Lawrence and Francis Thomson sing Children's Hymns ~ 大手会社が製作した 兄弟による実に家庭的な 珠玉のアルバム2009年12月05日 18時07分55秒




Lawrence and Francis Thomson sing Children's Hymns
(EMI 7EGM  8821) 1962年9月、Winchester Cathedral で録音

12月になりました。クリスマス・シーズンですね。
何を聴いたら良いのでしょう? という訳でこのような録音を・・・。

イギリスという国は、B-Sファンをひきつけてやまない魅力に溢れていますが、これもその一因ともいえるレコードです。
大手のレコード会社が、こんな録音を残しているなんて、スバラシイ。

この兄弟、おそらく、スター・ボーイ・ソプラノではないんですよ。

無名の(有名なのかな?)兄弟が子どもたち用の?賛美歌を歌っているだけのアルバムなんですが、世間的には無名なるがゆえに、・・・普通っぽいところがすごく良い。

兄弟君たちの歌唱は、教会系の録音を多く扱っている(いた)レーベルでよくソロしていた隊員くんたちレベルのようですが、二人の声質が似ているので、声が重なると、ぐっと来るんですよね。

選曲が選曲なので起伏には欠けていて しかも地味なので、クリスマスといえばクリスマス商戦とか恋人と過ごすレベルでしかない向き(大方の日本人)には縁の無い世界かもしれませんが、クリスマスを祝う意味の素になったお方に思いをはせるには、最適の世界を取り上げた1枚です。

良い時代になったものです。極東日本に居て、その世界を味わうことができるのですから。

残念なのは、USEDで仕入れたために、盤が最初から傷ついていて、有名どころの Once in Royal David's City や Away in a Manger で針が止まってしまうこと。

でも、この盤は、何年か前にCHOIR友だちからコピーをいただいていたので、良しとしましょう。
道楽の世界での欲張りは禁物。際限がありませんから。

ですが、コピーでは届ききれなかった"何か"が実際の盤からは伝わってきたように思いました。

贅沢でわがままですが、私の(コピーではなくて) "実盤主義" をあらためて確認出来た1枚でもありました。

レコードでもCDでも、本物の盤で聴くのが一番です。

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さくらこさんへ。

好きな演奏者に出会えますように。

(私は曲ではなくて演奏者で聴いていますので・・・)

ボーイ・ソプラノ Harry Bradford ~ 2008 BBC Radio 2 Young Chorister of the Year の栄誉に輝いた少年2009年12月06日 15時28分17秒


 Harry Bradfordくん。
 2008  BBC Radio 2 Young Chorister of the Year の栄誉に輝いた少年です。
 
いろいろな意味において、環境が良さそうなところにお住まいなんだなーと。背景の緑がうるわしくイギリスらしい雰囲気ですね。


 イギリスって良いなあ。

 ボーイ・ソプラノのコンテストみたいなのがあって、優勝して、記念のCDを作って・・・。
 少年合唱や、ボーイ・ソプラノが普段の生活に溶け込んでいて、その膨大な裾野から、彼らは現れるべくして現れるんですね。

 この選曲を見ても、ボーイ・ソプラノCDの王道です。 これらをハリー君は、クリアで艶のある声で伸びやかに歌い上げています。子どもですが、歌唱上のテクニックもさりげなく使うんですね。
 栄誉にふさわしい実力あるソリストくんです。

 欲を言えば、バックが欲しい。
 彼のソロの実力に応じた聖歌隊が要所要所で、バック・コーラスをつとめてくれていたら・・・より無敵の1枚になりえたでしょう。

 蛇足ですが、ハリー君の声質は、ステージでも映えそうです。もちろん、コンサートが行われたら、日本人受けするまっすぐ青竹系ソリストくんタイプです。

少年合唱で演奏されるシューベルトの「アヴェ・マリア」が収録されているCDを探しています2009年12月11日 00時47分32秒


はじめまして。

実は「シューベルトのアヴェマリアで少年合唱のものが収録されているCD」を長く探しています。

ネットでかなり丹念に探しているのですが、どうしても見つけられません。管理者様は大変、お詳しいようなので、もしご存知のことがございましたらご教授願えましたら幸いです。

ウィーン少年合唱団のCDを2枚聴いて、とても感動しました。シューベルトのアヴェマリアも聴けるのですが独唱のみで、是非、合唱を聴きたいと切望しています。(koharu)

