リベラ libera ~ 聴き手の心にさざ波のように波紋を描く、たとえようもなく 静かで やさしく繊細なコーラス ― 2008年11月08日 14時49分34秒

ルミノーサ~聖なる光 リベラ libera luminosa (WPCS-11100) (P)&(C) 2001
(2002年の初め頃に、聴いた折の感想です。)
初めて彼らの歌声に出会ったのは、10年とは言わないがかなり前。 St Philips Boys Choir のエコーで包まれた優しい歌声の虜になって来る日も来る日も毎日のように聞き続けていた。
かなり気に入ってしまって、コピーしてくれた知人に、断られても断られてもCDを譲って欲しいと手紙を出し続けたことを思い出す。もちろん、CD番号を聞いて注文を出したが入荷せず。こちらも3ヶ月に1度くらいの割合で繰り返し注文し続けた。
大袈裟に言うと、St Philips Boys Choir の、Sing Forever と New Dayの2枚のCDを手に入れることが当時の(カバー収集と化している今も)悲願だった。そして全集盤Angel VOICESを手に入れた今でも私の彼らの歌声に対する思いの原点はそこ、特にSing Forever のCDにある。
luminosaを聴いて思うのは、ここはソロが魅力のCHOIRだが、さざ波のように波紋を描くたとえようもなく静かでやさしく繊細なコーラスに何処かなつかしさで心がかき乱されるような気がするということ。
CD作成の発想はboys air choirにも共通するものを感じるが、完成度は比較できないほどこちらが高い(ように思う)。それは演奏する子どもたちの違いというよりも、制作に携わっている人間の違いだろうと感じた。
お気に入りはアヴェ・マリア。
曲も良いし、しなやかでつややかな少年の声の魅力を存分に魅せた1曲だから。この曲だけなら100回リピートしても私は集中して聞き続けることが出来る。
・・・が、その他CDを順番に聴いていくに従って、飽きてしまって最初の1回は最後まで聴き遂げることが出来なかった。
ヒーリング効果をねらったと思われる加工して平均化し起伏を極端に押さえた音楽の作りが生クリーム過多のお菓子みたいで、最初の一口は美味しかったが次第に口に入らなくなる感じ、になってしまったのだ。
この合唱団を映像で見せて貰ったことがある。確かに聖歌隊なのだが、いわゆる普通の聖歌隊とは違っている。聖歌隊のジャニーズ・ジュニアと言うべきか? 聖衣を着て祭壇に向かって歩きながら歌う。聖堂内で歌う。しかし、カメラのアングルが自在でアイドルを撮影して居るかのよう。ソリストたちの顔のアップの多さ。クリケットする。散歩する。ゲームする。等々・・・。音楽をどけても少女ファンは付くと思われた。同時に、この番組を見て、メンバーに入りたい子ども、入れたい親が出てくる、とも感じた。
普通の発想で歌っていたら、今ほどには注目されなかっただろう。企画の勝利、である。もちろん、それだけではなくて、企画を実現させた「声」あってのことなのだが。
*********************************************************
2002年頃、な~んて書いていましたが、St Philips Boys Choir から libera に変わっても、新譜が出れば一応買うし、心の中には、マイケル・ホーンキャッスルくんの「彼方の光」が聴こえていたりするし、私って普通のリベラファンなのかも。なのかなあ。たぶん。
WILTENER SANGERKNABENN チロル・ビルテナー少年合唱団 ~ 素直に明るく伸びる声が聴き手を幸せにする ― 2008年11月08日 19時08分18秒

MUSIK AUF DEM STIFT WILTEN-DIE WILTENER SANGERKNABENN (Berton LP 9174)
Leitung:Armin Kolbl
来日した団員くんがソリストを務めたので彼のお知り合い経由で入手したLP。カセットでも出ていて、カセットには、お知り合いさん経由で依頼して(ちゃっかりと)ソリストくんの直筆メッセージ入り。
この頃はなかなか輸入盤を入手する方法がなかったので届いたのが嬉しくて話題にしたら、某ドイツ系CHOIRファンの一言「ビルテナーがこれだけ歌えれば良いよね!」でガクッと来た思い出がある。クロイツと比較されてもなあ・・・。
でも、明るいシュッツ、なんだか良いじゃない!聴きやすいし、聴いていて疲れないじゃない、音だって透明感があってきれいだ。と心の中で思った。
今、聴きなおしてもそう思う。大御所には大御所の演奏があるようにご近所CHOIRにはCHOIRなりの親しみやすさがあるのだ。シュッツで幸せにしてくれるCHOIRが他に何処にある?
素直に明るく伸びるビルテナーの声はモーツァルトでより可愛い。習った通りに歌っているな~的なソロも好感度大。
正直言って、これだけきれいな声で伸び伸び歌えるなら、シュッツやモーツァルト等大きいCHOIRなら何処でも歌いそうな作曲家ではなくて、普通にチロル地方の民謡を歌って欲しかった。カバーも普段着で。周辺の風景を背景に。(普通の風景がきれいなんだから)
さて演奏に戻ると、出している声があまりに自然なので、フォーマルというよりもカジュアルなモーツァルトではあるが、この頃のソリストくんの声はなかなか捨てがたい。バッハの大全集に登場しても良い古楽的味わい深いソプラノで、柔らかだが、崩れてしまわない少年の声特有の芯を感じることが出来る。
ソリストくんが親類の結婚式で歌ったというバッハ・グノーのアヴェマリアを聴きたかったな~。
蛇足だが彼は10年ほど前に再来日して日本国内数カ所でテノールコンサートを開いている。私の地元でも開催されたが、そのとき、私は飛ばされていて(転勤のため不在で)聴けなかった。
ソリストくんのお知り合いさんから案内をもらったのに行かなかったことを未だに後悔している。
(仕事なんかサボってでも行くべきだったんだ!)
WILTENER SANGERKNABENN チロル・ビルテナー少年合唱団 ~ 幸せにニシャっと溶けてしまいそう ― 2008年11月08日 20時28分39秒

WILTENER SANGERKNABEN (LESBORNE L 2017 STEREO)
Leitung:Norbert Gerhold
珍しくもCHOIR友人からコピーを頼まれてしまったので(CHOIR友人はインド人さんから頼まれたそう)、コピーしながら懐かしい合唱を聴き続けています。・・・で、ビルテナーはゆるゆるしていて良いなあ。
1946年のビルテナー少年合唱団創設時から音楽監督・指揮者を務めてきたN.ゲルトホルト教授。1976年には自国から文化勲章を受章しているそうです。
(82年は彼が合唱団を引率してきました。その後指揮者が変わりますから生を聴いた方は幸運だったかも)
この盤では、地方色を出しながらも、どこかヨーロッパ系標準CHOIRの趣を残し、しかも、合唱に様々な声のソロをふんだんに取り入れ、飽きさせない構成になっています。
昨今、ビルテナー(表記はビルテン?)のCDは出ていますが、レコードはCDで聴くよりも音が柔らかく、とにかく、ソリストくんたちの声を聴くだけでも、幸せにニシャっと溶けそうになる1枚です。とにかく、とにかく、とにかく幸せオーラ。
(WSKだけがソリストの宝庫ではないのです。)
芸術には昇華しない良さ、彼らと一緒に隣で歌い踊れるような親しみを感じさせる合唱団だと思います。
(むろん一緒に云々は、親しみを感じる故の錯覚であって、実際には素人には真似できない上手さですが。)
最近のコメント