女声を凌駕するボーイ・ソプラノ ~ Bejun Mehta2016年06月11日 09時10分53秒



(DELOS D/CD 3019)

 BEJUN はリアルタイムで聴いたボーイ・ソプラノです。今回はCDですが、当時はレコードで聴きました。「スゴク上手な子がいる」との、Choir友だちからの推薦でした。今、聴いても、声のコントロールとかテクニックとかだけではなくて、声そのものも麗しく声量も十二分、演奏に対する自信も歌心も十二分です。女声を凌駕するような声で、しかも、すがすがしさもあります。・・・ス・スゴイわぁ・・・。では、当時、何故にのめり込まなかったのか? 当時は、寒色系声質の青竹系ソリストを探して聴いていました。BEJUN はプロ的演奏だったので、私の耳では、巷の女声との決定的な区別がついていなかったのかもしれません。もしくは、声に女声的な要素が少しでもあると毛嫌いしていた時期だったのかもしれません。
 今だったら、良いわあ~とか、素直に聴けちゃうのですが。

映画「ボーイ・ソプラノ」の素晴らしいアレンジ「メサイア」~ GARRETT WAREING ギャレット・ウェアリング2016年06月10日 09時03分54秒




 あ~、輸入版を見ないでいるうちに、国内版が出てしまった・・・のでした。まずは愚痴から。いつも思うのですが、お金を支払い、作品を見たくてDVDを購入しているのに、関係ない他の映画予告を、必ず、見させられるのは何故? 早々に本編に入りたいので、これが毎回、そうとうにストレスです。他の映画予告は、終わりの方にしていただけないものでしょうか。初回仕様特典の特製ブックレットはちっちゃい映画のパンフレット並みで、映画のパンフを購入できなかった場合は相当に有難いです。で、初回でなくても普通に付けて欲しいところです。

 さて、映画。どちらかというと私は映画ファンではなくて合唱ファンなので、感想が偏っています。ごめんなさい。と前もって謝ります。
 団員くんや先生からの意地悪や意地悪を助長するようなシーンが多々あって、印象が悪かったですし、言葉を換えるなら、見ているのがしんどかったです。それと設定とはいえ、主人公ステットくんの行動も平均的日本人的感覚からしたら常軌を逸しているシーンもあります。・・・なんだかなあ? そういう主人公ステットくんが合唱学校で過ごすうちに合唱以外の大切なことを学び成長していくわけですが、最後の方、変声後の声と1人で向き合っているステットに対して、彼の成長を恐れていたソリスト団員君からの「おめでとう。声変わりだ。もう大人だね」の声掛けの残酷なこと。でも元からのソリストくんほど、ステットは歌うことに執着していなかったような気もします。そこが今までの変声作品とは違って変声が重くとらえられていないように感じるところでしょうか。
 私の中での1番はステットが校長先生から自分がソロした公演のCDを受け取るところです。さりげないシーンですが、見えない嬉しい気持ちが見えてしまう、みたいな。私がChoirファンだからかもしれませんが。即、そのCD欲しいと思ってしまいましたから。それから母を亡くして天外孤独だったステットが、父の家族に迎えられたラストも後味としては良かったかな。このときのステットだったら父の家族ともそれなり普通に無理なく暮らしていけるようになっていたことでしょう。
 映画での好きな音楽はタリスの合唱と、ステットが洋服を窓から捨てらていたシーンでのBGMの合唱と、なんといっても、メサイア。この編曲では初めて聴きました。映画の中で「ハイD」という超高音部があると説明されていましたが、この映画は吹き替えなしですべてギャレット・ウェアリングが歌ったのでしょうか。だったら、大拍手です。俳優がこれだけ歌えるなら確かに映画になりますね。
 とにかく、私にとって、映画の中のメサイアは目からウロコの編曲でした。これと同じ楽譜で、イギリスかドイツの聖歌隊で本格的に聴いてみたいです。

オール・アメリカン・ボーイズ・コーラス 演奏会 THE ALL-AMERICAN BOYS CHORUS ~NHKクラシック倶楽部 2016.02.19金放送より2016年04月02日 19時53分48秒


