ボーイ・ソプラノ DOMINIC MARTELLI ~ やわらかく自然にやさしげに ― 2016年08月02日 09時21分53秒
LEONARD BERNSTEIN CHICHESTER PSALMS (hyperion CDA66219)
Recorded in the Church of Saint Jude-on-the-Hill,Hampstead London, on 16.17.20. May 1986
DOMINIC MARTELLI boy soprano
RACHEL MASTER harp
GARY KETTEL percussion
THOMASTROTTER organ
CHICHESTER PSALMS
1.Psalm 108, verse 2 - Psalm 100(Maestoso ma energico)
2.Psalm 23, verse 1-4 - Psalm 2, verse 1-4 Psalm 23, verse 5,6 (Andante con moto, ma tranquilo)DOMINIC MARTELLI
3.Psalm 131 Psalm 133, verse 1 (Prelude - Peacefully flowing)
CORYDON SINGERS
MATTHEW BESTconductor
4.AGNUS DEI (SAMUEL BARBER)
5.IN THE BEGINNING (AARON COPLAND)CATHERINE DENLEY mezzo soprano
6.THREE MOTETS (AARON COPLAND)
CHICHESTER PSALMSは、(実際はどうか知りませんが)男声と少年声による合唱というよりも、男女の混声に聴こえます。女声っぽくつややかな少年声ってことでしょうか。採録や演奏は、もしかしたら、ちょ~っと雑かも、です。でも緊張感があまり無いので、ゆったりと演奏を楽しむことが出来ます。CHICHESTER PSALMSは、キャロルの祭典等と抱き合わせで1枚のCDになることもありますが、・・・元々、この曲、私は苦手かも、です。なので、演奏に難があるわけではないですね、たぶん。
DOMINIC MARTELLIくんは、収録曲の2番目で長いソロを受け持っています。歌い方は、自然体で、必死で頑張らなくても普通に歌えているみたいです。3曲目のソロの方が、艶を感じたかな。(一瞬、18歳くらいの若い女声かと思いました)
合唱は4番以降の方がまとまっていると感じました、と書いたところで、悲鳴のような女声の?ソロが・・・。高音パートが洗練前で多少汚いかも、です。私の耳の好みの所為でそう聴こえます。部分的には男声など、やさしげに聴こえることもありましたが。女声ソロの活躍する5番が15分と長くて、それだけでめげてしまいます。いえ、決して下手ではないんですよ、メンドリさんなだけで。メゾのソロも少年声で出来たら、私には良かったのですが、そういう発想には至らなかったのでしょう。合唱もソロも気持ちよく声を出していました。(昔、レーゲンスと共演した合唱団も気持ちよさそうにffでメサイアを歌っていたなあ、と思い出しました)
割合、親しみやすい合唱で、だったら、ソロは全部、DOMINIC MARTELLIくんを起用しても良かったのに、と聴き終わってから思いました。
少年合唱 あふれるような郷土愛 ~ THE HOLY TRINITY, WEST CHESTER, PENNSYLVANIA ― 2016年08月02日 09時33分59秒
CHOIR OF MEN AND BOYS, THE CHURCH OF THE HOLY TRINITY, WEST CHESTER, PENNSYLVANIA
My Soul, There is a Country (TCB-022275)
このステキな、古っぽくて何か雰囲気のあるアルバムカバーを見てください。このカバー写真LOVEで、20年近くも、ずっとずっと欲しいと思っていたLPでしたが、又もやEmuさんが、あっさり見つけて下さいました。録音から40年以上も経てのこの音!至福の限りです。諦めてはいませんでしたが、よもや手にすることができるなんて奇跡のような1枚です。
