少年合唱 Knabenchor der Chorakademie am Konzerthaus Dortmund ~ 上質のコレクター・アイテム2016年09月07日 07時17分01秒



 これはもう、買いの1枚であり、少年合唱&ボーイ・ソプラノファンにとっては、上質のコレクター・アイテムです。
褒めどころはたくさんありますが、合唱団にとってはソリストの充実が前提にあっての自信作というか録音だと思います。アルバムカバーにしっかりセールスどころのソリストを出してきたところが、ファンの目に付きやすいので商業的にもナイスです。
 どこか硬質なテイストのある少年声が、ゆったりとミサ曲を歌っていくところなど、ゾクゾクします。Johann Valentin Rathgeberを私は聴いたことが無かったかもしれませんが、今回、聴いて、曲の美しさも感じました。このソリストさんたちの良さは、高音部でも決してファルセット系に逃げて行かないこと。王道のボーイ・ソプラノで歌っていること。特に(たぶん)最初に名前が掲載されているソプラノさんが私には理想的です。(3人とも素晴らしいです)
 Stabat materについては、私には、ヘニッヒのが基準値演奏なので(と毎回書いていますが)グイグイ攻める感じが好きなので、もうちょっとテンポを速めて欲しかったかも、です。ですが、これだけの大曲を少年のソロ中心に演奏できる演奏力も、この合唱団は、このCD録音の時点で高いのだと思われます。
ボーイ・ソプラノのソリスト中心に、大曲を録音している事例は、数える程しか無いですし、その意味でもこのCDはファンには貴重だと思います。時期を失すると手に入らないこともありますし、手に入る今、聴くことをお奨めします。

ボーイ・ソプラノ Jastin Webb ~ WSKゲート前の正体不明?のソリスト2016年09月08日 09時06分25秒



 正直、Jastin Webb 君の正体は不明です。人伝に得たCDで、送ってくださった方とは連絡が取れなくなっているため、履歴等、調べようがありませんでした。録音の場所等により、一応、USAに分類しておきますので、詳細をご存知の方はお知らせいただければ幸いです。アルバムカバー写真の背景がWSKの宿舎っぽいのも意味深です。もしかして、団員君? それとも 旅行者とか交流研修者とか? 
 歌を聴いた感じでは、WSK的な発声ではないですし、選曲も違います。内容はアメリカ的な宗教曲でしょうか・・・。(と思います)歌い方も選曲も、イギリスの聖歌隊員的でもありません。なので、やはり、USAかも、です。ボイストレーニングは受けたような歌い方でですが、まだまだ上手くなりそうな子で、自分の一番を知る前にレコーディングしちゃったかも、です。レコーディングをもう少し、遅らせても良かったかも、です。曲の解釈とか表現に大人が介入しているようにも思えず、自分なりに歌っているかのようで、とにかく謎の少年でした。日曜日の教会のスターかな?ときに美しいメロディがあり、ときに声が美しく響くこともあるのですが、それがCD全体に行きわたらないのが残念でした。

ボーイ・ソプラノ James Eager ~ 聖歌隊員の在り方としての理想形2016年09月08日 09時09分18秒


 Jamesくんは、2002 BBC Radio 2 Young Chorister of the Year の栄誉に輝いた少年です。このCDは受賞記念で作成された模様です。いかにもなカバー写真も晴れがましくて良いですね。このとき、11歳(?)。
 Jamesくんは、抜きんでて目立つ声や歌唱法とは、声だかには言えない気もしますが、在り得べきChoristerの理想形がこのCDから見えてくるような気がします。邪気の全くない、清らかさを醸し出しているJamesくんのソロ。ソリスト君が所属するLlandaff Cathedral Choir のメンバーたちの、ソリスト君を盛り立てようという心意気が伝わる合唱。聖歌隊の内で、お互いがお互いを認め合い、尊敬しあい、仲間を愛し大切にしている気持ちが、演奏から聴こえてくるようで、それだけで感動してしまいます。ソロ中心の聖歌隊の演奏で、ソロと合唱とのバランスも良いと思いました。

少年合唱 Les Petits Chanteurs de Saint-André de Colmar ~ え、もしかして男女混声?2016年09月09日 00時15分10秒



