amazarashi 世界収束二一一六2016年05月15日 11時06分07秒



(CD+DVD)
 収録曲に「百年経ったら」があります。今年が2016年なので、この作品の2116は百年後を意味しているのかな? 作者は住めなくなった地球に見切りをつけて宇宙船で旅立つ人たちを見送っているのですが、思うに、ないない、それは無いですって。みんなが出て行ったら、地球は全部自分のものじゃないですか? 残る人、いますって。逆に、とっととみんな出て行ってほしいとか、思っている人、いるかも、ですよ。
 詩の文字数が多すぎて、正直、文字だけだったら読みたくないです。・・・が、その文字が「音」に乗ることによって、これだけ輝くってスゴイことだと思います。スッと耳に入ってきますから。言葉と音を融合させることについて「天才」ですよ、この方。
 自分自身を構成するピースの一つに、「稼働」していないところがあって、そこに空白を感じ(本当は空白ではないのですが)、「エンディングテーマ」の「心が痛いよ 涙が止まらないよ」という詩の言葉が出てくるのだと思います。でもね、この方は、「稼働」していないピースと向き合うことで、人間としての感性が磨かれて、大衆を動かすエネルギーを持つ作品を創作できるのだと思います。多くの人間が共振する曲をこれからも「稼働しないピース」がある限り、創り出して行けるでしょう。

amazarashi あまざらし 千分の一夜物語 スターライト2016年05月16日 19時54分39秒



(AICL 2867-8)
 1曲1曲の完成度がものっすごく高いことに驚かされる。そして言葉と音とのコラボが超自然。超完璧。時代の吟遊詩人。
 これだけ成功している(売れている)のに、未だに未成年時代の満たされない心を持っていて、創作の原点が常にそこにあるのもスゴイと思う。それがある限り永遠に歌っていけそう。
 私は amazarashiの、にわかリスナー。信者さんを何処へ導くのかなあ、とか思いながら聴きました。モーゼなのか、ハーメルンの笛吹きさんなのか、彼の心の叫びを聴いているうちに、何処へ連れて行かれるのかなあ、って。

たらさわみち氏のバイエルンの天使「ぼくらの変わる日」クラウスくんの声~テルツ少年合唱団2016年05月17日 16時44分24秒




(SRL4-10084)

 健康状態も悪く、かなり落ち込んでいるときに、いろいろ聴いてはいたのですが、元気をもらったのはWingさんからいただいたテルツの民謡でした。テルツって、聴くと元気になる、というのは本当でしたね~。
 これは、そのテルツのCD化されたスタバト・マーテルです。ことテルツに関しては、sounds'Library(左上にサイトのリンクがあります)に掲載されているWingさんの紹介文を読んでから、CDやDVDの購入を決めています。このスタバトCDも、その中の1枚です。
 私の感覚からいうと、最初は気持ちテンポが遅めなのですが、聴いているうちに、ソリストくんたちの声が素晴らしく、しかもとてつもなくノッて歌っているのがビシバシと伝わってきて、ただただ感動・・・。それに、この声は、シュミットガーデン先生が愛されたテルツならではの発声なのですよね~。テルツを感じさせてくれるテルツの声なんです。
 このCDでソリストの最初に出てくるクラウスくんは、たらさわ先生のバイエルンの天使の「ぼくらの変わる日」という作品に、変声のエピソードで登場します。
 Wingさんのように読み込んではいないですが、バイエルンの天使にはレコーディング等の内容もあり、たらさわ先生の創作とはいえ、コレクションしたレコードを作品と照合?しながら聴く楽しみもあります。テルツの音源に関しては、バイエルンの天使を手元に置いて聴いて行こうと思っています。
こちらは元のLPです。苦労して入手したので大切にしています。CDの方が手軽で今はレコードよりもCDを聴くことが多いですが、レコードの良さは捨てがたいです。

