CORO DE NINOS LA SANTA CRUZ DEL VALLE DE LOS CAIDOS スペイン聖十字架少年合唱団 ~ 届きそうで届かないあこがれの歌声2010年01月31日 16時12分39秒



スペイン聖十字架少年合唱団

1960年代には外国から子どもの合唱団が続々と来日し、素晴らしい演奏を披露した。それは演奏会の記録LP等で残されているのだが、当時の合唱の魅力は、現在聞く演奏よりも、残念ながら、遥かに勝っている。
この合唱団も、私にとって、あこがれの対象の演奏をした。むろん、残された記録による断片的な演奏しか聴いていないので、私の望みは当時の丸ごと録音を聴くことなのだが、未だにその望みはかなえられていない。

少年合唱団も少年少女合唱団も、アンコールで日本の歌を歌う。
ときどきはソロで。
おそらくこの盤はアンコールの選曲だろうと思われる。

外国人の子どもが歌う日本語の歌は、日本人の子どもよりも、音のエッジが鮮明に思う。
今まで聴いた荒城の月の一番はビクター少年合唱隊が一番だけれど、ここの団員君のソロも次くらいに良いかなあ。
日本語が微妙に違っているのと「る」が巻き舌になるのは気になるが外国人ゆえの音のクリアさはとても魅力だ。

今回、日本語の歌のソロやデュエットを聴いて、少しは気が済んだが、やはり、これだけの美声があるなら、当然、お国の曲の演奏を聴いてみたい。

どなたか私に譲ってくださらないものか?

ボーイ・ソプラノ Simon Woolf サイモン・ウルフ ~ 竹宮恵子「鏡の国の少年たち」 from70p・71p 聴きたいとあこがれ続けた声2009年11月07日 10時27分22秒

HENRY PURCELL : ODE ON ST. CECILIA'S DAY

HENRY PURCELL : ODE ON ST. CECILIA'S DAY(1692) (ARCHIV PRODUKTION STEREO 2533 042) 
1969年1年録音。


こびとかば様へ

(このブログのメモは、だいたい10年くらい前からノートしていたものも多くて、ときに、同じ内容を更新していることもあるかもしれません。)

 1981年に竹宮恵子氏の「鏡の国の少年たち」を読んで、歌に表現力があるという3人の少年の名前を覚えました。

 ロベルティーノ、ハインチェ、サイモン・ウルフ。

 その時、既に10年以上も前の録音! とにかく聴いてみたくて、当時、必死で探して、やっと手にしたのがこのレコードでした。
 共演にはエスウッド等の名が並んでいます。

 少年の声は、雰囲気的には、カンタータ大全集。テクニックは大人以上。企画が変声前に、間に合えば、彼はバッハを歌っていたはずだ。と思う。
 と感じましたね。

  3."Hark, each Tree"でSimon WoolfはBassの後を追ってくるのですが、腹筋を駆使しての、微妙で素早い音の動きの表現がさりげないが、ものすごいのです。
 ここでのデュエットで、セバスティアン・ヘニッヒを連想しました。が、ヘニッヒよりも、やわらかく軽い。と思うと、6."Thou tun'st this world" では、緊迫した声を聴かせています。

 サイモン・ウルフが歌っている4分52秒と3分37秒の2曲が、短く感じて仕方がありませんでした。

 Tiffin Choirも知りませんが、トレブルたちが少年ぽく、どちらかといえば、生きの良いドイツ系の少年CHORのように自然な声でした。

***

思い続けていれば叶う という奇跡を、この少年合唱の道楽では、10年に一度くらいは味わっています。

ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊「VIROLAI 」 ~ 神秘の山で聴く、内省的な曲2009年07月12日 23時18分26秒

ESCOLANIA DE MONTSERRAT

VIROLAI
SALVE
ESCOLANIA DE MONTSERRAT (vergara 55.6.001 C)

これは日々のお勤め(専門用語で何と言うのかな?)の録音なのかな? 
元々、採録はイマイチなんですが、VIROLAIに、コンサートや録音等で活躍するソプラノくんたち+αの声まで入っているような気がする。全く歌ったことのない声ではないけれど、モンセラのソプラノくんたちの声そのものとは違うような・・・。修道院の尖塔の鐘の音で締められるのも宗教的味わいがある。

MAGNIFICATは男声部から始まる。今更、当たり前のことを言わせていただくと、この男声部の発声法が、ソプラノくんたちのと似通っている。喉のところで(フワフワと)声を出す感じが雰囲気、一緒です。

SALVEは、意味合い的には、救いがあっても良さそうですが、旋律の雰囲気が、ちょっと暗いです。お勤めの歌だから?
全くの門外漢。宗教(入るお墓)も違う私には、日本の片田舎で聴く限りでは、起伏のなだらかな旋律が続くだけだけれど、のこぎり山の修道院で聴いたら、この旋律の静けさが、魂の何かに触れそうです。

ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 ~ P.MIGUEL LOPEZのSALVE REGINA 訓練された声に依る美しすぎる旋律2009年07月05日 23時03分08秒

Escolania de Montserrat

Escolania de Montserrat (vergara 14.004 SC)

SALVE REGINA (P.MIGUEL LOPEZ)
VIROLAI (VERDAGUER RODOREDA)

