バリバリ英国正統派ボーイ・ソプラノ~ANDREW SWAIT2016年06月02日 18時31分17秒




(Herald HAVPCD 340)

 び~っくりしちゃいますね~この写真。いつのまにか大人びちゃっていて。THE CHOIR BOYS のときには、子ども子どもしていたのに。
 そして収録曲も、正統派ソリストのお手本みたい。そしてそして、演奏もバリバリ正統派。まごうことなき、英国聖歌隊ソリストの歌い方です。スバラシイ。着々とキャリアを積み重ねてきた結果の演奏なんですねぇ。混声(トリニティカレッジ)のバックを従えて、堂々と映える声です。歌っているんじゃなくて、演奏している、です。表現力があります。曲として聴けるって、当たり前ですが、素晴らしい。トレブルってつい、声を聴いてしまうようなところがあるので。合唱もテノールももちろん主役も全てが良いです。以前、別のCDで聴いたときには、ANDREW SWAIT くんの声に、とらえどころがないように感じてしまい、そのままになっていたのですが、このCDで聴くと、これが聖歌隊ソリストの一つの完成形なんだな、と思ったりします。上手でした~。

少年期の素直さ切なさひたむきさ~ボーイ・シンガー ABRAHAM MATEO2016年06月02日 19時42分42秒



(Parlophone 50999 6 07434 2 8)2009年

 言葉はわからないので何を歌っているのかも分からないのですが、歌に泣きが入っていますね。ひたむきさ、切なさ、素直さ、少年期の「時」の輝きが、ABRAHAMくんの歌から伝わってきます。一所懸命なんだけれど、それが輝くのですよね。人生の中で輝きが伝わる瞬間とか時期とかってそうは無いかもしれないですが、このCDの彼はそういう時期って感じがします。俳優で歌手。アイドルってことかな。
 ステキに歌えています。自由な午後に、床に転がって聴いている私も彼の声から幸せのおすそ分けを受けています。

ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND2016年06月03日 09時15分00秒



Great Boy Sopranos Recorded 1914-1944 (PHI CD 158)

マスターテープからのCD化ではないと思われます。本当のことはわかりませんが、78回転とかの録音を基にCD化したものなのでしょう。採録された音は痩せているのですが、その奥に垣間見える時代の空気感の豊饒さが素晴らしいです。物質的にはそう豊かでもなく(あ、でもポワロさんを見ると100年以上前?の彼らの生活の方が今の私の生活より相当に豊かですけれど)戦争とかあって普通の生活もままならなかったんじゃないかと思うのですが、その時代にこれらの録音があって、誰かが普通に聴いていた、そのことがスゴイのです。その頃、日本はどうだったのでしょう? MASTERの冠がついたこれらのボーイソプラノたちは、歌曲のように歌い、どこかおっとりとして優雅なので、聴きながら、パイやケーキを珈琲といただいていると、とても幸せな気分に浸ることができます。つーか、今、まさに浸っている最中なのですが。78回転は丹念に探すと今でも手に入ることもあります(うちにも数枚あると思います)が、手軽に聴くことが出来るこの企画は良いですねえ。この幸せをどうもありがとうございます。なのです。

ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND VOLUME 22016年06月04日 08時43分38秒





Great Boy Sopronos Volume 2 (1930-1950)

Denis Barthel
Derek Barsham
Billy Neely
Graham Payn & Denis Wright

休日の午前中に、ゆったりと聴くのにふさわしい内容のCD第2弾です。選曲も良いですが、このシリーズは、歌い手の「品格」を感じさせてくれます。加えて声と歌い方が可愛らしかったりします。出来れば、1人で1枚のCDを出せたら良かったのかもしれませんし、それが無理なら、プログラムをボーイ・ソプラノごとにまとめてくれたら、ボーイ・ソプラノ個人の特長を把握しやすかったとも思います。ですが、それぞれの曲とボーイ・ソプラノの声の個性を上手く組み合わせているので、CD1枚を聴くときに、より楽しむことができる構成になっています。

Great Boy Sopranos ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND VOLUME THREE2016年06月05日 08時29分22秒





Great Boy Sopranos Recorded 1927-1969 (PHI CD 167)

Master Michael Morley
Master Derek Barsham
Master Kenneth Purves
Master Milly Neely
Master Graham Payn
Master Donald Collup
Master Robert Harris