実際の演奏は、まあ、雑然としてはいるのですが、歌声からは精神のクリアさが伝わって来るので、最後まで気持ちよく聴くことが出来ました。どこか素朴でどこか真摯で真面目で折り目正しい昔のアメリカならではの良さを感じさせてくれるChoirだと思います。
実際の演奏は、まあ、雑然としてはいるのですが、歌声からは精神のクリアさが伝わって来るので、最後まで気持ちよく聴くことが出来ました。どこか素朴でどこか真摯で真面目で折り目正しい昔のアメリカならではの良さを感じさせてくれるChoirだと思います。
少年合唱 モナコ聖カテドラル少年合唱団 ~ 聖歌隊的録音の頃 ― 2016年08月02日 09時48分08秒
POLYPHONIES SACREES EN LA CATHEDRALE DE MONACO
Cathedrales (SM 33-01)の指揮者の作品で始まります。美しい悲壮感のある曲です。カバー写真から、合唱団的な演奏を想像していたのですが、実はここでも聖歌隊的でした。ただし、ソプラノ・ソリストとか、ソプラノやアルトの聖歌隊メンバーと思しき名前に♀っぽい名前が多数あるのですよね。たまたまモナコの命名がそういう風なのかもしれないですが。カバー写真に写っているのは少年ばかりですし、演奏に高音部がやわらかいなあとは思いますが、女声感はあまり感じないんですが。ただ、今までになく、宗教曲系ではありながら、響きが華やかです。
合唱はなんとなく、まだ古くて素朴で、演奏の印象は好ましいです。以上、FACE I
FACE IIになると、音が変質します。ソプラノ・ソリストさんが合唱を牽引するのですが、その方の声が・・・なのですよ。という訳で、能面のような表情で聴き終えました。
Cathedrales (SM 33-01)の指揮者の作品で始まります。美しい悲壮感のある曲です。カバー写真から、合唱団的な演奏を想像していたのですが、実はここでも聖歌隊的でした。ただし、ソプラノ・ソリストとか、ソプラノやアルトの聖歌隊メンバーと思しき名前に♀っぽい名前が多数あるのですよね。たまたまモナコの命名がそういう風なのかもしれないですが。カバー写真に写っているのは少年ばかりですし、演奏に高音部がやわらかいなあとは思いますが、女声感はあまり感じないんですが。ただ、今までになく、宗教曲系ではありながら、響きが華やかです。
合唱はなんとなく、まだ古くて素朴で、演奏の印象は好ましいです。以上、FACE I
FACE IIになると、音が変質します。ソプラノ・ソリストさんが合唱を牽引するのですが、その方の声が・・・なのですよ。という訳で、能面のような表情で聴き終えました。
VICTORIA:OFFICIUM PRO HEBDOMADAE SANCTAE (MN 07)
息の多い木管質の合唱で、かつ濁らず、ソフトでクリアで解放感に溢れた演奏が、このVICTORIAにピッタリ!です。今まで何枚かはVICTORIAを聴いたと思いますが、この盤の演奏が一番好きです。理由を考えてみたのですが、この盤の演奏は音そのものが涼しく、聴く私に対して緊張感を強いないということにあると思います。聴いていて解放されるものがあります。こちらも又、合唱団ではなくて、聖歌隊の演奏です。
息の多い木管質の合唱で、かつ濁らず、ソフトでクリアで解放感に溢れた演奏が、このVICTORIAにピッタリ!です。今まで何枚かはVICTORIAを聴いたと思いますが、この盤の演奏が一番好きです。理由を考えてみたのですが、この盤の演奏は音そのものが涼しく、聴く私に対して緊張感を強いないということにあると思います。聴いていて解放されるものがあります。こちらも又、合唱団ではなくて、聖歌隊の演奏です。
JEHAN ALAIN L'OEuvre vocal (RCA RL 37107)
Cathedrales (SM 33-01)と比較すると、時代が進んだ音をしています。合唱は、それほど洗練されて聴こえてこない分、全員全力投球で、集中して歌っている雰囲気が伝わってきて気持ち良いです。それに、1986年の録音に少し感じた音の濁りも無くて、好感度は大です。
