ドラケンスバーグ少年合唱団~CD以前 60年代2008年03月15日 20時50分32秒

ドラケンスバーグ少年合唱団~60年代のLP
(The Drakensberg Boys Choir in Concert)( renown NLP 301 )

記念すべき合唱団の第1作レコード。大学のホールでのコンサートらしいが、学校の体育館みたいな響きに聞える。曲を歌い終える度に拍手まで採録されていて、伝わってくるものは温かいが、合唱の実力は、その辺の小学校の(素人の)声が揃っただけの、普通に上手な学習発表会程度。クリアでどこか誠実で好感は持てるが、現在の彼らの映像から溢れてくるパワフルなイメージは全くない。現在の姿と対極にあるかの如くの録音。か細い声のソリストくんはまるでWSKでのソリストくんを連想させる。これが彼らの始まりの音。

(On Wings of Song)(TRUTONE TO 702)

第1作よりは洗練された音になったが、鐘の音等の小道具も含めて、ほとんどヨーロッパ仕様。イギリスのCHOIRと錯覚しそうになる。ソリストくんたちもイギリス仕様かも。それよりは何処かソプラノの声の色彩が清冽な寒色というよりは少女っぽく暖色に傾いているような気がするなあ。こちらはイギリスのマイナーなCHOIR程度の実力。決して少女声ではないが、微妙に少女を感じさせる声のソリストくんたち。Gregor くんも。

(SING HALLELUJA!)(Brigadiers BCP1213)

ちょっと国籍不明の伸びやかな歌声。名無しなのが惜しいソリストは感情タップリのイギリスCHOIRか? WSKでもテルツでも、ウィンチェスターでもない。ソロはオペラっぽい感情が入る。この頃はソプラノとアルトの編成なのでいかにも子どもっぽい響き。子どもの域を脱してはいない。だが、合唱にどこか精神を解放させる自由な伸びやかさを感じるので、これが「南ア仕様」なのかな、とちょっと思った。合唱は、ドイツとかオーストリアとかイギリスとか指摘できないけれど、そつの無さを目指したヨーロッパテイストなことは確か。

(ENCORE ! ) (Brigadiers BCP1214)

プロのオーケストラとの共演で合唱にスピード感が出てきます。選曲でもちょっとだけ冒険。ん~良いのですが、中途半端。当時のDrakiesの魅力をどのように表現していくのか、模索しているようなプログラムみたいでした。B面はアカペラ。ソプラノだけのときは、60~70年代に来日した東欧系の合唱団の少女の声を連想しましたが、アルトが加わるとガラリと印象が変わります。もしかしてDrakiesの魅力は低音部にあるかも。今までのアルトよりも音域に幅が出たのです。第1アルト、第2アルト的な。その低い方の声が魅力なのですよね。ソプラノは相変わらず少女声的に暖色ですが。

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 思うところがあって、今、CD以前のドラケンスバーグ少年合唱団の録音を成立の時間に添って聴こうとしています。今回は創立1年後の1968年の初LPを筆頭に創生期 60年代の録音を聴きました。
 私の耳には、指導者たちが聴いた音を根底に、合唱団の音創りを試していた時期のように感じました。素直できれいな合唱ですが、強烈な魅力にはほど遠い。Drakies にしちゃあ普通過ぎ。
 ただしどの声にも伸びやかさが有って、これが現在のパワーに繋がるのかなと予想。

 今後70年代、80年代・・・1991年までの約20年で、Drakies の合唱がどのように変化していくのか、楽しみです。

*録音年は、記載されていないレコードについては、推測です。
 諸般の事情で、ドラケンスバーグ少年合唱団のレコードを聴いた私の感想は、辛口気味かもしれません。好き、なことは確かですので。

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