Tomokazu Murakami 村上 友一 ~ 日本のボーイ・ソプラノ史上、最高峰の一人2008年12月10日 22時29分31秒

Tomokazu Murakami

天使の歌声 アヴェマリア~オンブラ・マイ・フ 村上友一 (NCDS 39・STEREO)
おそらく、1990年7月録音。

ボーイ・ソプラノを聴くとき、語るとき、この人は絶対に外せないだろうと思う。
CDは3枚ほど、うちにあるが、中でも、このCDが一番好きだ。

収録曲は、

アヴェ・マリア、おおホーリー・ナイト、神の御子は、すみれ、アマリリ麗し、オンブラ・マイ・フ

だけだが、どの曲も、彼は、声だけではなくて、精神的にも澄み切って歌っているように聴こえてくる。

この季節、暖かい部屋の中で、このCDを、繰返して聴くのだ。

そして、「おおホーリー・ナイト」「神の御子は」で声が伸びるとき、その声の奥に感じる清らかさに泣けそうになってしまう。

彼のソロは、耳で聞く日本語が美しい。

情感に溢れながら溺れず、ビブラートのかからないやわらかな声は、ヨーロッパの歴代のソリストにも引けをとらないと思う。

あと3年、とは言わない。せめて変声期が1年先だったら、どんな曲を聴かせてくれたのだろう?・・・など書かなくても、彼以後の国内に、彼を凌ぐもとい彼に匹敵するB-Sが現れないところを見てもいかに特異な存在だったかが判る。

存在云々以前+以上に、彼のクリアな歌声が、私自身を見失ったときに行き先を照らしてくれるような気がして、彼の日本語の歌声を聴いている。

村上君は、1979年小樽市生まれ。
8歳の夏に、全国童謡歌唱コンクール全道ブロックにおいてグランプリを獲得し、以後、数々の賞を受賞。B-Sの天才少年と呼ばれる。

そして、
5年生の12月、2枚のCDが世に出される。

翌年1月に彼を取り上げたTVのインタビューで、
「歌の世界に吸い込まれるように入っていき、その世界を表現するのが好き」
と彼は、感受性の豊かなところを見せている。

ただ、惜しむらくは、当時既に、5年生の11月から変声期に入り、CDが出た頃には、ソプラノは失われつつあったのだ。

けれども、やはり彼は、
「(変声は)しょうがないじゃないですか」
と、自分自身の変化を、聡明な様子で、冷静に受け止めていた。

当時、村上君のお母様からいただいたテープによると、録音は少なくとも2回、1990年1月(10才)、1990年7月(11才)に行われたようだ。

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