オール・アメリカン・ボーイズ・コーラス 演奏会
THE ALL-AMERICAN BOYS CHORUS
収録 2015.12.22(火)武蔵野市民文化会館

プログラム
《第1部》
「ユーレ・ビー・スウィンギン」、「クリスマスらしくなってきた」、「シルバー・ベルズ」
「ジングルベル」、「もみのき」(ドイツ民謡)、「冬の夜の雪にさきそめたる」
「アヴェ・マリア」(J.S.バッハ/グノー編)、「天使の糧」(フランク)
「オー・ホーリー・ナイト」、「クリスマス・キャロル・メドレー」
「レット・イット・ゴー」(映画『アナと雪の女王』より)、「ホリデー・パレード」
《第2部》
「メレ・カリキマカ」、「ひとりぼっちの晩餐会」(映画『美女と野獣』より)
「ビーチ・ボーイズ・メドレー」、「夢のカリフォルニア」
「クリスマス・タイム・イズ・ヒア」、「そりすべり」、「レット・イット・スノー」
「ホワイト・クリスマス」、「ジングルベル・ロック」
「ビリーブ」(映画『ポーラー・エクスプレス』より)、「クリスマスを我が家で」
「きよしこの夜」、「一年で最もすばらしい瞬間」
ユーレ・ビー・スウィンギン・メドレー
クリスマスらしくなってきた
ジングルベル
冬の夜の雪にさきそめたる
アヴェ・マリア
ホリデー・パレード
くるみわり人形
おもちゃの兵隊の観兵式
映画『美女と野獣』より
ビーチ・ボーイズ・メドレー
夢のカリフォルニア
クリスマス・タイム・イズ・ヒア
そりすべり
ホワイト・クリスマス
ジングルベル・ロック
きよしこの夜
一年で最もすばらしい瞬間

NHKのクラシック倶楽部で、2015.12.22(火)武蔵野市民文化会館で収録されたコンサートの模様を2016.2.19に放映した内容です。
赤のジャケット、聖歌隊風、シャツ等々、演奏に合わせた衣装で楽しませてくれました。
指揮者はオーストラリア出身らしいですが、雰囲気的には、「楽しい」アメリカが表現されていたと思います。「クリスマスらしくなってきた」に描かれている良きアメリカ人の家族とも想像できる日常の風景がとってもとっても好きですね~。
オール・アメリカン・ボーイズ・コーラスといえば、アメリカのプロ演奏少年合唱団。と、「The Best Gift of All」や「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」の2枚のCDを聴いて合唱団の実力を査定しておりました。ので、・・・良いのか、この音程で? たぶん、悪いのは私の耳です。
団員くんたちはものっすごく精神的に健康そうでしかもそれなりの家庭環境にありそうな、いわゆる敬虔でアメリカの理想的な男の子たち、に見えました。
「ホリデー・パレード」でラッパを吹く少年たちのパフォーマンスが一所懸命でとっても可愛かった・・・。団員くんたちは元よりそれ以上に団員君たちのご家族にとっては、とても記念になる放送だったと思います。コピー10でもあり、お坊ちゃまたちのカワイイ姿をご家族に分けてあげたいなあと思いながら放送を見終わりました。

少年合唱 a cappella boys choir ~ ドールハウスの世界から聴こえてくる少年たちの歌2015年10月25日 16時09分42秒



O EVERLASTING LIGHT (Hurst Publishers)
 私がこのCDを購入した動機は、ズバリ!CDカバー写真に魅かれた、ことにあります。(キッパリ)
 ドールハウスみたいにきれいな建物の色と芝生の緑にノックアウトされました。加えてシンプルな制服の色彩も似合っていると思います。
 歌っている曲は宗教的ですが、タイトルが同じだったりイメージが似通っていても普段聴いている曲とは旋律が違うようなので、宗派の違いなのでしょうか。
 とすると、宗教系の男子校でしょうか。
 まだ洗練までには至っていないような気もする合唱ですが、素朴さが宗教心をくすぐるかもしれません。

ボーイ・シンガー ROBERT PIERRE ~ やさしく繊細で傷つきやすい時代2014年10月29日 17時55分39秒


ROBERT PIERRE <INSIDEOUT> (881534402627)

