ボーイ・ソプラノ 燻し銀の魅力 ~ ALED JONES アレッド・ジョーンズ ― 2008年09月16日 19時51分29秒
THE BEST OF ALED JONES (BBC CD 569) (P)&(C) 1985
やはり、このお方を抜きにはできないんだろうなあ。
熱心なファンよろしく、EP、LP、CD、LD、ビデオ等々
(大人になってからの復活盤を除いて)
集めるだけ集めて
聴けるだけ聴きました。
個人的にはSAINのが好み、ですが
(あれだけ安定しているようでいて
微妙に声が録音年で違っています)
無難なのが
THE BEST OF ALED JONES (BBC CD 569) (P)&(C) 1985
だと思います。
WALKING IN THE AIR が聴きたいのなら(AJCD 5 )
さて、 (BBC CD 569)ですが
無尽蔵にも思える音源からピックアップされた曲と素晴らしい構成は、ベストの文字も眩しく光る大満足の1枚である。歌声に関してはもう何も書くことはない。
強調したいのはアイドルとしての「売り」を越えて、Aled Jonesの良さを引き出した納得のこの曲構成にある。脈々とBSを聴き継いだお国柄故の選曲に、ただただ脱帽!
1曲1曲が人生上の一つ一つの経験を語るような熟成した渋い歌声。
そして 最後まで聴き終えたときには、山有り谷有りの長い長い人生とその含蓄のある人生観を古老から聞き終えたような深い充実感!
Aled Jonesの表現力と、1曲1曲の持つ曲の色彩・明暗の印象を活かした曲構成の妙が、全15曲を「普通より少し長めの1曲」に聴かせてしまう。超自然で非凡。
Aled Jonesを聴き込んだファンにお奨めする名実ともに確かにTHE BEST OF の1枚である。
ボーイ・ソプラノ 大切に育てられた子ども ~ Anthony Way アンソニー・ウェイ ― 2008年09月16日 20時26分40秒
THE BEST OF ANTHONY WAY (DECCA 460 572-2 DH) 1995年~1998年録音。
Anthony Way君のCDが、9枚そろってしまった・・・。表現を変えれば、つまりは、9枚も買ってしまったのだ。うち、3枚が全く重複している。(国内盤VS輸入盤)
並べてみると、なかなか壮観である。
トレブルは変声直前が良いという話を聞くけれども、私は必ずしもそうだとは思わない。そういう感性には聴く者の感傷が多分に入っているような気がする。
トレブルは、時間とともに、その声(楽器的に言えば音色)を変える。Anthony Wayも、1995年、1996年、1997年と、輪切り状態で聴いたときは、その時々で印象が違っていた。
今回、ベスト盤を聴いて、彼の全体像が見えたような気がした。
ベスト盤と銘打つだけあって、構成を含めて充実した1枚に仕上がっている。すべての盤の中で、この1枚が名実ともに「ベスト」である。時期的な輪切り状態で聴いたときには気が付かなかった味がCDからにじみ出ている。
これから1枚を求める方にはこの盤をお薦めする。
この盤で、私は周囲から愛され大切に育まれた少年の、存在そのものの「やさしさ」を聴いた。彼が何をどのように歌おうと、このCDの音の隅々から、やさしさのエッセンスが、薫り高く寄せてくる。そして聴く者の気持ちを和ませ幸せにする。思わず、このまま育って行って・・・と祈ってしまった。
(ところで、彼、周囲の大人に大切にされていたことを自覚していたのかな?)
トレブルも今までそれなりにいろいろ聴いたが、演出も又、素材とともに、表現の大切な要素なのだと思い知らされる。
ボーイ・ソプラノ 成熟と孤高 ~ LEO MEYER レオ・マイヤー ― 2008年09月16日 21時07分02秒
LEO MEYER, jongenssopraan (PHILIPS 600 713)
カバー写真は代表作をまとめることが出来るまでにネームバリューが上がった頃(?)なのか後年のものだと思うが、収録曲は初期の初々しくも朗々とクリアで高い声が溢れていた当時に歌われたものを集めた盤になっている。
モーツァルトのオルガンは、っぽくなくって(編曲が違うのかひたすら暗い。)新人ソリスト故か伴奏は必ずしも上手だとは思えないが、伴奏がどうであろうと、LEOの声がこの盤では何処までも何処までも果てしなく出ていることに驚いてしまう。
私はPueri Conciniteをただ呆然として聴いてしまった。
今まで何度もたくさんのトレブルで聴いた曲ではあるけれど、ここまで声も心も豊潤なのは初めて。
しかも、決して歌曲ではなく宗教曲として聞こえてくる作品の精神性&精神性を感じさせる気高い声。
彼ってどういう存在だったのだろう?
Hor' mein Bitten(Mendelssohn)」はHear my prayer。
こちらも最初の一声でグッと引きつけられる。彼のバックコーラスは成年男女だが、大人ではないと彼の声に迫力で負けてしまうからだろう。(実際、負けていると感じる箇所はある)
合唱からスッと浮かび上がる彼の声は美しく、渋さが加わる前の、ソプラノの艶がありながらも可憐なテイストも味わえる貴重盤と言える。
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