Philip Raymond (St. Davids Cathedral Choir) ~ 聖歌隊、ボーイ・ソプラノに対する尊敬2008年12月07日 11時09分33秒

Philip Raymond

St. Davids Cathedral Choir (abbey APR 301 Stereo)
Nicholas Jackson,Organist and Master of the Choristers
Philip Raymond, Solo Treble

 バス・テノール・アルトまでは伝統的な人選ですが、この聖歌隊は、トレブルとソプラノがごっちゃ(混ぜ)の編制なのです。少年少女(+女声?)なわけです。
 
 Solo soprano: Sian Phillipsが、少女声(女声?)なのでした。そこが、Second trebleを使っていたLichfield Cathedral Choirと違います。

 Philip Raymondくんも、写真写りと背景はバッチリです。

 おそらくは、その地方の誇りと象徴でもある大聖堂の、ある時代の聖歌隊員を任されている自負に溢れているようです。
 この盤のカバー写真におけるソロトレブルの扱いを見ても、周囲がいかに聖歌隊や聖歌隊を象徴するトレブルに尊敬を払っているかも感じてしまいます。

 Sian Phillipsさん の Solo sopranoは、エアをブレンドしたトレブルのテイストでした。CHOIRになじんだ声質です。
 
 聖歌隊は少女(女声?)も入隊させているけれど、ソリストにはいかにもイギリスのトレブル的な声を採用している。ということは、イギリスにおける聖歌隊の少女声(女声?)は、もしかしたら、トレブルの代用でもあるんじゃないでしょうか。本音はトレブルで行きたいんじゃないか?とか勘ぐってしまいました。

 Philip Raymondくんの、声と演奏が、写真に似合わない可愛さ&幼さです。スタンフォードなんかは可愛いのも良いかも、なんて錯覚しかけたのですが、即、合唱が・・・。

 ですが、イギリスのソリストお約束のHear my Prayerもフルでしっかり歌っています。さっすが、ソリスト盤。
 イギリス全土のCHOIRにとっても、歌いなれた曲なのか、ソロを支える男声部も張り切りがち。

 「我らが郷土の誇り」盤といえると思います。

BILLY GILMAN ~ なんだかいいクラシックぽくないクラシック・クリスマス2008年12月07日 21時42分41秒

BILLY GILMAN

BILLY GILMAN CLASSIC CHRISTMAS(Epic EK 61594)

 この子のCDで手元に残したのは、この1枚のみ。

 わざわざタイトルにクラシッククリスマスと持ってくるあたりは、この少年にとってはここで取り上げられている曲が「クラシック=古い」なんだろう。

 もしかしたら、彼にとってはパッとしない選曲かもしれないのに、この選曲でCDを作ってくれたことを感謝。

 聴く限りでは少しもクラシックではない。

 発声が全く違うし、元気とパンチと声に勢いがあって(言っていることは同じだが)聴いていて気持ち良い。
 どこか大人びていて、カバー写真ほどには可愛くない声だけれど、売れっ子アイドルの余裕を持って歌っている。

 ・・・クラシックしない声も歌い方も、時には、なんだか、いいなあ・・・。

 クリスマスの聴かせどころの曲12.O HOLY NIGHTも伸び伸びとどこまでも果てしなく声が伸びていく。
 ただし、プロデュースする側の人たちが、Nyanda的感性から言うと聴かせどころを心得ていなくて、せっかく彼の声を聴きたいのに伴奏の音量が声に負けじと巨大化するのでスッキリしない。

 クラシック クリスマス・・・なら、それっぽく作って欲しかったところもあるけれど、そういう歌い方でも聴いてみたかったけれど、これも「無い物ねだりのNyanda欲」かもしれない。

 ここでの歌い方が彼の良さだもんね。きっと。

 歌った本人くんが、このCDをどう評価しているのかは知らないけれど、本人くんが思っている以上に、ポイント高めかもしれない。

Terry Wey テリー・ヴァイ(ウィーン少年合唱団) ~ 一人で過ごしたい雪の日のクリスマスに2008年12月07日 22時24分57秒

Terry Wey

O Holy Night / Terry Wey(CD 301 025) 1998年録音。

Billyくんと違って、こちらは文字通りのクラシック・クリスマス。

とっても、丁寧に歌っています。

ですが、ウィーン少年合唱団員として、1996年録音の
「由紀さおり・安田祥子 歌・うた・唄vol.1~ウィーンにひびく歌~(TOCT-9602)」
で、例えようも無く繊細でクリアなハイ・ヴォイスを響かせているので、そのときの声と比較すると、その2年後に録音されたこのCDでは、声に「渋み」が出てきているような気がします。

キラキラしたクリアさ、はそれほど感じませんが、思いのほか、しっとりと静かでどこか古楽的な味わいのある仕上がりで、Terryくんの歌うことに対する真摯さが伝わって来るようです。

どちらかというと、窓の外の雪でも眺めながら、一人で過ごしたいときに向いている歌声だと思います。

(高音の感じがどこかMaxくんに似ているような気がするのですが、これは気のせい気のせい・・・)