さわやかなメゾ・ソプラノ~HANS VELDHUIZEN2016年05月31日 12時37分28秒



(CD PLENUM 829)
 1.Vreugde, vreugde, louter vreugdeは、ベートーベンの「よろこびの歌」です。外国語がわからないので、勝手に「晴れたる青空 ただよう雲よ 小鳥は歌えり 林に森に」と翻訳されて聴こえてきました。第九って言うと、混声で、肩をいからせ高圧的に頑張っていかつく歌うイメージの曲を、こんなにもサラッと優しげに歌っているのを聴いたのは初めてです。とにかく、インスツルメンタル部分から心優しい音で入ってきて、さらに、HANSくんの声が又、輪をかけて少年の声ゆえの穏やかや心優しさに満ちてさわやかに歌っています。その他の選曲も、ソリスト君の声に似合っている雰囲気。Jezus(ジーザス)の単語があるので、詩編とかなのかもしれませんが、聴いていて、心がやすらぎます。日曜の午前中にゆっくり聴きたい1枚かな。知らない曲ばかりですが、どこか聴いたことがあるような懐かしさを思い起こさせてくれる曲たちばかりです。
HANSくんも高い声がきれいに出ていると思いますしJongens sopraan と mezzo-sopraan の音の差が私にはわかりませんが、このはかなげでやさしさがmezzoなのでしょうか。金属音はありません。オランダはボーイ・ソプラノ大国ですが、音源はなかなか手に入れにくい国の一つでもあり、HANSくんも聴き落としたら勿体ないボーイソプラノの1人でもあると思います。知っている限り2枚のCDを出していますが、欲を言えば、ドイツ・オーストリア・イギリスのBSたちが歌っているようなオーソドックスな選曲のCDも出してほしかったと思います。男声合唱も入ってミサの雰囲気を出していますが、大人の声と対比することでHANSくんの声の清潔感が際立ちます。

木漏れ日とそよ風のメゾ・ソプラノ~HANS VELDHUIZEN2016年05月31日 12時46分12秒



 (CD PL 889)

 最初のCDのコンセプトを推し進めたようなCDということになるのでしょうか。詩編というタイトルの収録数が増えました。
 どちらも1989年収録です。1989年と言えば日本国内ではWSK89年来日組のマックスくんがファンを席巻していたころですヨ…。HANSくんも同じステージに立っていたら話題になっただろうと、つい妄想してしまいます。その頃、知らなかったな~HANSくん。(あり得ないけれど)リアルでHANSくんの声を聴くチャンスがあったんですね。残念!
 選曲がそうさせているのかもしれませんが、これらの歌は、木漏れ日やそよ風のように、超自然体です。ちょっと悲劇の匂いもするかな? もしかして宗教的な曲だから? こういうふうに詞の意味が解らないのはもどかしいですが、音として伝わって来るものを私は聴いているのでしょう。ちなみに 10.De Heilige Stad はThe Holy Cityです。 11.Neem mijn leven, laat het Heerは、相変わらずフルートがやさしい。
 ザラッとした朴訥なテイストの男声合唱も大切なアクセントで、信仰という側面も感じさせてくれます。軽やかなピアノもフレンドリー。曲数は幾分少ないですが、全体の録音時間は2月の録音CDよりも多く、長めの曲をじっくりと聴かせてくれるのも良いです。

クリスタル・ヴォイスのボーイ・ソプラノ~DENNIS DERKSEN2016年05月31日 12時52分08秒




(DE BAZUIN 5552)

 ライナーノーツより1980/04/10という数字を判読したのでこれが誕生日だとすると、DENNISくん12~13歳の、いわばBS絶頂期に録音されたCDとなるのでしょうか。 
 2.Welk een Vriend is once Jezusは、文部省唱歌の「星の界(ほしのよ)」です。ボーイソプラノであらためて聴くと冴え冴えとして美しいです。HANS VELDHUIZENくんのCDを聴いてソプラノとメゾの違いが判らないと思いましたが、DENNISくんの歌を聴くと、なるほど、HANSくんよりも、線が細く高くクリスタル度が高いような気もします。いわゆる曇りのないクリアソプラノです。 9.U zij de glorieは運動会で優勝旗もらうときのBGMで良く聞くヘンデルの「勝利の歌(?)」で、11.Gena van Godが「アメイジング・グレース」です。その他にも、聞いたことのある曲が収録されています。
 このCDもHANS VELDHUIZENくんのCDと同じコンセプトで作成されたどこかライトな宗教的CDなのだろうと思います。選曲は声質の違いかもしれないですね。混声合唱もちょっと入りますが、混声の中の女声をバックにしてもDENNISくんの声が引き立つので、その微妙なトーンの違いが、男声合唱をバックにした
HANSくんの声との違いなのでしょう。
 DENNISくんのクリアな声を活かすべく良心的に作られたCDで、HANSくんのと共に、手元に置きたいCDです。