Jean-Louisくんのソロも、かすれ具合(ことばを代えるならソフトな感じ)が麗しく、高音に上って行くところなんかゾクゾクしました。ソロの表記は1か所しかないですが、次の曲は自然派アルト少年とのデュエットで、こちらも愛らしかったです。ここでのモナコは、音が息の多い木管質でサラッと歌っていますが、自由な拡がり感のある合唱でした。そして思ったよりもあちこちでJean-Louisくんのソロがあり、合唱の延長上に、抜け出して、曲に組み込まれているようでした。レコード1枚分の作品のどこかを一人で演奏する部分を託されるのですから、自己主張は強くないですが、秀でたソリストであることは間違いないと思います。
全体の印象としては、昔のパリ木とスペイン聖十字とモンセラを足して3で割って、どこまでも自由な空気を加えた感じ、とでも言っておきます。
合唱するためだけ集まった合唱団よりも、基盤として大聖堂や教会がある聖歌隊の良さを、このChoirも兼ね備えていると録音から感じました。
この作品は、新しく、また旋律も美しいです。オルガンも印象的ですが、演奏者は、作曲者ジャン・アランの一番下の妹であるマリー・クレール・アランです。
ソリストのJean-Louisくんの声に寄り添って複数回歌ってくれたもう一人の少年がいるので、ご本人とご家族にとってこのレコードが記念でもあると思うのですが、名前が記されていないのが残念でした。
Cathedrales (SM 33-01)
指揮者が神父様のようです。男声が入っていた頃のパリ木の音に似ていて、時代の古さを感じつつも、心が凪ぎ、タイトルそのままに大聖堂で信者とともに聴いている気分になります。祈りの歌ですね。システィーナ的に、礼拝のために歌う時はシスティ-ナ礼拝堂聖歌隊(Capella Sistina),コンサート等礼拝以外の目的で歌うときはシスティ-ナ礼拝堂合唱団(Coro della Cappella Sistina)と名称を使い分けるなら、この録音はまさしく、モナコ聖カテドラル聖歌隊(合唱団ではなくて)の演奏でしょう。私は聖歌隊ではなくて合唱団としての録音から親しみましたが、このレコードは、元々の聖歌隊の存在意義を垣間見せてくれるような気もするので抑えていて良い1枚かな、とも思います。
エンターテイメント性には欠ける録音ではありますが、それでもMAGNIFICAT 5 modeだと思いますが、ものっすごくキュートなボーイ・ソプラノくんたちの声を聞くことができます。その声には頬がゆるんでしまいました。
指揮者が神父様のようです。男声が入っていた頃のパリ木の音に似ていて、時代の古さを感じつつも、心が凪ぎ、タイトルそのままに大聖堂で信者とともに聴いている気分になります。祈りの歌ですね。システィーナ的に、礼拝のために歌う時はシスティ-ナ礼拝堂聖歌隊(Capella Sistina),コンサート等礼拝以外の目的で歌うときはシスティ-ナ礼拝堂合唱団(Coro della Cappella Sistina)と名称を使い分けるなら、この録音はまさしく、モナコ聖カテドラル聖歌隊(合唱団ではなくて)の演奏でしょう。私は聖歌隊ではなくて合唱団としての録音から親しみましたが、このレコードは、元々の聖歌隊の存在意義を垣間見せてくれるような気もするので抑えていて良い1枚かな、とも思います。
エンターテイメント性には欠ける録音ではありますが、それでもMAGNIFICAT 5 modeだと思いますが、ものっすごくキュートなボーイ・ソプラノくんたちの声を聞くことができます。その声には頬がゆるんでしまいました。
ボーイ・ソプラノ Arve Møen Bergset ~ ノルウェーの大自然と人々の日々と ― 2016年08月02日 11時14分43秒
Litle fuglen (BKMC8)
Arve Møen Bergsetは1972年3月13日生まれ。昨今は弦楽器(バイオリンとかビオラとか)奏者かも。です。計算するとこの録音はArve 13歳か14歳のときのものです。内容は、ノルウェーの伝統音楽なのか、民族っぽいような印象です。
アルバムカバー写真ですが、祖国の風景の中で逆光が作る彼のシルエットを見た時に、聴きたい、と思ったのでした。
