ボーイ・ソプラノ boys air choir ~ 聖歌隊の制服を脱いで口ずさむクリスマス・ソング2016年07月09日 17時08分36秒




 少年のグレゴリアン で濁りの無い伸びやかな声でソロを聴かせたTom Crowがこの盤のソリストです。ライナーノーツには、ミキシングについての記述はありますが、録音年月日の記述なし、です。何曲かソロがありますが、曲ごとに彼の声の印象が違うので、記載は避けました。今回のCDのコンセプトが、聖歌隊員が聖歌隊の制服を脱いで、日常生活中に口ずさむクリスマスソングなそうですから、ああ、こんな感じなんだ、と思って聴きました。自宅でのクリスマスソングですから、コナーがピアノなのも、頷けますが。
 Tom Crowも声は高いのですが「久しく待ちにし」での伸びやかさよりも(技術的な?)楽しさを「7.世の人忘るな」に感じました。ホントにTom Crow? 聴かせどころの「12.オー・ホーリー・ナイト」に限って、マイクから遠いのですよね! 何故に? ・・・残念。
 昔からバカの一つ覚えのように、何度も何度も繰り返して本当に本当に申し訳ないですが、この才能ある少年ソリストたちの声の記録をこんなふうにしか残せなかったなんて・・・。残った録音が悪いとは思っていません。コンセプトは完全に達成されました。楽しい仕上がりです。でも、ですね。これ以上のものが残せたはず、と思っているのです、未だに。
 Tom Crowについては、聖歌隊でのソロを後日聴いてみたいと思っています。

ボーイ・ソプラノ boys air choir ~ コナー・バロウズ Connor Burrows への敬意を表したCD2016年07月09日 19時25分44秒




 コナーにとって、このCDは、boys air choirとしての彼の最後の作品であると共に、バリトン歌手としての最初のステップを踏み出すものだとありました。このフォーレは、制作サイドやメンバーからの、boys air choirとしてのコナーの演奏やこれまでの尽力に対しての「尊敬」を感じました。そして、ここに収録された彼のバリトンは、優しげでした。私も1ファンとして、コナーの幸運とこれからの彼のご活躍をお祈りいたします。
 レクイエムにおけるコナーの遺産があったので、作品として形にしたいと考えたのも、わかります。1996年の遺産から欠けた所は Harry Sever が補い完成させました。
 拾い物は、「8. アヴェ・ヴェルム・コルプス Ave Verum Corpus K.618」です。私は元々この曲が好きなのと、 Charlie Dalton の淡々とした歌い方に好感を持ちました。
 ある時から、フォーレがちょっと苦手になり、このCDも、きょうの日まで聴いていなかったかも、です。なので、アルバム・ノートすら見ていなかったかも、なのです。アルバム・ノートの表紙裏に、John Hewitt-Jones のサインがありました。この録音自体には参加していないようですが、コンサート・メンバーとして来日していたんですね。
 John Hewitt-Jonesは、Dulwich College Chapel Choirの聖歌隊員で、2005年の BBC Radio 2 Young Choristers of the Yearにおけるファイナリストだったようです。彼の個人的なCDは、出ているのでしょうか?
 聴きなおしつつ、サインの発見があるたびに、嬉しい私です。

ボーイ・ソプラノ boys air choir ~ 聴きながら彼らの歴史を振り返る2016年07月09日 20時19分25秒



 boys air choirは、実力ソリスト集団なのでそれぞれ美点はあるのですが、やはり、コナー・バロウズは巨星でした。
 今聴いてもコナーは超ソリストです。もしもコナーやboys air choirのメンバーがPrizeman氏に出会っていたら・・・とか、どうしようもない想像を今でもしてしまいます。←しつこいったら! コアな指導は、或いはコナーたちが所属するいくつかの聖歌隊の指導者の誰かでも良かったんですけれどね。ま、契約上、無理か・・・。
 このCDは、当時あったboys air choirってどんなグループだったのだろうとか、伝説のコナー・バロウズのボーイ・ソプラノは、どれだけスゴカッタのだろうとか、リアルタイムを逃した世代のボーイ・ソプラノのファンにお薦めします。同時に、boys air choirと共に時を過ごしてきたファンの方の場合は、このCDだけでざっと彼らの歴史を簡単に振返ることが出来るので、持っていて良いと思います。
 私はずっと日本側の制作サイドに不満を持って聴いてきました。イギリス本国で録音して、日本でミキシングしてとか、その他にも、複雑な事情があったのかもしれないですが、ソリスト名と録音年月日と場所だけは曲ごとにわかりやすく整理して欲しかったのと、何より伴奏にもっと気持ちとお金を使って欲しかったです。boys air choirの実力にはそれだけの価値がありました。
 今聴いても、boys air choirの表現力の凄さに、あらためて彼らの扱い方が「もったいなかった」と思うのです。ちょっとだけプロデュース側の人間を、(もっとキチンと作れたハズですよね、と)恨んでいたりして・・・。