ボーイ・ソプラノ 艶消ししてなお、出てくる一瞬の艶 ~ boys air choir2016年07月08日 09時23分46秒



(ビクターエンターテーメント(株)VICP-61999)(P)2002

 リアルタイムもしくはそれに近い形で購入したCDです。当時、新譜を聴いたChoir友だちからTristan Hambleton、良いよ~、と聞いた記憶があります。でも、私はこのCDを、もしかしたら聞いていなかったかも。或いは無感動に聞き流したのかも。というのは、当時、boys air choirは次々とリリースされたので、私は気持ちがいっぱいいっぱいで、聴くことに疲れていました。それと、今回あらためてCDを聴きなおすために、ライナーノーツを開いたらメンバーたちのサインが在ったのですよね。ギェッ・・・このCDを送ってくれたChoir友だちがサイン会に行ってくれたのだと思いますが、私、お礼を言いましたっけ? 恩知らずの私はサインのことすら、全く、覚えていませんでした。早速、メールしないと・・・。
 今回、このCDを聴いて思ったのは、それぞれの所属の聖歌隊で教育を受けた少年たちは歌うときに必要な素養が備わっている、ということです。自分たちで完璧にアンサンブル出来る実力があります。これでは、日本人制作サイドは楽だったことでしょう。それと、もしかしたらコナーの作品?の曲も良かったです。
 メインのTristan Hambletonのコンディションは、私の耳には、数時間か数日か数週間か声のピークを過ぎかけたように感じるのですが、そのピークを過ぎかけた声の味わいがものすごく訴えてくるのです。ピークを過ぎたとは、失礼な感想ですよね。だって、音量は十二分に安定しているし、声の湿り具合と艶消ししてなお、出てくる一瞬の艶にゾクゾクしますもの。Tristan Hambletonの演奏は、深いところから表現しているように聴こえてきます。今回は伴奏もそれほど邪魔をしなかったと思いますし、声そのものもマイクに近く、ナチュラルっぽくとらえられていて、好感度も高いです。私のお薦めは、 05. エヤ・マーテルTristan Hambleton, Dominic Collingwoodです。二人の錬られた声の絡み具合が官能的ですらあります。聴きましょう! 
  07. 久しく待ちにし William Bulteel(verse 1), Benedict Copping(verse 2),Erizabeth Burrowes(verse 3), Henry Neill(verse 4), Thomas Crow(verse 5)では、聖歌隊員それぞれの声の個性を楽しめます。それぞれに良いです。コナー家の女の子も、記載が無ければ、女の子とは気付かなかったことでしょう。
 Tristan Hambletonは、声の表情を変えますね。曲ごとの録音の時期を知りたいものです。08. スターバト・マーテルのときなど、オーボエ木管系感に溢れていました。この曲だけではなくて、このCDの時のTristanの声は、まさに聴かせ時の声で、出来たら、いろいろと録音しておいて欲しかったです。普通のクリスマスモノやボーイソプラノもの、果てはポップスまで何でもイケたことでしょう。11. 来れ、つくり主なる聖霊の最後はアーメンですが、普通にバラード的に聴くことが出来て相当に和みます。
 リリースされてから14年も、この盤の良さを知らなかった私ってバカじゃないですか? 入手した盤はしっかりと聴くことの大切さを知らされた1枚でもありました。

ボーイ・ソプラノ boys air choirの精神的支柱 ~コナー・バロウズ Connor Burrows2016年07月08日 10時26分16秒



Memories best of boys air choir (VICP-62103)

 これは、ただただアルバムカバーのコナーのサインが嬉しかったCDです。Choir友だち経由で入手しました。フルネームで文字が顔にかからないように書いて欲しかったかもですが。正直言うと、サイン入手だけでかなり満足して、CDは聴いていなかったです。
 今、聴いても、コナーは格が違います。このコナーの存在感がboys air choirの精神的支柱であり、存続の牽引力であったのだと思います。もちろん、エドワードのスター性やパトリックの親近感、アンドリューの聖歌隊員独特の正統性(意外と無個性に聴こえたりします)など、コナーに続くソリストがいたから、グループは存在したのでしょう。上手ですしね。曲はどれも良いですし。でも、コナーは別格ですし、その声に対峙する、そのときの合唱も緊張感が違います。
 そして、コナーを聴くと、ジワ~ッと泣けてきますよね。クリスマスでもない、この真夏に。
 コナーから始まったboys air choirのソリストの歴史を振り返る1枚です。メンバーにおけるソリストの立ち位置の変遷が垣間見える1枚でもあります。