最愛のボーイ・ソプラノ・ソリスト盤~NICHOLAS SILLITOE ニコラス・シリトー2008年09月14日 00時05分45秒

ON WINGS OF SONG NICHOLAS SILLITOE

ON WINGS OF SONG NICHOLAS SILLITOE(Treble)
Jeremy Brown(Piano) (EMI CFP 41 4475 1) 1984年録音

 B-Sとは何か? と問われれば、イコール NICHOLAS SILLITOEのこの1枚がB-Sであり、ボーイ・ソプラノの中のボーイ・ソプラノなのだと私は答える。
 余りに細く高く鋭い声ゆえに聴く方を緊張させ、ゆったりと和ませる種類の演奏からは離れているような気もするが、私の中では「少年の季節限定にこだわった盤」のB-Sとしては、世界最高峰の1枚であり、コレクションの中では一番大切な1枚である。

  彼の活躍した時代は、アレッド・ジョーンズと重なる。次々と録音を出したアレッドと比較するとシリトーのは1枚だけ(?)、なのはさびしい。
 癒し系に負けたかな、とも思うが、シリトーの細いが強さも兼ね備えたソプラノを、ベストな時代に劇場で聴いたら、会場の最奥まで声が通り、気持ちよかっただろう。

  この録音のプログラムも、B-Sソリストのソロ・アルバムとして、素晴らしい内容だと思う。シリトーのたった1枚の録音が考えられる限りにおいて完璧な1枚だったのはせめてもの幸運だった。

  プログラムで見る限り、聴いた後で、リスナーが幸せな気分になりうる曲構成になっている。
 しかし、シリトーの場合は、安らぎや眠りからは遠い声かもしれない。
 むしろ逆で、安穏とまどろんでいる魂を突き、不安を呼び覚ます。
 そこが彼の声の持つ大きな魅力で、かつ、その時代にアレッド・ジョーンズほど用いられなかった理由かもしれない。
 けれども、私の耳に、彼以上の印象度で現れたソリストは、未だかつていないのも事実だ。 

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 私は、シリトー盤には、ほぼリアルタイムで出会った。
 当時、余りに大好きで思い入れが深くて(それは今もだけれど)
そう多くの種類の声には出会っていなかったので、シリトーの声は
私の中では B-Sの標準だった。
 むろん、彼との勝負に勝った(?)アレッドの声も聴いていたけれど
私にとってはシリトー盤こそが「永遠」だったし、今もそうだ。

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