ESCOLANIA DE MONTSERRAT モンセラート修道院聖歌隊 STABAT MATER ~ 想像を絶する録音を残している合唱団2009年05月22日 15時05分21秒

モンセラート修道院聖歌隊

PERGOLEGI: STABAT MATER (Alhambra MC 25039)
(P)1961
director:Dom Ireneo Segarra

 ファンというものは、いろいろなコレクションを持っているもので、中には想像を絶するような名盤も存在しています。

 モンセラート修道院聖歌隊もそのようなお宝盤を世に残している合唱団。

 その名盤も今回取り上げた盤も、私はコピーで聴いたのですが、いずれはオリジナルで聴きたいものです。

 名盤をあかすのは、わざとらしく後日として・・・。

 さて、このモンセラート修道院聖歌隊ですが、モンセラート少年聖歌隊(1982年来日時の公演プログラムの記述ではこのように訳されている)は、1982年に来日し、7月3,4,5,6,7,10,11,12日のみ公演を行いました。
 ただし、モンセラート修道院での聖歌隊員や日本での公演の様子は、TBS系列で全国放映されたので、私はTVを通して彼らの歌声を聴いた一人です。
 直接彼らの歌声を聴いた知人から、公演では、集中力が乱れるので拍手をしないように、とのアナウンスがあったと知らされましたが、その緊張感はブラウン管を通じて伝わってきていました。
 TVでコンサートの模様を見て、もちろん、宗教曲は素晴らしかったけれど、何よりも、山の朝の大気の中で聴いているような、歌声の透明感に感動したものです。声に透明度を付けるなら、そのときに聴いたモンセラが今まで聴いた中では一番深く澄みきっていました。
 でも、私が苦しいほどに心を揺さぶられたのは、彼らの歌うカタロニア民謡(民謡というにはあまり土の匂いがしないでどちらかというと心の匂いがする)の、清らかさ、温かさ、切なさ、やさしさ、美しさでした。
 
 そんなこんなで、何が何でもモンセラートとか思って、国内で発売されたレコードを聴いたりしたのですが、画面から伝わってきた光や空気の透明感よりも、土の温かさが勝っているように感じて、遠ざかっていました。モンセラートは、どこか少年合唱というよりは中性的にも聴こえました。

 気になる合唱団ではあったのですが、CHOIR友だちの一人がこんな盤がある、と2枚の10インチを聴かせてくれなかったら、掲載はずっと後になっていたと思います。

 肝心のSTABAT MATER ですが、私にとっての基準値ヘニッヒ盤と比較すると、緊迫感は少ないのですが、ゆったりとおおらかにもじわ~っと効果が出てくるようです。
 ソプラノくんがビブラートの使い方といい時代がかって聴こえるのですが、アルトくんが名ソリストくんですから。テルツもそうですが、アルト・ソロが少年声なのは、私にとっては、大きな魅力です。
 合唱もそうですが、名アルトくんの声を聴くことが出来るのがこの盤の一番の魅力で、この声が想像を絶する名盤へ繋がっていくのです。

追記:
 ESCOLANIA(男子児童による合唱隊) DE MONTSERRAT がモンセラート修道院少年聖歌隊、CAPELLA(聖歌隊、修道士による)が入ると、Escolania & Capella de musica Montserrat にもなったりするようです。