ボーイ・ソプラノ Timothy Lanigan ~抜群の安定感と女声的な落ち着きとキレイな声の伸び2017年01月05日 15時14分12秒



  Timothy Laniganくんは、コンテストで優勝したり、コンサートでソリストをする等、相当に活躍した少年のようです。ですが、日本ではほぼ無名状態。トレブルの世界の拡がりと奥深さを感じます。
  the Sixth Dayというタイトルですが、アタリを付けて創世記を見たら、6日目というのは、神の形に似せて人間が造られた日、なのですよね。
   神と違って万能ではないけれど、地上で神の形に一番近い生物として、生まれたことを感謝し神にいただいた人生を初々しい気持ちで謳歌しなさい、ってことですかね。
    さて、Timothy Laniganくんは、釣書通りの実力派。支えるオーケストラもプロ級です。ですが、私が聴くには女声に傾いているようにも思えます。もしかして一人女声が参加しているのでしょうか? デュエットなど、モロに女声を感じます。女声的な安定感にも、本当にボーイ・ソプラノ? とか斜めに聴いてしまいそうです。女声っぽいテイストとはいえ、雌鶏系でもないので、このソリストくんは需要があったことでしょうね。ん~、Naoさんの感想を聴いてみたいところです。聴いている今も、少年声か女声かって、わからないなあって。音の始まりは少年声ですが、フレーズの真ん中あたり音を伸ばすところなんか女声と勘違いしてしまうのです。昔、Abbey系の教会LPを聴きながら、ソリストをボーイかガールか判別できなかった盤のときみたいです。
  ですが、数曲目ともなると、この声は、ボーイ・ソプラノでしょうね。抜群の安定感と落ち着きとキレイな高音の伸びが若い女声と錯覚してしまいました。 ・・・少年の声の無垢さとは私が持っているとイメージと違いますが、キレイ過ぎる歌い方。6日目に造られた人間も、Timothy  Laniganくんの声のように最初はキレイなハートだったのでしょうか?
 Hetsujiの好みとしては、たとえどこか壊れていても、青竹系の真っ直ぐな冷たい声が好きなので、好みのテイストからはちょっとずれますが、この表現力は素晴らしいです。完璧なソリストなので、本当に男の子なのかどうか、映像で歌っているのを見てみたいと思いました。
 男声アルトが入っているようなのでTimothy Laniganくんだと思った声がアルトで、女声だと勘違いした声がとうのTimothy Laniganくんなのかもしれません。静かな旋律の多い盤でした。・・・ん~、この期に及んでも、やはり女声に聴こえてしまいますね~。



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あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。11月15日以来の更新になります。聴いていなかったわけではないんです。更新するのが面倒だっただけで。

12月1日までに聴いた録音。

1月1日までに聴いた録音。


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です。sounds'Libraryの方は、月に1度は更新しておりますので、サイトの方もどうぞよろしくお願いします。

ボーイ・ソプラノ Mark Donnelly ~ 硬度の高い原石が、磨かれて磨かれて、最高のカッティングで響いて輝いている声2016年11月01日 12時20分02秒



 前作Hallelujah Handelでの、不完全燃焼感を払拭してくれる出来栄えのCDです。カバー写真には似合わないほどの正統派クラシックです。何故に、このような映画っぽく楽しい写真に? 内容的には、聖歌隊のカソックにメダルの1個か2個をぶら下げて、大聖堂を背景にしたカバーが似合う演奏なのですが。もしかしたら、プロのソプラノやテノールのCDと比較しても遜色なく、「ボーイであること」の域を超えた演奏かもしれません。例えるなら、セバスティアン・ヘニッヒとか、バッハ大全集で活躍したボーイ・ソプラノたちの後継にも思える演奏です。伴奏や指導者も在ると思うのですが、指導の良さもヒシヒシと感じます。音楽を学んだ結果の演奏です。大全集のソリストたちとの違いは、「艶」かもしれないです。どこか、華やかに輝く声なのです。
 1年前の原石が、磨かれて磨かれて、最高のカッティングで輝いている、感じです。
 もう一つの顔として、トップトレブルとしての自信と責任も負った演奏だとも思います。まだ若いトレブル Nicholas くんとのデュエットにも、それを感じます。
 Markくんは、やわらかく優しく変貌を遂げました。その響きたるやボーイ・ソプラノの神髄とも言えましょうが、1年前の硬質感が出ていた頃の声も私は好きです。Markくんは、そのときどき、声の変遷が理想的だった幸運な少年だったのでしょう。