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koharu様

http://www.pascalmore.de:80/Info/i-EEscorial3.htm

このCDのシューベルトのアヴェ・マリアが合唱らしいです。
私は聴いていませんが、お知らせくださった方がいらっしゃいます。
私自身は「合唱だ」と断定できませんが、よろしかったら購入して聴いてみて、ご感想などお寄せください。



koharu 様、お便りをどうもありがとうございます。

探したのですが、見つけることができませんでした。
上記のカバーのCDは混声のようです。

昔、東京少年少女に、いろいろな作曲家による「アヴェ・マリア」を演奏したLPがありましたが、もしかしたらそれに入っているかもしれません。

という訳で、koharu 様が探しておいでのCDに心当たりがある方は、演奏者・レーベル・番号を、コメントにお寄せください。

どうぞよろしくお願いします。 Nyanda

ボーイ・ソプラノ MICHAEL CRISWELL ~ 深い森、清らかな小川・・・シェークスピアの時代を想起させるトレブル2009年12月12日 23時56分31秒



Music For Treble & Consort (Abbey LPB 762)
P.1977

どちらが先だったのかもう覚えていないが、私は1980年代に1つの曲にとりつかれていた。
ディガ・ディガ・ディン(It was a lover and his lass (Morley))に、である。

もしかしたらNHKで放映されたBBCのシェークスピア劇場の「お気に召すまま」で意識したのが先、だったかもしれない。
(そのBBCで歌っていたのが実はポール・フェニックス)

このCRISWELLのディガ・ディガ・ディンは、当時、仲良くさせていただいていた某氏がカセットにコピーして送ってくれたものの中の1曲で、原典はずっと謎のままだった。

私にとっての80年代のひとつのキーワードがシェークスピアの音楽。
BBCの放映を見ていたのとキングスカレッジの82年の演奏を聴いたことに拠っている。

この盤の声は、BBCシェークスピアに浸っていた頃を彷彿とさせてくれる。
リコーダーやリュートに似合う声、自己主張しない声。

BBCで見ていた深い森や、緑の野、小川、冷たい石の城が目に浮かぶ。

CRISWELLの声は、ポイントになる音(音符)を微妙に歌い潰し(という表現が正確かどうか自信は無い)、ホント伸ばすのが大変なんだよね~的に、音を伸ばすのが「味わい」になる不思議。

音を出し惜しみしている木管楽器みたい。
スッキリしないところが癖になりそうだ。


ボーイ・ソプラノ Michael Caldwell ~ アメリカ 中流家庭のクリスマス2009年12月13日 16時28分12秒



Christmas (LM0701MC) 2007

クリスマスが近いですね。

こちらは、USA。
豊かそうなお宅の、お育ちが良さそうなお坊ちゃまトレブルくん。

ふにゃっとした歌い方を聴いていると、心がぐにゅーっと、甘く とろけていきそうになります。


紙製のCDカバーには、彼の写真がいっぱい・・・。

野球のユニフォーム姿からは健康そうな少年の日常も垣間見えますが、ご自宅のアンティークっぽいピアノや、火が燃え盛る大きな暖炉、皮表紙の本、銀の燭台等々、大人になったときに写真を見ているだけで、周囲の大人たちに大切に育てられた、トレブルくん自身の幸せな少年期を思い起こさせるような雰囲気に溢れています。


・・・伴奏も、コンサートやコンクール系ではなくて、古っぽいって意味のクラシックで穏やかなんですよね。

ピアノの音は、演奏系いわゆるスタインウェイっぽくなくて、アンティークっぽいのが家庭的なクリスマスを演出しているようです。
(決して演奏力も使用されている楽器も家庭的レベルの演奏ではないのですが)

さてこのトレブルくん、強烈な個性を売るタイプではありません。
育ちの良さが演奏にも表れたかの如くの素直な歌い方をしています。
コンサートを重ね表現を意識したプロではないので、変な「臭さ」がなく、幸せな気分で聴くことができます。

「○○さん宅の○○くんの声は、もう本当に天使の歌声ですのよ。今度、教会で、クリスマス・キャロルや賛美歌を聴かせていただきましょう」的な雰囲気の中で自然に育てられた「声」なんじゃないかと想像してしまいます。