 VIROLAI。
全部の声部が重なるときとソプラノ君たちだけの声が聞こえるときと。微妙にメリハリをつけながらも割合シンプルなメロディラインは、日常的な奉仕作業(サービスというのかミサというのか宗派によって違うのだろうけれど)で、信徒さんたちも一緒に歌うのだろうなあ。

 P.MIGUEL LOPEZのSALVE REGINA。
こちらは、ひたすら聴いていたい。訓練された声に依る美しすぎる旋律・・・。少年とも女声とも言えないような幽玄的なソプラノにどこか涼しいアルトが加わったときの響きの幅がモンセラートの合唱の麗しさなのだと思ったりして。ここはまじめにP.MIGUEL LOPEZを聴かないと。

ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 ~ VIROLAI 代表的で日常的な曲2009年06月29日 01時04分47秒

ESCOLANIA DE MONTSERRAT
ESCOLANIA DE MONTSERRAT (vergara 14.001-sc)
Director:Dom Ireneu Segarra

SALVE REGINA Francesc Civil
VIROLAI Verdaguer-Rodoreda

 VIROLAIってどんな意味だろう?と調べていたら「大人のヨーロッパ旅行」というサイトにモンセラートが紹介されていて、「サルベ(Salve)とビロライ(Virorai)と呼ばれる聖歌を聴くことができる」とあった。そっか、聖歌か。

 しかーし、このEP盤からお宝発見。由緒正しそうな印刷のVirolai de Montserrat の楽譜と歌詞が四つ折で出てきた。さてはお信徒さんが手離したEPか?・・・(或いは観光客か)

 聴いた感じでは、特にもSALVE REGINAの方が、(幾分合唱のトーンが高めに聴こえるが、)演奏の雰囲気が、初来日でTV放送された折りの声に近いような気がした。レコード番号が私が持っているうちでは若い方だが、そんなに古くはない録音なのかもしれない。頭声でも胸声でもない、首を使って響かせているかのような(←ありえないけれど)繊細な声は、モンセラならではのもの。

 シンプルなつくりのVIROLAIは、なんとなく歌えそう。モンセラは、SALVE REGINAやこのVIROLAI の録音が割と多いので、日常的に歌われているのかも。この音源自体、ライブ(といってよいのか不明だが)で、幼い子どもの泣き声も収録されているので、公開演奏なのかも。

ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 CANCONS POPULARS DE NADAL ~ 切なさいっぱいの歌唱集2009年06月07日 21時10分38秒

モンセラート修道院聖歌隊

CANCONS POPULARS DE NADAL (montserrat DAM 4004-CS)TAPE 録音年不明/指揮:Ireneu Segarra

 良く歌われている(人気の)NADALの歌、とでも訳すのかな?
 El cant dels ocellsは、鳥の歌でした。
シンプルなピアノ伴奏で歌われるこのカセットは、珍しくも宗教曲ではなくて、民謡風。もしかしたら、Nadal地方で歌われているのでしょうか。
 ボーイ・ソプラノ・ソロをふんだんに取り入れ、ソロも合唱も引き立つ作りになっています。

 メインのソリストくん。愁い度80%。合唱も負けずに、愁い度60%。このソリストくんの声を残したいがための録音かな?と思うほど、登場します。(実は複数のソリストくんだったら、勘違い)
 
 初めて聴く曲が多いけれど、ソロや合唱の音の色彩そのものの愁い度が高いのに、きれいな旋律の曲そのものの愁い度も高くて、何を歌っているのかすらわからないのに、聴いているだけで泣けそうになります。

 メインのソリスト君の高い声も良いけれど、低めの旋律を歌うときの木管っぽい声もまたステキなのだな。名前が記載れていないので、録音年すら推定が難しいのが残念。デュエットも割合あるので、ソリスト君は複数の模様。

 昔、来日コンサートをTVで聴いたときと似通った感動を受ける、切なさがたくさん詰まった、カセットです。
 心がすさんだりかわいているときに、聴いてほしいかも。

ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 MENDELSSHON & W.A.Mozart ~ 上質な時代のWSKコンサートを想起させる盤2009年06月01日 03時43分51秒

ESCOLANIA DE MONTSERRAT (sayton Ref.CA-29-ST)

ESCOLANIA DE MONTSERRAT (sayton Ref.CA-29-ST)1968年、69年録音。

 収録曲がメンデルスゾーンとモーツァルトだなんて、モンセラっぽくなくて面白い。おそらくは”俗的”なコンサートのアンコールからシングルカットされたものではないかと思う。

 音もソリストの声も歌い方も非常に古い。昔の機材で素人がコンサートを録ったかのごとくの音がかなり郷愁的。イイ・・・実に。

 艶のあるどこか女声的なボーイ・ソプラノで禁欲的な感じは一切無いが、もしも50年代のWSKがコンサートをしたら、こんな感じのソリストくんで、合唱のフォローもこんな感じで・・・なんて想像してしまう。

 82年のTV放送を聴いて、その透明感に参ってしまい、スペイン在住者を通じてレコードを入手しようとまで思い詰めた割に、実際にはここまで聴かないで来てしまったので、モンセラのW.A.Mozartとは驚きだったが、子守歌もなかなか良い。
 透明ではなくてどこか肉感的にも思えるが、媚びていないから素っ気ないけれど、おおらかで豊か。
 そんなふうに子守歌を歌い終えたときに、大きな拍手が・・・。

 2曲ともライヴ録音。
 このときに残された音がもっとあるなら、ありったけ聴いてみたい気がした。