 ものっすごーく時間をかけて、ようやく入手したCDなのですが、これは、子ども向けの音楽ドラマで、ターゲットのMarkくんは、登場人物の一人Thomasくんとして、歌うだけです。全面的に彼の演奏と信じて購入したので、失望感が・・・。出だしが馬の嘶きでしたから。
 ですが、数少ない 彼のソロは、ボーイ・ソプラノ・ソロの醍醐味とも言えるピーンと張りつめた糸を弾いたときに出るクリアな輝きの声で、その繊細な細さ、高さ、振動が、素晴らしかったです。(わりあい、活躍の場はあるものの、ナレーションとか・・・歌に被さって欲しくなかった・・・です。)
 音楽物語として繰返して楽しむのでしょうか、この話。
 季節とか子ども時代のある時期に必ず聴くような定番の物語なら、このクオリティで作られたのは素晴らしいことですが、その場限りならMarkくんの歌声は本当にもったいないと思います。Markくんのソロだけで十分です。そういう録音が欲しかったです。時期的にも良かった時の声だと思いますので。  

ボーイ・ソプラノ POP ルネ・シマール ~ 待ちわびた復刻2枚組CD2013年06月01日 12時04分53秒


ルネ・シマール ゴールデン☆ベスト リミテッド(DYCL 362~3)
やった!やった! やっと、手に入れました。今、届きたてのホヤホヤです。
しつこく2度目の復刻を信じて待って良かったです。テルツの復刻盤は音がイマイチだと聴いていたので、どうかなと心配したのですが、それなり音源管理は悪くなかったようで、聴き始めたら、一気にルネ・シマールの世界に浸ることができました。やはり、ルネって、私には特別な存在で時代の思い出に刻まれた歌い手だったのだと感じました。昔、来る日も来る日も聴き続けた声です。初めてお小遣いで買ったLPがパリ木74とルネでしたから。
子どもの声ですが、どこか時として物憂く暗いフランス語(日曜日の午後)も記憶通り。小さな生命では、ルネの声に合わせて訳のわからないおフランス語を言えてしまうのですから、当時のファン(Hetsuji)ってきっとこんなふうにルネの歌の世界にのめりこんでいたのでしょう。
ルネの声にはCDという媒体もマル。大好きだったけれど、一気に駆け抜けたファンとしては75年以降の曲はあまり知らなくて、収録された曲には初めて聴く曲もあり、楽しめました。日本で発売されたCDでもあり、国内での曲が多く網羅されているのもポイントが高いと思います。構成(曲順)も良くて飽きさせないようになっています。カナダで発売されたルネの復刻CDと比較しても遜色ないというか、日本人にはルネのCDとしてこの盤が最高だと思います。

ボーイ・ソプラノ Norman Smith ~ 聖歌隊の香りを内包した表現者2010年09月25日 16時30分41秒




  LPは、聖歌隊に関係しない普通のボーイ・ソプラノ・ソリストとして聴くと、ふつうに素直に「Maman」が好き。

 Choirのコンサートのメイン・プログラムに入る曲じゃないかもしれないけれど、例えばパリ木のコンサートのアンコールで小さい団員にしみじみと(でもサラッと高い声で)歌って欲しいような。

 LPの方、曲によって声の雰囲気が違うような。若く(幼く)聴こえることもあるし。


 シングルカットされているのは、どちらもLPのA面から+。

 LPのA面は、B面までほどには世俗の度合いが微妙に高くないし、EPでは、聖歌隊系の香りを残しつつ、ガチガチの宗教系録音じゃないところの、この少年の良さを伝えたかったのかな。と思う。


 カバーのSopranoのSがト音記号?になっていたりEPではSmithのiの上の方が音符だったり・・・製作者のこのボーイ・ソプラノへの想いが伝わってきそう。 

 もちろん、聖歌隊のソリストとしても、ステージ上のソリストとしても、どちらでもOKな資質。
 まろやかでのびやかなで解放された自由な声。声を自在に操るテクニック。声はボーイでも、子守唄では、ほのかに母性まで感じさせたりして・・・。

 彼もまた、時空に名ソリストとしてその存在を刻まれる一人だと思う。

ボーイソプラノ Timothy Lanigan / Evening and Morning:the Sixth Day ~ ボーイソプラノの国カナダの お手本的合唱団員2010年02月06日 20時48分06秒





2005(CHM050720)

あまりに印象的なカバー写真であったため、聴きたいと思っていたCD。・・・ティモシーくんが持っている地球も欲しい。(おじゃる丸の宇宙人親子みたいなセリフだけれど)
腹筋も強いらしく、きちんと自分の声をコントロールできるクラシック系のソリストくん。丁寧に歌っているところも好ましい。
この盤は2005年に出ているけれど、2003年には合唱団がイギリスへ演奏旅行していて、そのときにソロを担当していたようなので・・・聴いてみたかったなあ、その頃の声も。
でも、この録音時の声はピークを過ぎている声ではないようです。
シンガーではなく、あくまでもソリストとしてベストな演奏にも思えます。
伴奏も、時に彼と共演する大人の声もいい感じ。
新大陸系というよりも、演奏旅行に遠因があるのか、選曲もイギリス的。柔らかいけれど、どこか声の芯に残る硬質な部分が女声ではなくてBSであることを感じさせてくれます。・・・静かな1枚、聴いていると穏やかになって行きます。