 休日の午前中に一人でゆったりと聴きたいトレブル第3弾です。2000年4月の写真を見たときに「あ~良かった~」と何とも言えない幸福感を受け取りました。良いなあ。
 第3弾ともなると、聴く方に余裕も出てきて、収録されている一人一人のトレブルを味わう方向にシフトしますね。なんといっても、今回は私の最愛(この形容詞のトレブルくんは何人かいますケド)のMichael Morleyが登場しますから。Michael Morleyくんの歌というか声を聴くだけで胸が締め付けられるような切なさを私は感じてしまうのです。彼は1953年にオクスフォード・クライスト・チャーチのヘッド・コリスターだったらしいので、探すなら、その辺が目安になりそうです。今回のCDに、4枚のレコードから収録されているということなんですけれどね。ボーイ・ソプラノは超繊細なほどに旬なので、時がうつれば声のテイストも変わっていくのがわかります。ついつい最愛のMichael Morleyくんのことだけ書いてしまいましたが、世間的にはもっと注目されていたかもしれないトレブルくんも相変わらず健在です。

Great Boy Sopranos ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND VOLUME 42016年06月06日 09時03分33秒






Great Boy Sopranos Recorded 1927-1954(PHI CD 168)

Master Lester Leslie Day
Master John Bonner
Master Billy Neely
Master Harold langston
Master Trevor Schofield
Master Robert Harris
Master Brian Moody
Master Raymond Kinsey
Master Derek Barsham
Master John Brookman
Master Robert Regent
Master Ernest Lough
Master Graham Payn
Master Beverly Jones

 第4弾には、クラシック・ボーイ・ソプラノ界の歴代世界ナンバー1でもある Master Ernest Lough が登場します。アーネスト・ローは、1971年に「ママに捧げる詩」でニール・リードが登場したときに、「イギリスでは、少年の歌が100万枚以上の売り上げを記録するのは、1920年代の"Ernest Lough"の"Oh for the wings of a dove"以来のこと」と比較された特別なボーイ・ソプラノの金字塔です。ローは正統派ボーイ・ソプラノ、王道のボーイ・ソプラノであり、尊敬されていると思います。その Master Ernest Lough と同時代にこれだけのボーイ・ソプラノが活躍していた時代の空気感に圧倒されてしまいます。タイムマシンがあったら絶対に行ってみてその時代に浸りたいものです。ロー以外にも好きなボーイ・ソプラノの演奏がありハートマークを付けたい気分ですが、このシリーズではキリがないので、よしますね。

Great Boy Sopranos ボーイ・ソプラノの歴史的録音~ THE BETTER LAND VOLUME FIVE2016年06月07日 08時40分54秒




Great Boy Sopranos Recorded 1927-1957(PHI CD 189)

Master Raymond Kinsey
Master Michael Morley
Master Ernest Lough
Master John Bonner
Master Thomas Criddle
Master Cyril Lewis
Master Trevor Schofield
Master John Brookman
Master Lester Leslie Day
Master Kenneth Purves
Master Robert Regent
Master Billy Neely
Master Derek Barsham
Master Robert Duncan Peel
Master Alan Bradbrook
Master Beverley Jones

 第5弾です。イギリスの膨大なボーイ・ソプラノの資産にただただ圧倒されるばかりです。これだけあると、ボーイ・ソプラノ個人に注目したいときに、個人のみ続けて演奏を聴いてみることもできますね。ここでの最愛のM.Morleyは、ちょっと声が落ちいついた頃で、このシリーズの中に違和感なく溶け込んでいます。Master Ernest Lough氏の方が声のトーンが高い頃の収録です。4で書き忘れたのですが、Lough氏の演奏は凛として少年の声でありながらも、鋼の錬金術師ふうに言うなら「(品)格が違う」ようです。このシリーズにはモノクロの写真も掲載されていますが、ボーイ・ソプラノたちの品格はその写真からも伝わってきます。聴いている途中でおぉっと思った演奏があったので、名前を確認したら最愛のM.Morleyでした。これだけ多くのボーイ・ソプラノたちの演奏から好みの演奏をピックアップできるものなのですね。さすが偏り激しい私です。
 また、第5弾の良いところは、プログラムにさりげなく録音年が記載されているところです。その時代へ思いをはせたり、収録されているボーイ・ソプラノたちを時系列で整理できます。
 ・・・しかし、声が可愛すぎる・・・誰の声とは言いませんが。歴史的録音を再現したCDは貴重ですが、私は、じっくりと聴きなおして、ピンときたボーイ・ソプラノの78回転のレコードを探そうかな、とか思ったりしています。THE BETTER LAND は、そういう聴き方もできるシリーズです。