ボーイ・ソプラノ ビクター 少年合唱隊 ソリスト集「過ぎゆく時と友だち」~ 日本のボーイ・ソプラノ&少年合唱史上 永遠不滅のレコード2009年08月14日 09時21分02秒

ビクター少年合唱隊

過ぎゆく時と友だち/竹宮恵子 (Victor KVX-1058)

 竹宮氏は制作日誌にこう記している。

 「私の”作品”を音楽化させるのは難しいが、私の好きな世界”少年の歌声”とレコード作りを結びつけるのは、たやすいことだと気がついた。そういえば日本には少年歌手という存在が見あたらない。欧米では・・・略・・・日本の男の子にカンツォーネを歌わせてみよう!・・・略・・・どこまで歌い込めるか、に挑戦させるんだ」

  制作者の遊び心にビクターの少年たちが応えたLP。今、聴いても、Treble Soloのアルバムなんて、良く作ったなあと感心する。

 ガラスの迷路では繊細で壊れやすい、それこそガラスのソプラノだった久世君が、時を経て、線も太くやさしく甘く安定し、ピノキオへの手紙を歌い上げた。

 ちょっとないハスキーな声の古賀君、ソプラノらしいソプラノの河村君、声に包容力がある日向君、溶けそうなほど柔らかい声の加藤君、とそれぞれが適材適所で歌っている。

(以上、 2000/01/23のメモより)

 今更ながら、の1枚、かもしれない・・・。

 だが、よく歌っているなあ、と今、リアルタイム(P.1979)で聴いたとき以上に感じてしまう。

 ときどき、聴こえる背景の少年合唱も素晴らしい。

 これだけの少年合唱団が消えてしまった(スミマセン 姿を変えてしまった)ことが、本当に残念でならない。

 1枚のレコードの中に、訓練の行き届いたいろいろな声のボーイ・ソプラノが収録されていて、ゆったりと曲を楽しめて・・・しかも日本語で。ものすごく贅沢だ。

 一人一人のボーイ・ソプラノが卓越しているのはもちろんなのだが、たとえば「グリーンスリーヴス」で日向理くんを支える少年合唱団が、今はもうなかなか出会えない音「少年」合唱団の響きに思える。

 このレコードが出た前後は空前の?ビクター少年合唱隊ブーム。

 ファンクラブにも入っていて(たぶん)ファン友達もいて、私もまた、その恩恵を受けたクチだけれど、当時は「VBCが在ること」が当然だったので、世界中に存在している少年合唱団の一つとして漠然と聴いていたに過ぎなかった。
 (あ、VBCってVictor Boys Choir のことで、ウィーン少年合唱団じゃないですよ)

 超コア、超熱心なファンは巷に密かに存在していそうだけれど、極端に需要が少ない「ボーイ・ソプラノ」「少年合唱」というジャンル。

 お金になりそうもないから仕方ないのかもしれないけれど、天使のハーモニーシリーズも含めて、これだけの録音を残した「ビクター少年合唱隊」を失ってしまったのは、かなりの文化的損失だ。

 ゆえに、このような華々しい録音を残した「竹宮恵子」氏の手腕に、感謝あるのみ。

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