ボーイ・ソプラノ JOSEPH McMANNERS ~ 限りない「愛しさ」を体現したソリスト2016年09月07日 06時57分58秒



天使の声を持った星の王子様、といううたい文句よりは、天使そのもの、って感じの子ですね。ボーナスDVDでもそんな感じでした。星の王子様を演じるにはちょっとキレイ過ぎるかな、と思ったりもして。アルバムのタイトル曲も彼の雰囲気にピッタリです。彼が持っているのは、伸びやかなクリア・ヴォイスです。ドラマ性にはちょっと欠ける(?)歌い方をする、素直でやさしげな(鼻にかかり気味の)声なので、クラシック系よりはPOPS系が似合いそうです。ブライト・アイズや、アルバムのタイトルにもなっているロード・オブ・ザ・リングのテーマが私は好きで、他の曲よりは繰り返して聴きました。この声、可愛すぎるのですが、ステージでは光ったことでしょう。ホント、詩編23番、可愛すぎます。聖堂の中で聴いたとしたら、敬虔というよりは、「幸せ」を感じるかも、です。そしてサークル・オブ・ライフは女声とのデュエットですが、女声が投入されたことでテイストが変わり、これが又、聴きごたえがあるのです。そして女声の後に登場したジョセフくんの声に限りない「愛しさ」も感じてしまいます。アルバムカバーのジョセフくんの写真を見た後で聴くと、全体的に声が幼すぎるような気もしますが、その声ゆえに、純度100%の(冷たさの全くない)透明感を感じると思います。

少年合唱 Knabenchor der Chorakademie am Konzerthaus Dortmund ~ 上質のコレクター・アイテム2016年09月07日 07時17分01秒



 これはもう、買いの1枚であり、少年合唱&ボーイ・ソプラノファンにとっては、上質のコレクター・アイテムです。
褒めどころはたくさんありますが、合唱団にとってはソリストの充実が前提にあっての自信作というか録音だと思います。アルバムカバーにしっかりセールスどころのソリストを出してきたところが、ファンの目に付きやすいので商業的にもナイスです。
 どこか硬質なテイストのある少年声が、ゆったりとミサ曲を歌っていくところなど、ゾクゾクします。Johann Valentin Rathgeberを私は聴いたことが無かったかもしれませんが、今回、聴いて、曲の美しさも感じました。このソリストさんたちの良さは、高音部でも決してファルセット系に逃げて行かないこと。王道のボーイ・ソプラノで歌っていること。特に(たぶん)最初に名前が掲載されているソプラノさんが私には理想的です。(3人とも素晴らしいです)
 Stabat materについては、私には、ヘニッヒのが基準値演奏なので(と毎回書いていますが)グイグイ攻める感じが好きなので、もうちょっとテンポを速めて欲しかったかも、です。ですが、これだけの大曲を少年のソロ中心に演奏できる演奏力も、この合唱団は、このCD録音の時点で高いのだと思われます。
ボーイ・ソプラノのソリスト中心に、大曲を録音している事例は、数える程しか無いですし、その意味でもこのCDはファンには貴重だと思います。時期を失すると手に入らないこともありますし、手に入る今、聴くことをお奨めします。