伴奏、CDカバーの写真、何よりもトレブル君の演奏から伝わる空気感が、クリスマスの幸せを味あわせてくれる1枚です。

ボーイ・ソプラノ HEINTJE ~ 無邪気で健康で伸びやかな少年時代をイメージする声2009年12月19日 18時08分38秒



HEINTJE ●GOLDEN SUCCESSEN (CNR 447.026)

竹宮恵子氏著「鏡の中の少年たち」で知ったハインチェ少年。最初に聴いたのは、ドイツから戻ったCHOIR友人からのコピーでした。

声量ある力強いソプラノで浪々と歌い上げる彼、ハインチェ少年。
ちょっとくぐもったどこか魅力的な声で、ハミングさえもキュート。

合唱団員の演奏ではなくて、プロ歌手の演奏ですね。
今まで聴くことが無かった曲が多いですが、曲想が、彼の声のように くったくがなくて 明るいです。

その中にロベルティーノでも聴いたMAMAがあり、又、後年、他のソリストも取り上げるDROOMLAND(たぶん)がある。

当時は大人気だったようですが、聴いていて「晴れ晴れしてくる」感じ、曇り空がぱーっと晴れていく感じが良いのかな、と思いました。

とにかく、声が出ています。

YOU TUBE で ドン・コサック男声合唱団と共演する彼の声と姿を楽しむことが出来ます。
その中に「夕べの鐘」(だったと思う)という曲がありますが、昔、私がコサックの合唱で聴いて一番好きだった曲、今でも好きな曲です。

聴いてみてください。

音羽ゆりかご会 扉を開けて 創立65周年記念アルバム ~ そこにあったのは、上質な木管系の歌声2009年12月23日 14時23分00秒



音羽ゆりかご会 扉を開けて 創立65周年記念アルバム
(Sony Records SRCL 4363)
クリスマスも近いですね。

きょうお誕生日の方、おめでとうございます。
ご健康でお幸せな日々をお過ごしください。

 子ども時代、児童合唱団に入りたいとあこがれつつTVで子どもの合唱団を聴いていました。が、「ゆりかご」の番になるとホッと一休み、というか緊張?がとけたもの・・・。入りたい合唱団ではなかったので・・・。

 金属音的に張り詰めた子どもの「幼なすぎる」声。・・・イメージに残っていた「ゆりかご」の合唱でした。
 それが、今回、聴いてみてビックリ!
 シャープに聴こえることはあるけれど、清潔で洗練された超木管系で、完成度の高い表現に聴こえました。もちろん、機械を通して録音された音を聞いているわけだからそこに「加工」は入っているんでしょうが、いやらしさは全く感じません。

 何よりも驚いたのは、キンキンキラキラ金の粉だけの声だと昔思い込んでいたのが、金粉の輝きは残しつつも、究極の超木管系に変貌した如くに聞こえること、です。

 ソリストがほぼ、癒し系の「貧ちゃん」声。(「NHK教育TV「おじゃる丸」のエンディングテーマを歌っていた神様の貧ちゃん)

 昔のイメージと特にソロが違いすぎたので、呆然と聴いてしまいました。
 合唱は「ゆりかご」。
 専門的なことはわかりませんが、音を鼻から抜くときにテクニックを感じてしまいます。

 ソロを聴くとやさしい気分になってしまう・・・。
 
「ゆりかご」を侮る無かれ。です。
 この子達、国内の他の合唱団よりも腹筋が強いですよ、きっと。
 これはイートンとともに借りたCDでしたが、どちらかというと、「ゆりかご」の方が魅力的。

 カバーになっている古い写真も良いですね。ソリストの名前があるのも良いです。
 ここのソリストはたぶん全員がかなりのレベルにあるように思います。アルバムのイメージが時代的に古い感じがするのは、「精神が健康だから」かも。
 とにかく、きちんと活動が続いていて・・・なつかしくも、嬉しかったCDです。
 2002年頃、男性歌手でヒットした「 15.大きな古時計」も、貧ちゃん声(もといゆりかご会)のソロできくと、より曲の味がジワ~っと染みてきます。

 子どものころは意識して聴いたわけでもなかった「ゆりかご」のCDをいろいろな合唱団を聴いた後で、あらためて聴きたいと思う日が来るとは思ってはいませんでした。