ボーイ・ソプラノ Alex Birnie アレックス・バノレニー (Calgary Boys Choir カルガリー少年合唱団) ~ ウィーン少年合唱団以前の録音2009年01月17日 21時34分36秒

Alex Birnie (Calgary Boys Choir カルガリー少年合唱団)

Heart Ascending/The Calgary Boys Choir
(指揮:Gerald Wirth/20180-B) 1998年

ウィーン少年合唱団の来日ソリストであるAlex Birnieくんの、カルガリー少年合唱団時代の声が収録されている。

で、指揮がGerald Wirth。
選曲もだが、アレンジが特にも、斬新。WSK以前に、ここで冒険済み?

Stabat Materが余りに普通すぎて普通に聴いてしまった。
可も無く不可も無し、という感じ。
きちんと歌えています。彼もカルガリー少年合唱団も。
私はウィーン少年合唱団時代よりもここでの彼の声の方が好きだけれど、こころもちここでの声の方が繊細に聴こえるような気がするからかもしれない。

加えてGerald Wirthアレンジ?のオペラ「星の王子様」付き。
彼、(Gerald Wirthですが)WSK以前に
カルガリーで、したいことは試したんじゃないだろうか?

また、その試みにバッチリ、Alex Birnie くんが実力で応えた、んでしょう。
そういうCDです。

ST.MICHAEL'S CHOIR SCHOOL /声量タップリでフルパワー&サラサラの清涼系2008年11月23日 10時33分12秒

ST.MICHAEL'S CHOIR SCHOOL

THIS IS THE DAY / ST.MICHAEL'S CHOIR SCHOOL (SD 6638)
CHOIR AND ORCHESTRA CONDUCTED BY REV.T.B.ARMSTRONG

 性懲りもなく、またもやカバー写真にグラッと来て購入したLP。構図と男の子たちの笑顔とエクボが良いんだもん。真ん中の子は幼かりし頃のクナップみたいだし。

 演奏は、薄味カナダだし、写真のお子たちは苦もなく幸せそうに若いし、あんまり期待をしてはいませんでした。(偏見)
 届いてプログラムを見たら「天使の糧」がテノールソロ。カワユイ看板に偽り有りじゃない?と益々落胆。

 し・か~し! 一声、聴いて、今までのカナダ系CHOIR等への閉塞感がぶっ飛んだ。上手下手じゃないのよ。ハ~トなのよ。フルパワーでガンガン押すというその気持ちが嬉しい。
 ソプラノくんたち、テノールと互角な演奏でしかも声質に可愛らしさバッチリ。幼げなソロくんも声量タップリでフルパワー。とにかく各パートがこれでもか!ってくらいにパワー全開で、聴いていて泣きたくなるくらいに清々し過ぎる。しかも声質はサラサラの清涼系。これが本当にカナダのCHOIR?(偏見2)

 変声後の低音パートも、全面に立つソプラノ&アルトくんたちのバックからなんとなく遠く奥ゆかしく、でも同等の清々しさで薄く拡がって聞こえてくる。メインの坊やたちを見守る雰囲気があって、これ、なんだか良し。

 ところどころで華やかに活躍するソプラノソリストくんたち(一応複数形?)は、細かいところに目を瞑ると、声は幼いが、自然体で伸びやかに歌っている。ソリスト君のバックアップ体制も万全。合唱も実に自然体。聴く私も全く緊張感はなくて、かなりリラックスしてしまった。

 このテイストは今まで聴いてきたカナダでもアメリカでもなく、どちらかというとヨーロッパに近いけれど、イギリスでもドイツでもなく、まさにST.MICHAEL CHOIR SCHOOL のテイストなんだろうな。 

 「 3.L'Arche HymnBS solo」でソプラノとバリトン(?)のソロが聴けるけれど、息子に応える父親の雰囲気。
 ソプラノの声質の幼さ(ソリストとしての若さ)と、幼さ故の一途さに、聴いていてこみ上げるものがあった。 

 「4.The Lord's Prayer」も演奏に求心力があって感動的だった。

 「 6.The Holy CityBS solo」は、もう少し年かさのソリスト君で(でも若そう)、クリスマス曲とか宗教曲とかではなく、映画を見せる如く、起承転結を付けて、ドラマチックに歌いきった。見事としか言いようがない。