愛らしすぎて、実力よりも愛らしさが目立ってしまった。少し声のトーンが落ち始めたときに聴いてみたい曲がさりげなく入っていて、今の声で、歌ってしまうのは勿体なさすぎると思ってしまう。ほぼ同じ選曲で数年後にもCDをリリースして欲しいと願う。
  ピュアでクリアで(何気に)高い声がきれいに伸びるのだが、小さな身体のせいなのか、伴奏をもう少し抑えてタイのような気がする。むしろ、ピアノかオルガンだけのシンプルな伴奏でも良かったかもしれない。伴奏の音量が強すぎて、ときにCormacの演奏を損なってしまう。
 この年代のこの声でこそ聴かせられる選曲もあるのは良い。声がきれいでどこまでも高い音を出すことが出来て、歌うことが大好きなのが伝わって来る。
 聴いていて心穏やかになるので、毎朝、このCDから順番に1曲ずつ、お目覚めアラームに指定したい。1曲ずつ選択すれば、どの曲の演奏も素晴らしいが、通して聴くよりは、思い出したように1曲ピックアップして聴くのが演奏の良さを実感できると思う。


チャールズ国王の戴冠式の聖歌隊2023年05月06日 20時22分30秒

 中継を見ていて感じたのですが、聖歌隊に女子が居る・・・と。ウィリアム王子のご結婚のときには気が付きませんでしたし、ダイアナ妃のご結婚のときには、セントポールの聖歌隊で、少年聖歌隊員にインタビューもありました。
 時代なのだな・・・と。

The Choir of Selwyn College, Cambrige2022年12月28日 12時50分32秒

 私が地上波で見るドラマは、ほぼミステリーとサスペンスだ。昨日、撮りためていたドラマ「なぜエヴァンズに頼まなかったか」を見たら、3話構成で、2話目のトップに、トレブルソロがあり、3話目のラストは聖歌隊の合唱で締められていた。ステキすぎる・・・。
 が、達者なソリスト君の名前がわからない。ソリスト君が余りにも印象が深かったのでトレブルと男声との構成の聖歌隊だろうと思って検索したら、(かろうじてクレジットに聖歌隊名を見つけた)おそらく(聖歌隊の名前からして大学生の)男女混声の合唱隊だったが、演奏はスッゴク良かった。いかにも、イギリスイギリスしていて。
 私は40年ほど前にもこのドラマを見ていたが、時代背景の違いか、今は昔と違って、主人公男子の友達役に有色人種設定されしかも良い感じで活躍している。
 主人公女子は、なんとなくイギリスと言うよりはアメリカっぽくて、あんまり貴族貴族していない。40年前の話では、自宅のお屋敷のお庭でくつろいでいるお父上の耳に飛行機の爆音が聞こえて来て庭に降り立ったかと思うとその飛行機からお嬢(貴族の)がバタバタと走り出て来ていた。インパクトは以前の話の方が大きかった。ケド、今回のドラマはトレブルソロと聖歌隊の合唱で優っていた。1月に再放送があるようなので、是非にAXNミステリーのチェックをお忘れなく。そして、トレブル君の正体をご存じの方は教えていただきたいです。CDが欲しい。

ボーイ・ソプラノ Archie White ~ 優雅で優美な正統派ソリスト2022年08月10日 12時02分27秒





 久々にイギリスのソリストの演奏を聴いて、殺伐とした日々を忘れて、心穏やかになりました。プログラムを見ればわかると思いますが、ペルゴレージ、ヘンデル、パーセル等々、日常から乖離した世界へいざなってくれる方々の作品です。これを Archie 君が聖歌隊ソリストそのままの、全く媚の無い、祭壇の前での如くの演奏をして下さる訳です。・・・癒されますよね。
 オーボエやハープシコードの鄙びた音色にも和みます。ブックレットに幼げな彼の横顔がありますが、制服姿はモードリン・カレッジ時代のものなのでしょうか。
 静かに慎ましく品位のあるソプラノを堪能しているうちに、あっという間に、演奏が終わってしまいました。聖堂に住み着いて聖歌隊を聴いていたいと願っていた時代もありましたが、その願いは叶わなかったものの、聖歌隊員スピリットのソロを、今、極東日本の田舎で、サービスを受けるがごとくに聴くことが出来て幸運でした。 Archie 君、翳りのある優美な演奏を聴かせてくれて、どうもありがとうございました。