ボーイ・ソプラノ Kieran White ~ 熱く錬られ強く鍛えられ磨かれた重金属的な輝きのある美しさ2016年09月24日 09時02分14秒



 Kieran Whiteは、2002年2003年のBBC Radio 2 Young Chorister of the Year のファイナリストです。ちなみにそのときの優勝者が2002年がJamess Eager、2003年がHarry Sever です。このコンテストの優勝者やファイナリストにはソロ盤を出しているケースがありますが、聴いてからコンテストそのものを想像してみると、私の耳ごときでは、演奏に良し悪しの大きな差があるとは思えません。差は、個性の範囲なのだと思います。とはいえ、Kieranが、2年続けてファイナリストに入ったことは、実力があった、ということだと思います。
 彼はWells Cathedralのコリスターで、このCDは彼のソロ盤というわけではないですが、ソロ盤に近い特別扱い盤ということで彼を中心に聴いてみました。
 不安旋律が原因で苦手の Britten ですが、16人のBoy Choristersくんたちの演奏水準は高いと思います。そしてソロが目立つ Benedictus あたりから、私の目も覚めてくる訳でして・・・。録音が Ampleforth Abbeyで行われていますが、残響が多すぎず少なすぎず、充実した16人のシャープで完璧な演奏が採録されています。一糸乱れぬ音っていうのが上手なんですけれど、ホントに16人の男の子だけの演奏なんですか?・・・すご過ぎる・・・。
 さて、Kieranくんですが、このときの録音が2004年でコンテストの1年後です。声が更に充実していたもっとも良い時期の頃にレコーディングが行われたのではないでしょうか。彼の声には、熱く錬られ、強く強く鍛えられ磨かれた重金属的な輝きの美しさを感じます。それでいて柔軟で、ほころびの無い声、です。聖歌隊ソリストの完成形の一つであると思います。聖歌隊と一緒の録音なのも良かったです。それにしてもWells Cathedralは、誰でも入隊を希望出来るCHOIRなのでしょうか? 録音メンバーのコリスターさんたちのお名前ですが、イングランド王家でおなじみの名前が多くて、オヨっとのけ反ってしまいました。合唱の音の質というか味わいが少年合唱ならではの清冽さが貴重なお宝CDです。ソロ合唱ともに、2004年のWells Cathedral Choir の充実ぶりを示した盤だと言えると思います。

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