ボーイ・シンガー 平川地一丁目 ~ 今の彼らだけの心の中の時間と空間2016年09月05日 10時38分41秒





 イガイガの蒼い青い声と曲が謎的に魅力的。変声前の危うさも年代もその不安定さが魅力。未来に対する漠とした仄暗さを歌っている感じの内容も、演奏者の今だからこその魅力。等身大というよりも、創作者故の繊細さが魅力。完成には程遠い未完成さも又、その年代ゆえに魅力。今の彼らのみに、表現できる彼らの心の中の時間と空間とを宝石以上の輝きで作品に錬金した。

ボーイ・シンガー Heintje ハインチェ ~ 大人が求めた理想の男の子の体現2016年09月04日 15時58分54秒


ハインチェ少年の立ち位置というかコンセプトが如実に表れたタイトル。親にとっては心身ともに健康的で頼りになる息子、兄弟にとっては頼りになる兄もしくは素直で建設的な弟、と、家族にとって理想的な男の子を体現していたのではないかと思います。その意味では、この盤の選曲も、実に健康的です。危ういところや、陰りが全くありません。少年時代が持つ明るいイメージを形にして見せてくれた男の子だったのではないかと思います。
ハインチェの集大成からのベスト・チョイスでしょうか。人気のありそうな曲が選ばれています。ドリームランドが無いのは個人的には残念ですが、何枚かあるハインチェ盤の中から、ちょっと聞きたい時など、この盤が良いと思います。
戦争も終わり、人々が未来指向で希望を持って生活していた時代、ハインチェの屈託のない豊かな声量の歌声は、人々の心にかなっていたのだと思います。この盤の選曲も、時代に合致していたというか、人々が求めていたものだったのだろうと思います。この頃は、NHKみんなのうたも、外国の曲が取り上げられて日本語の歌詞で歌われていましたが、この盤にもみんなのうたで聴いたことのある懐かしい曲が入っていました。
録音によっては、レコードの方が良い場合もありますが、ハインチェのCD盤は、レコード盤よりも聴きやすいと思います。どちらかというとこの盤の選曲はLP盤よりも新しっぽいです。硬軟取り混ぜた選曲も、万人向きといえるでしょう。
売れたアーティストのお約束、クリスマス・アルバムです。ハインチェは、ここでも、他のアルバム同様に、朗々と歌っています。ここまで聴いて思いました。彼にとっての歌って何? 彼は何を思いながら歌い続けたのでしょう? どのアルバムのどの曲を聴いても、なんだか、同じに聴こえてしまうのは、私に新鮮な驚きを得るいわば感動する力が欠けているからかもしれないですね。彼の場合、表現力がどうこうではなくて、天賦のソリストだったのだと思います。

ボーイ・シンガー RONAN PARKE ~ 変声前の声として最高の時期に録音されているCD2016年08月20日 08時55分47秒



 表現力もありますが、何よりも、変声前の声(ボーイ・ソプラノ)としては、最高の時期に録音されているという、RONAN君とリスナーにとって幸運な1枚です。そして、あくまでも歌声重視で、伴奏がシンプルなのも、とっても良く、最大限の効果が作品に現れたCDです。音楽のジャンルとしては好みによると思いますが、素材としてのRONAN君の声はとっても素晴らしい。
 できたら、BILLY GILMAN 君の CLASSIC CHRISTMASみたいな曲も聴きたかったです。このCDのときのコンディションのままなら、O HOLY NIGHTなんか、果てしない高音が出て、すごい演奏になりそうですものね。

ボーイ・ソプラノFrancis BERNIER ~ 粋でオシャレなアルバム2016年08月18日 17時52分18秒



正直、第一印象は、映画コーラスくらいに歌える子って世界中には複数存在するんだ、と思いました。Francis 君もその一人。しかもPOPシンガーだからなのか、聴く対象者を意識して歌っているプロです。歌のジャンルがPOPSなのかシャンソンなのか軽音楽なのか等という分類がわからないですが、いきなり高音へ急上昇するような曲はありません。横揺れ曲を上手に歌っています。1曲1曲が意味ありげにオシャレでステキで惹かれるのですが、小粒かも。ドラマティックな曲も聴きたかったです。

ボーイ・シンガー DONNY OSMOND ~ カルピスのCMに封印されている最愛の声2016年08月13日 17時55分54秒



 DONNYに関係しないところから語らせていただきます。私は飯田文が出ていた頃、カルピスのCMが好きで、CMを見るために、TV番組(ドラマ)を見ていました。飯田文から福田タミー・・・と出演する女の子が代替わりし、その中で、オズモンド・ブラザーズも起用されました。
 カルピスのCMに出ていた頃のダニーの声は、本当に本当に最高のボーイ・ソプラノだった、というようなことを私は言いたかったんです。CMなので数十秒の彼らの出演と、しかもダニーのソロは数秒だったのでしょうが、その数十秒のコーラスと数秒のダニーのソロを聴くために、当時、私の1週間がありました。
 もちろん、このCDに収録されている曲は、アイドルとして売れた曲で(私は後に2枚組LPを買いましたが)、ダニーはティーン・アイドルとして最強だったと思います。今聴いても、ジワ~っときますし。変声が始まってからの声も魅力的ですし。
 でも、私の中のダニーの声は、このCDに採録された時代よりも、もっともっと前の、細くてツヤツヤしていて、どこまでも伸びる、キレイで健康で、でも切ないほどに輝くフレッシュな蜜の声なのです。オズモンド・ブラザーズが出演したカルピスのCMをDVDにして売り出してくれないかなあ、とすら願うほどに、ダニーの声は私の記憶に残る大切な大切な声です。

ボーイ・シンガー DECLAN ~ 将来性を感じる声2016年08月13日 17時52分18秒




 リアルで聴いた時には、あまりに上手で、声も限りなくクリアに出ているので、感心もし楽しめたのですが、今、聴くと、録音の時期が、数か月後もしくは1年以後の、声がもう少し、大人びてからだったら良かったのに、などと贅沢な感想を持ってしまいました。声、表現力、ハートともに、申し分ないので、・・・単に、ファン欲でしょうね。
 有名どころのナンバーを歌うことで、つい、耳に残っている本家と聴き比べたりするのですが、DECLANくん は中々の実力と・・・魅力がありますねえ。幼い声なのに、しっかり声が憂いていたりして・・・。変声直前の大人に近づいた声での演奏も聴いてみたかったです。

ボーイ・ソプラノ boys air choirの精神的支柱 ~コナー・バロウズ Connor Burrows2016年07月08日 10時26分16秒



Memories best of boys air choir (VICP-62103)

 これは、ただただアルバムカバーのコナーのサインが嬉しかったCDです。Choir友だち経由で入手しました。フルネームで文字が顔にかからないように書いて欲しかったかもですが。正直言うと、サイン入手だけでかなり満足して、CDは聴いていなかったです。
 今、聴いても、コナーは格が違います。このコナーの存在感がboys air choirの精神的支柱であり、存続の牽引力であったのだと思います。もちろん、エドワードのスター性やパトリックの親近感、アンドリューの聖歌隊員独特の正統性(意外と無個性に聴こえたりします)など、コナーに続くソリストがいたから、グループは存在したのでしょう。上手ですしね。曲はどれも良いですし。でも、コナーは別格ですし、その声に対峙する、そのときの合唱も緊張感が違います。
 そして、コナーを聴くと、ジワ~ッと泣けてきますよね。クリスマスでもない、この真夏に。
 コナーから始まったboys air choirのソリストの歴史を振り返る1枚です。メンバーにおけるソリストの立ち位置の変遷が垣間見える1枚でもあります。