 このCDは、欲しいCDと勘違いしてポチッと通販したCDです。取消しの方法も解らず、購入と相成りました。しかも、落ち着いて良く見たら、欲しいCDは、売り切れ状態でした。諸行無常。ん~、COLMARはCOLMARでも、今まで聴いてきたCOLMARとは違うCOLMARなのですね。このカバー写真! ポチッとしたとき、写真が表示されていなくて、写真があったら、いくら私でも、ポチッの前に、一拍、思い止まりましたとも。私のPCの状態がダメだった訳でして仕方ないかな。
 雰囲気は「天使にラブソングを」の聖歌隊バージョン。なかなかなのですが、ホントにこれが聖歌隊? 普通の編曲で聴きたかったかも。懲りない私は、もう1枚、通販してみて、届くのを待っているところです。ジャズっぽくないのを聴いてみたいので。ヘタとも言えないだけに、何も、おフランスのCHOIRがジャズらなくても・・・。しかも、大好きな WHAT A WONDERFUL WORLD に歌無しとは! そりゃ、ピアノとベース、ドラムのトリオはそれなりではありますよ。でも、私は、歌で聴きたいのだ! ソプラノ・ソロはCecileさんでしょうか。女声っぽくなく意外と硬質でストレートなソプラノで、聖歌隊とも違和感がありません。女声のような、でもBSのような、と思って聴きましたが、おそらく、女声ですね、表現力が、子どもの域を超えていますから。
 むしろ、ジャズ・シンガーしている、クリアなCecileさんの声、目的で買うCDかもしれません。お店でジャズを聴いている気分。ベースが良いな~。爪弾き具合がこんな音だったし~。
 タイトルのCLAP YOUR HANDSも、キングスが歌っている曲とは別物でした。このCDもCHOIRも悪くはないと思うのですが、私の範疇からは外れている内容だったのが残念でした。CHOIRは悪くないです。間違って購入した私が悪いんです。

ボーイ・シンガー Ionuţ Cercel~ かなりの異国情緒2016年09月10日 09時41分40秒



あんまり舌も回らないような子どもの歌に聞こえます。旋律が中東的な旋律にも思えます。喉の奥を震わせて歌う感じ? 本当にルーマニア? 私が子ども時代に聞いたルーマニアの歌とは雰囲気が全く違うのですが。聴く歌というよりも、踊るときに歌われる曲という気がします。発声法が聴きなれていないのですが、もう少し、経ってからの方が、曲に声が似合ってくるかな、とも思いました。5番目の曲Daca Te-as Pierdeのメロディが好きかも、です。

ボーイ・ソプラノ Jeremy Budd ~ 美しさ故の はかなさ、さびしさ2016年09月11日 09時14分57秒



 このCDは、カウンターテノール・ソロから始まりますが、声には成熟したボーイ・ソプラノの味わいがありました。日々の楽しみ方はもちろん、苦しみも悲しみも知った上での声で、しかも生々しい感情をさらけ出すこともなく、あたかも、シェークスピアのお芝居で音楽を聴いているような錯覚に陥りました。ああそういえばBBCのシェークスピア劇場って、こんな感じだったと思い出しました。あのときに歌った方の名前はポール・フェニックスくん位しか覚えていませんが、時代が合えば、Jeremyくんも歌ったかもしれないです。悲劇的な雰囲気や心の暗い影みたいなものも、声から滲み出たりしていますから。聖歌隊における音楽教育は、様々なジャンルを歌える少年を作り出すのだなあと感心します。そして、BSとCTのデュエットが作り出す音の世界は、美しいがゆえに、儚すぎます。

ボーイ・ソプラノ James Jirtle ~ ボーイ・ソプラノと楽器との融合2016年09月12日 08時13分43秒



 聴くまでは、ずっと英国だと誤解していたのですが、米国少年だったのですね。選曲を見ると、作曲者等は英国少年のCDと大差ないです。カバー写真も英国的ですし。でも、演奏を聴くと、切迫した宗教観からは少し遠く、自由でやさしい雰囲気です。Jamesくんのソフトな声がそのような印象を生むのかもしれません。宗教性からは少し解放されているような雰囲気が伝わってきますが、それが英米の感覚の違いかもしれないです。どちらを好むかは聴く人次第でしょう。Jamesくんを中心にクリスマスのTV番組も作られた模様なので、アメリカでは一目置かれていたトレブルだと思われます。このCDでは、声が主役的な自己主張を感じられず、ソプラノが他の楽器の一部と化しているかのような演奏でした。その演奏法は、Jamesくんの奥ゆかしい心の本質に由来するのかもしれません。遠慮しないで、もうちょっと声が前面に出ても良かったかも、です。聴かせどころの8分の意欲的な大作?については、どちらの声も、凡庸というよりも、醜かったです。