システィーナ礼拝堂合唱団 ~ 「信仰という特別な空気」の中で ― 2008年11月03日 15時57分09秒

CORO DELLA CAPPELLA SISTINA Der Knabenchor des Vatikan in der Sixtinischen Kapelle (ACANTA DC 21.841 STEREO) P1973
Leitung:Domenico Bartolucci
黄金の粉を振りかけた鈴のような金属的なでもどこか丸いソプラノが変声後の声と競うような合唱で始まるのだが、残響が大きく長く、私自身が現場にいるかのように錯覚してしまう。
ソプラノ組はpになると輝きを失ってくすんでしまうのだが、ひとたびfに戻るとキラキラと輝き始める。
クリアで屈託のない精神を感じて非常に気持ち良い。
作品的に完成度の高さを感じたのは3.Improperium exspectavit。
この曲自体が美しいのかもしれないが、シャープでありながらも丸みを感じる光るソプラノが余裕のある男声部の分厚い層から自然にスーッと浮かび上がる様には、信者ではなくても厳かな気持ちにさせられてしまう。
演奏にほころびが無いとは言わないが、コンサート系合唱団にはあまり無い「信仰という特別な空気」の中で、演奏に浸ることで魂の何処かが癒される1枚であると思う。
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