パリ木の十字架少年合唱団~歴史的録音の響き 12019年02月15日 16時33分35秒



 老化するにともない耳が退化している。1999年にCDからレコードにシフトしたが、去年あたりから、さらに78回転盤に・・・。ピッタリ来てしまった。この盤は、たぶんSP盤の復刻。実際にSP盤で聴くのとは微妙に音が違うが、CD盤でも雰囲気は伝わってくる。合唱もソロも落ち着いて大人っぽく聴こえてくる。
 収録曲のうち数曲はSP盤でも聴いたが、合唱やソロの技術以前の個性やハートが素のままに表現されていて伝わってくるものが多い。
 今は情報がワールドワイドになってきて、合唱技術もワールドワイドになってしまって、少なくとも80年代初め頃までは個性が際立っていた合唱団ごとの演奏も、平均的に上手になってしまった・・・。必ずしも技術が素晴らしかったとは断言しかねるけれど、個性ゆえに求めて聴くこともあるので、歴史的な録音が時代の空気とともに再現されるのは嬉しい。この頃のパリ木のソリストはソプラノというよりもアルト寄り。時代故なのか、低めのソロが不安や悲哀を醸し出す。

鈴木賢三郎の「星の王子さま」収録ゆえに燦然と輝く価値あるCD2019年02月20日 12時58分17秒



aoba.s 様、おかげさまで、CDを聴きました。教えて下さってどうもありがとうございました。

 「プチ・フランス」は、1978年から79年まで朝日放送で放映されたアニメ「星の王子さま」のオープニングに使用された曲で、フレーベル少年合唱団の鈴木賢三郎くんが歌っています。残念ながら私が住まう地方で朝日系列が開局したのは1980年だったのでリアルタイムではこのBSを見落としました。だから初めて聴いたのは、80年代。私に日本のBSの素晴らしさを教えてくれたCHOIR友だちの一人からのコピーでした。
 鈴木君には、一つ一つの音符に切ないような懐かしさを感じてしまうのです。音の一つ一つが丸く温かく美しく気高くやさしい。なんだかハスキーで鼻に詰まるような癖があって、思い切りが良くて、だけどだけど・・・近いようで、遥か遠くに存在する手の届かない「聖なる存在」。彼のボーイ・ソプラノからは、人間の存在を肯定する気持ちや「良心」の存在を信じたくなるような何かを感じました。
 数十年後、今世紀になってから、この「声」を持って居たくなってアニメのDVDを買ったり、レコードを手に入れたり・・・。でも、アニメのDVDには歌はフル・バージョンでは入っていないし、USEDで入手したEPは傷だらけ・・・。それがCDで無傷の音源入手。嬉しくてDISC2-8のみリピートして聴いています。ちょっとCDっぽい平坦な音に聴こえるような気もするけれど気のせいでしょう。
 鈴木賢三郎さんの「星の王子さま」の演奏には命の永遠が宿っていると感じます。CDにしてその命を再販してくれてどうもありがとう。感謝です。

ボーイ・ソプラノ Sebastian Carrington ~ 才能を認められた少年の今2019年02月22日 14時15分43秒



 検索した写真の中に多くのトロフィーの前の少年が居た。様々な賞を受賞するような才能に溢れ、音楽的な素養も確かな少年。選曲、歌唱等、確かに普通の少年ではない。が、このCDは声のピークが過ぎたあたりの変声直前の録音ではないかと思う。技術は十二分にあって譜面通りに歌えているのだろうが、なんというか、声そのものがものたりない。半年とか3か月とか前倒しで録音してくれていたら、もっと豊かで幸福な声が残せたのではないかと思うと残念でたまらない。想像力を掻き立てられる演奏だけにB-Sファンとしては欲が出る。

ボーイ・ソプラノ Ludwig Mittelhammer(テルツBC)~声の輝き2019年02月23日 12時10分57秒



 今はバリトンとしてクラシックやオペラで活躍するLudwig Mittelhammerがテルツ少年合唱団時代に録音していたソプラノです。テルツと言えばお定まりの強靭な喉、輝くソプラノがお約束。「地に平和を:平和音楽」と訳すのでしょうか。とにかくとにかくものすごく出ているくもりのないクリアで強いソプラノが印象的です。Thomas Neumeierくんも良いですね。
 このテのカバーは見逃しがち。私はsounds'LibraryのWingさんの紹介文を読んで興味を持ち購入に至りました。聴く価値のある演奏だと思います。