ボーイ・ソプラノ 一瞬の中の永遠 ~ Michael Ward ― 2008年09月22日 11時20分39秒
Introducing・・・MICHAEL WARD(Philips 6308 189, LP) 1973 Made in England
チリチリ音とともにゆったりとしたピアノの前奏が聞こえ、LET THERE BE PEACE ON EARTHの落ち着いた歌声が聞こえてきたとき、なんだか泣けそうになってしまった。
地上にあるあらゆる美しいもの、木々の緑鮮やかな花々、空や雲、光や風や、可愛い動物たち・・・家族や友だち・・・穏やかで満ち足りた日々が歌声から聞こえてきたから。
大切なものが歌声から溢れ、こぼれているように感じた。
トレブルだけに限らないかもしれないが、大袈裟に言ってしまうと、私がB-Sに惹かれる理由の一つには期間限定の一瞬の歌声の中に時として「生命の永遠」が込められているような気がするからだ。
LET THERE BE PEACE ON EARTHにも、それを感じた。
OH! FOR THE WINGS OF A DOVEは、トレブルソロの定番だが、伴奏が軽音楽ふうで耳元で一瞬聞こえるフルートの音も洒落ている。しかも3拍子。さりげなく男声が入ってくるところも良い感じだ。ちょっとないようなアレンジのO FOR THE WINGS OF A DOVEに仕上がった。(だからこそ、O FOR THE WINGS OF A DOVEではなくて、軽音楽ふうにOH! FOR THE WINGS OF A DOVEなのかもしれないが・・・)
このソリストはもしかしたら腹筋が弱いのか声が震える。声もちょっと出にくい感じだ。上手、というのとは違う。達者というのとも違う。でも、歌声から歌うことへの真剣さがヒシヒシと伝わってくる。そこが良い。
B-Sであるときの一瞬の大切さを自覚しているかの歌声。そこも良い。
歌声に非常に謙虚な姿勢。とても良い。
決して宗教曲ばかりを選んではいないが、私には歌っている曲すべてが宗教曲の如く敬虔にきこえてしまう。伴奏のピアノやハープの音もきれいで儚いし、オーケストラもガラス細工のように美しい。
少年の声だけが妙に現実的で「一瞬の存在である少年期の声」を切ないまでにアピールしている。
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