 こういう曲をどのように分類するのかは知りませんが、クラシックではないです。とりあえず、入手できる変声前の録音は手にする主義なので、聴いてみました。
 イマドキの少年だと思うので、イマドキの歌い方ではあると思いますが、日曜日の聖歌隊や合唱団に所属していたかどうかは不明ですが、声の出し方はきれいで訓練されていたと思います。なので、BGMとして何かしながら、でも違和感なく聴くことができます。真面目に集中して聴いていたら、なんとなく、普通に純で繊細で傷つきやすくて気持ちを伝えきれないやさしい少年時代に居る、1人の少年の想いを感じました。声も歌い方もそんな感じです。
 今月22歳になったようなので、この声は失われてしまったのでしょうが、クリスマス・アルバムを録音しておいてくれたらなあと思いました。これはオリジナル曲だからこそ、シンガーくんには価値あるCDなのでしょうが、リズムよりはメロディ派である私は、欲を言えば、トラディショナルのも欲しかった。
 ですが、この年代だからこその、きれいでやさしげなヴォーカルが、このCDの中で輝いています。

Jack Cassidy ~ 生きている日々を、人生をふり返させられる声2013年02月18日 14時30分06秒





 この少年が歌うジャンルがどういうものなのかわかりません。選曲も、生命感にあふれた世代の少年が好むものとは違うような気がしました。聴いていると、「内省する」というか、気持ちが心の内側に向かうのです。
 たとえば、私このままで良いのかな? もっと良い生き方がないのかな? きょうは〇〇があったけれどもっと良い対処方があったかも、とかです。自分らしく、きょう1日を生きることができたかな?とか自然にふり返させる歌声です。又、家族や友だち等自分をとりまく人間関係を丁寧に構築する勇気を与えてくれる声でもあります。
 3曲目、彼のおとうとくんの幼い声で歌われ、そこに素人っぽいママの声が沿い、弟くんの声で曲を閉じるのですが、それがとても良きアメリカの家庭的です。追って各違いのジャックくんのソロが始まるのも、前のお二人が良いアクセントだったと気付かせてくれます。
 ユーチューブでは歌声にかぶせてジャックくんの録音風景写真を見ることができますが、彼があのような環境で育った少年なのだと確認できます。加えてCDカバー裏には、神さまとご家族と書かれた美しい歌に対するジャック君の感謝の気持ちが記されています。つまりはそんな気持ちで日々を生きている少年の歌声だから、聴いている人に人生をふり返させるのでしょう。
 What a Wonderful World を幼い女の子が歌っているCDを持っています。人生を左右する喜怒哀楽を全く知らない声で無邪気に歌われるのも良し。逆にルイ・アームストロングの人生を知り尽くしたしゃがれ声で、いろんなことがあったけれど生きる価値はある、と歌われるも良し。ジャックくんのは、これから何があるかわからないけれど何があっても生き抜きなさいと歌っているように聞こえてきます。静かな覚悟のハートフルなWhat a Wonderful World です。徹頭徹尾、静か(鎮か)で、CDカバー写真から受ける印象と合致する作品内容でした。
もちろん、ギターもピアノも、伴奏は全てプロ仕様で、作品として完成していました。
(*たぶん、アマゾンで購入したCDだと思います。)

元気いっぱいのステージ ~ The Yeshiva Boys Choir2011年01月02日 19時46分01秒



YBC Live! (DVD-EGP108) C2006
 シンプルで心優しいメロディラインであるだけで、初めて聴く曲なのに、気持ちに沁みてくる感じがする。この団体、何者なのか私は知らない。おそらく特定の民族の特定の宗教の・・・という類なのかも。
 踊りが上手?・・・ん~どうかな?何か意味があるのかもしれないけれど、不思議な振り付けではありますね。
 歌が上手?・・・合唱ではないような・・・それぞれの声の個性を潰したりしていないので、ソロは、とても声が良く出ています。
 コトバ、まったくわからない。・・・でも、年食った元少年たちをはじめ、現役の男の子たちがマックスで出し切る声が、例えようも無く、心地良いのですョ、ここの合唱団は。ある意味、宗教的パフォーマンスか?入信はしないけれど、音楽的には共感してしまいます。変声後の声も豊かで美しいので。
 とはいえ、少年合唱団目的で買った割には、きれいな声のお兄さんたちの出演も多かったかな。画像も乱れたりしていたし。
 だけど、CDだけではわからなかった彼らのステージを映像で楽しめて満足しました。次々と現れるソリストくんもバッチリ!でした。そして、なんといっても声(合唱)が、水量多くドドッと落下する滝みたいな清涼系なんです。コンサートへもぐりこんで聴いてみたいけれど、人種的には目立ちそうだなあ。
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  あけましておめでとうございます。今年こそ、どこか一つの団体を決めて、そこをじっくり聴いてみたいような気もするのですが、コレクション(主にLPですが)を眺めて呆然としています。どこから聴いたら良いものか、わからず・・・。
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