変声前の不安のない声で、自然にアカペラしています。私が子どものころに好きで読んでいたノルウェーの作家ビョルンセンの「アルネ」という作品の主人公青年(青?少年)アルネは、豊かな自然の中に住んでいるのですが、彼は、折に触れてその自然の中で、歌を歌っているのでした。文字からは音そのものは聴こえてこなかったので、圧倒的な自然や食べ物や普段の生活や彼が心の赴くままに歌う歌に、子どもながらに、想像を膨らませていたのですが、この Arve の歌を聴いたときに、アルネの歌に繋がったのでした。
Arve の歌は、とても自然で、誰かの指導が入ったとかは思えないのですが、(実際には幼いときから伝統音楽を学んだのでしょうが、自然に気持ち良く聞かせるのも技術でしょうから)旋律とか、抑揚とか、 Arve の歌に、不思議な感じを味わっていると、8歳の頃に、強くあこがれたノルウェーへの想いが甦ったのでした。このカセットは、 Arve の「素材そのもの」としての良さ、が現れていると思います。
Arve Møen Bergsetは1972年3月13日生まれ。昨今は弦楽器(バイオリンとかビオラとか)奏者かも。です。計算するとこの録音はArve 13歳か14歳のときのものです。内容は、ノルウェーの伝統音楽なのか、民族っぽいような印象です。
アルバムカバー写真ですが、祖国の風景の中で逆光が作る彼のシルエットを見た時に、聴きたい、と思ったのでした。
変声前の不安のない声で、自然にアカペラしています。私が子どものころに好きで読んでいたノルウェーの作家ビョルンセンの「アルネ」という作品の主人公青年(青?少年)アルネは、豊かな自然の中に住んでいるのですが、彼は、折に触れてその自然の中で、歌を歌っているのでした。文字からは音そのものは聴こえてこなかったので、圧倒的な自然や食べ物や普段の生活や彼が心の赴くままに歌う歌に、子どもながらに、想像を膨らませていたのですが、この Arve の歌を聴いたときに、アルネの歌に繋がったのでした。
Arve の歌は、とても自然で、誰かの指導が入ったとかは思えないのですが、(実際には幼いときから伝統音楽を学んだのでしょうが、自然に気持ち良く聞かせるのも技術でしょうから)旋律とか、抑揚とか、 Arve の歌に、不思議な感じを味わっていると、8歳の頃に、強くあこがれたノルウェーへの想いが甦ったのでした。このカセットは、 Arve の「素材そのもの」としての良さ、が現れていると思います。
Arve Sølv (Kirkelig Kulturverksted FXCD 68)
Arve は、ノルウェー国内で、何らかの賞を受賞したようです。このCDは、その前後(後かな?)に録音したものと思われます。
大地の震動を思わせるような弦にのってに始まる歌は、わずか1年のうちに、作品としての完成度も高くなっていました。声にそれほどの変化は感じませんでしたが、歌そのものが大人びました。声を包む微妙な楽器の按排も素晴らしく、天地の息吹に呼応するかのような Arve の歌は、ノルウェーの輝くように美しい自然そのものなのかもしれません。
Arve は、ノルウェー国内で、何らかの賞を受賞したようです。このCDは、その前後(後かな?)に録音したものと思われます。
大地の震動を思わせるような弦にのってに始まる歌は、わずか1年のうちに、作品としての完成度も高くなっていました。声にそれほどの変化は感じませんでしたが、歌そのものが大人びました。声を包む微妙な楽器の按排も素晴らしく、天地の息吹に呼応するかのような Arve の歌は、ノルウェーの輝くように美しい自然そのものなのかもしれません。
Arve Møen Bergset Religiøse folketonar (GRCD 4114)
Arve の変声後のアルバムです。とても優しい男声になりました。 Arve の歌のアルバムはお国の伝統的な民族の歌で(たぶん)こちらもその範疇です。不思議なのは、変声前にノルウェーの大自然を歌から感じ取ったのに、変声後の彼の歌からは、自然よりも、何か人間的な、ノルウェーに生きる人々の、日々の生活に伴う静かで慎ましやかな喜びや悲しみを感じました。人の心の哀しさや寂しさを知ってなお、やさしく寄り添うような歌声でした。
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